組み手
クレア 「ハァ!」
ジョン 「せい!」
街に戻った後、私とジョンは組み手をする事になった。こうする事でお互いの実力を高め合う事ができる。
宿から離れた芝生の運動場で、それぞれの武器を模した物を装備し、防具を着た私とジョンは全力で戦っている。
ジョンは私の攻撃を盾で防ぎながら、剣で攻撃してくる。それを躱しながら、次の攻撃の準備をする。
盾を装備していない分、私の方が機動力に優れている。スピードの差を活かして攻撃を仕掛けるも、ジョンは盾を巧みに使ってくる。
ジョンと戦って分かった事は、完全に盾と剣を使い分けているという事だ。ジョンは私の攻撃を剣で防ぐ事はしていない。全て盾で対処している。
そっちの方が、ジョンにとっては戦いやすいのだろう。
なら、これならどうかな?
盾を構えるジョンに接近し、さっきと同じように胴体を狙う...と見せかけて、盾で防ぎきれない足元を狙う。
(勝った!)
しかし、ジョンは足元への攻撃をジャンプで躱し、私の頭に剣を当てた。
模擬剣で防具を着ているとはいえ、結構衝撃が来る。
ーーー
「俺の勝ちだな。」
「盾をどうにかできれば、勝てるんだけどなぁ。」
「でも、実戦じゃ鉄の盾を使うからな。剣よりも重い。お前の攻撃を防ぎきれたのも、盾が模擬だったからかもな。」
運動場には、私達以外にも武器の練習をしている人がいた。武器の素振りをしたり、組み手をしたり。
いくつかギルドで見かける顔があった。冒険者だ。
この近くには剣の道場があるから、そこの生徒達も自主練してるかもしれない。
「せっかくだから、俺は他の奴らの組み手を見る事にする。何か参考になるかもしれねぇしな。」
「じゃあ、私も。」
剣や槍、斧(模擬)などの武器を装備した人達が、それぞれ戦っている。
「おい!あれ見ろよ!」
ジョンが指を指した方向を見ると、ハルバードを手に持った紫の髪の長身の男の人が、10人以上の敵と戦っていた。20代くらいかな。
扱いが難しいと言われるハルバードを器用に扱いながら、刃の部分を敵にぶつけ、たまに槍の部分をつかいながら、敵を次々と倒していく。
「どうした?私に挑む者はいないのか?」
「俺だ!」
ジョンがそう言って、紫の髪の男の人に近づいて行った。
「ほう。1人でいいのか?」
「集団で挑むなんて、卑怯な事はしねぇよ。」
「面白い。ではーーー」
ジョンが紫髪の男に斬りかかる。紫髪の男はハルバードを振り回して距離を取る。ハルバードの一撃を喰らえば、盾で防いだとしても衝撃を完全に吸収しきれないだろう。
ジョンはハルバードの動きをよく見ながら、間合いを詰めようとしていた。紫髪の男はジョンの剣が届かない距離かつ、自分のハルバードが届く距離を保っている。
紫髪の男が繰り出したハルバードを躱したジョンは、一気に間合いを詰め、剣で斬りかかる。
しかし、紫髪の男はハルバードの棒の部分を振り回し、ジョンを吹っ飛ばした。
吹っ飛ばされたジョンは倒れ込み、起き上がろうとするが、顔の前にハルバードの槍が突き出されていた。
ーーー
「中々良い動きだったぞ。名は?」
「ジョンだ。あんたは?」
「ピエール。」
「冒険者か?」
「いや、私は軍の者だ。己の能力を高める為に、こうして日々、鍛錬に励んでいる。さっき戦っていたのは、私の部下達だ。」
「部下?じゃあ、隊長いう事」
クレア 「ハァ!」
ジョン 「せい!」
街に戻った後、私とジョンは組み手をする事になった。こうする事でお互いの実力を高め合う事ができる。
宿から離れた芝生の運動場で、それぞれの武器を模した物を装備し、防具を着た私とジョンは全力で戦っている。
ジョンは私の攻撃を盾で防ぎながら、剣で攻撃してくる。それを躱しながら、次の攻撃の準備をする。
盾を装備していない分、私の方が機動力に優れている。スピードの差を活かして攻撃を仕掛けるも、ジョンは盾を巧みに使ってくる。
ジョンと戦って分かった事は、完全に盾と剣を使い分けているという事だ。ジョンは私の攻撃を剣で防ぐ事はしていない。全て盾で対処している。
そっちの方が、ジョンにとっては戦いやすいのだろう。
なら、これならどうかな?
盾を構えるジョンに接近し、さっきと同じように胴体を狙う...と見せかけて、盾で防ぎきれない足元を狙う。
(勝った!)
