戦闘
「大丈夫ですか!?」現場に駆けつけると、斧を持った、熊系の獣人族の、赤い鎧を着た男の人、20代くらいだろうか?それと、同じく熊系の獣人族の、斧を持った、青い鎧を着た男の人、こっちも20代くらいかな?それと、こっちも熊系の獣人族の、斧を持った、黄色い鎧を着た20代くらいの男の人がいた。いずれも筋骨隆々で、身長が2m以上もある。
「加勢します!」そう言って、私は剣を抜き、巨大な蛇に斬りかかった。蛇は20m以上はあるであろう巨体で私に噛み付こうと襲いかかる。蛇の突進をかわすと、蛇の首を剣で斬りつけた。
浅い!剣の先が蛇の首に少し当たっただけで、大した傷を与える事ができなかった。
その時、赤い鎧を着た男の人が蛇に接近し、その肉厚な刃を持つ斧で、蛇の首を斬り落とした。そして、私にこう言った。
「手柄は渡さねーぞ!嬢ちゃん!」
「手柄?」
「あんたも、蛇の討伐依頼を受けてるんだろ?依頼を達成するのは俺達だからな!」
「違いますよ!私は薬草を採取するクエストを受けてるのであって、蛇の討伐依頼なんて知りません!」
「あれ?そうなのか?」
私が今日、初めて冒険者になった事を話すと
「ははぁ、さては掲示板を見なかったな?」
青い鎧を着た男の人が私にそう言った。
「掲示板?」
「この森は、普段は平和なんだけどよ。突然変異した化け物が出てくる事で有名なんだぜ?」
私が孤児院にいた頃の、ピクニックで行った森とは違うのか、、、
「掲示板は見といた方がいいぜ。嬢ちゃんは初めてで知らなかったんだろうな。」
黄色い鎧を着た男の人がそう言った。私もまだまだ未熟だなぁ。
「俺の名前はグリーサ、青い鎧の奴がグリーシ、黄色い鎧の奴がグリース。3つ子だ。よろしくな!俺達は3人ともAランクだから、分からない事があったら、俺達を頼りにしていいんだぜ?」
Aランク!凄い人達だなぁ。
「クレアです。」
「クレアか。いい名前だな!それにしても、竜人族とは珍しいな。」
グリーサが、私の頭に生えてる、ドラゴンの耳を見てそう言った。
「竜人族っていやぁ、強い事で有名だよなぁ。」
グリーシがそう言うと
「何でもドラゴンの力が使えるらしいぜ。」
グリースがそう言った。
「私はまだ、使えませんけどね、、、」
「へえ、そうなのか。俺達は後、4匹狩らないといけねえが、1人で帰れるか?なんなら送っていこうか?」
グリーサが言った直後ーーー
ガサッ!ガサッ!と大きな音がした。明らかに討伐対象の蛇だろう。
「悪りぃな、嬢ちゃん。死にたくなかったら、俺達から離れない方がいいぜ。」
蛇が出てきた。一気に4匹だ。私達を逃がさないように囲んでいる。
グリーサ、グリーシ、グリースはそれぞれ蛇に向かって行った。私も、蛇に剣を向ける。先程の蛇より、少し小さい。
一気に間合いを詰めてから、蛇に斬りかかる。蛇は素早く身をかわし、毒液を吹きかけてきた。それをかわし、また間合いを詰め、再度斬りかかった。剣は尾の方に当たり、蛇の先っぽが切れた。さらに、胴を斬り落とし、動きを封じる。最後に首を斬り落とし、何とか倒した。
他の3人は一撃で蛇を倒していた。
「やるなぁ、嬢ちゃん!あんた、Bランクくらいの力はあるぜ!」
グリーサが私を褒めてくれた。
「クエストを達成するには、ギルドに証拠を見せねぇといけねぇ。ギルドの連中が見てくれたなら、いいが、そうじゃねえから、持って帰るか!」
グリーシがそう言って、斬り落とした蛇の首と首をロープで縛った。
「嬢ちゃん、これやるよ!お礼だ!」
グリースが依頼の5分の1程の報酬のお金を私に渡した。
「なあに、気にするな!立派な戦いぶりだったぜ!」
断れる雰囲気じゃなかったので、素直に貰っておいた。
グリース、グリーシ、グリーサと一緒に森を出て、別れた頃には既に日も落ちかけていた。
お腹空いたなぁ。早く宿を探さないと。