しかし、ジョンは足元への攻撃をジャンプで躱し、私の頭に剣を当てた。
模擬剣で防具を着ているとはいえ、結構衝撃が来る。
ーーー
「俺の勝ちだな。」
「盾をどうにかできれば、勝てるんだけどなぁ。」
「でも、実戦じゃ鉄の盾を使うからな。剣よりも重い。お前の攻撃を防ぎきれたのも、盾が模擬だったからかもな。」
運動場には、私達以外にも武器の練習をしている人がいた。武器の素振りをしたり、組み手をしたり。
いくつかギルドで見かける顔があった。冒険者だ。
この近くには剣の道場があるから、そこの生徒達も自主練してるかもしれない。
「せっかくだから、俺は他の奴らの組み手を見る事にする。何か参考になるかもしれねぇしな。」
「じゃあ、私も。」
剣や槍、斧(模擬)などの武器を装備した人達が、それぞれ戦っている。
「おい!あれ見ろよ!」
ジョンが指を指した方向を見ると、ハルバードを手に持ったライトブラウンの髪をした長身の男の人が、10人以上の敵と戦っていた。20代くらいかな。
扱いが難しいと言われるハルバードを器用に扱いながら、刃の部分を敵にぶつけ、たまに槍の部分をつかいながら、敵を次々と倒していく。
「どうした?私に挑む者はいないのか?」
「俺だ!」
ジョンがそう言って、ライトブラウンの髪の男の人に近づいて行った。
「ほう。1人でいいのか?」
「集団で挑むなんて、卑怯な事はしねぇよ。」
「面白い。ではーーー」
ジョンが金髪の男に斬りかかる。ライトブラウンの髪の男はハルバードを振り回して距離を取る。ハルバードの一撃を喰らえば、盾で防いだとしても衝撃を完全に吸収しきれないだろう。
ジョンはハルバードの動きをよく見ながら、間合いを詰めようとしていた。ライトブラウンの髪の男はジョンの剣が届かない距離かつ、自分のハルバードが届く距離を保っている。
ライトブラウンの髪の男が繰り出したハルバードを躱したジョンは、一気に間合いを詰め、剣で斬りかかる。
しかし、ライトブラウンの髪の男はハルバードの棒の部分を振り回し、ジョンを吹っ飛ばした。
吹っ飛ばされたジョンは倒れ込み、起き上がろうとするが、顔の前にハルバードの槍が突き出されていた。
ーーー
「中々良い動きだったぞ。名は?」
「ジョンだ。あんたは?」
「ピエール。」
「冒険者か?」
「いや、私は軍の者だ。己の能力を高める為に、こうして日々、鍛錬に励んでいる。さっき戦っていたのは、私の部下達だ。」
「部下?じゃあ、隊長ていう訳か?」
「そうだ。お前は私の部下の誰よりも強いだろう...どうだ?軍に入隊する気はあるか?」
「ないない!俺は冒険者の仕事の方が合ってるよ。」
「そうか...またいつか、手合わせ願おう。」
「おう、じゃあな。」
ピエールとその部下達は運動場から去っていった。
「良い人だったね。」
「ああ、次は勝たねぇとな。」
ーーー
夕食は酒場で取る約束を4人でしていた。
「急がないと、約束の時間に遅れるよ。」
「ホントだ。」
早歩きで酒場に着くと、ダニエルがテーブルに座っていた。
クレア 「あれ?エミリーは?」
「用事があるとか言って、来れないらしい。」
何の用事だろう?そう思いながら、3人で夕食を済ませた。
「2人は先に帰ってて。私はする事があるから。」
ジョン 「何を?」
「図書館で借りた本を返さないと。期限が過ぎたら、追加料金を払わないといけなくなっちゃうの。」
ジョン 「へぇ。どういう本だ?」
「魔法に関する本よ。少しでも、魔法が上手くなりたいから。」
ジョンは興味なさそうな顔をして、ダニエルと一緒に宿に戻った。
魔法の本を読むと、意外と面白い。ちょっと見ただけで、頭が良くなる気がする。それは多分、思い込みだけど。
ーーー
酒場から結構、遠い距離を歩いて図書館に着いた。本を返却して帰る途中、小柄な紫色の髪をした少女を見かけた。エミリーだ。
エミリーは男の人と話している。私と同じくらい?年上?の男の人だ。青い髪に金色の目をしている。そして、とてつもなく美形だった。絶対モテる顔だ。もしかして、彼氏!?
そう思いながら見ていると、エミリーがこっちに気づいた。邪魔しちゃったかな?
「誰?知り合い?」
美しい声でそう言った。
「え、えぇ。」
「ふぅん。じゃあ、そういう事で。」
そう言って、美少年は去っていった。
ーーー
「ねぇ、今の彼氏?」
「そんなんじゃないわよ。ちょっとした知り合いよ。」
「へぇ〜彼氏じゃないんだぁ。」
そう言って、茶化してみた。
「本当に...そんなんじゃないから。」
トーンを落とした声で言われて、驚いた。
エミリーを怒らせたかも。それ以上、私もエミリーも何も言わずに、宿に戻った。




