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力戦奮闘の冒険者  作者: レモンパイ
10/15

新拠点での生活

今までが短すぎましたね。

ジョンのパーティとなってからは、4人で行動する事が多くなった。クエストもモンスターを討伐するクエストが中心になっていった。


ーーー街の近くの草原ーーー


「そっちに行ったぞ!」


ジョンが叫びながら、剣を振るう。


この日のクエストは、人を襲う痺れ狼の討伐だ。痺れ狼はゴブリンのように、武器こそ持たないものの、俊敏であり、鋭い牙を持つ。1番の武器は、相手を麻痺させる毒を持つ事だ。噛みつかれたら、動けなくなってしまう。仲間に解毒剤を飲ませてもらうか、魔法でなんとかしてもらわないといけない。群れをなす所はゴブリンと同じだ。今回は、討伐した数に応じて報酬が貰える。


私に向かって来た痺れ狼を、ダニエルが弓で仕留める。


痺れ狼の攻撃を盾で防いでいたジョンが別の痺れ狼に後ろから、足を噛まれた。


「痛ぇ!」


私はジョンの足に噛み付いた痺れ狼を剣で斬り殺して、ジョンの盾に噛み付いついていた別の痺れ狼も斬り殺した。


身体が痺れて動けなくなったジョンに、エミリーが治癒魔法をかけた。すると、痺れていた身体が動くようになり、足の出血も止まった。


「よそ見しないで!」


エミリーがジョンに注意しながら、次の魔法を繰り出そうとしていた。


ーーー


4人で10匹の痺れ狼を倒した私達はギルドに戻る事にした。


ジョンが4匹、私が3匹、ダニエルが2匹、エミリーが1匹倒した。


エミリーは仲間の回復に専念していたからか、素早い相手が苦手だったのか、あまり倒せていなかった。


ダニエルは痺れ狼の死骸から牙を抜いて、毒腺を取り出していた。


「何でそんな事してるの?」


私が聞くと


「こいつらの毒を弓矢に塗れば、戦闘が有利に進められる。」


そう言って、ダニエルは牙と毒腺をポーチに入れた。


ーーー


私達は酒場で夕食を取っていた。


「いやぁ、結構儲かったなぁ」


ジョンがビールを片手に、今日稼いだ分のお金が入った袋を机の上に置いた。報酬は4人で山分けする事になった。


今日はかなり稼いだ。痺れ狼の毛皮を欲しがっていた、鍛冶屋の人が相場より高い値段で買ってくれたからだ。毛皮は鎧に使うのかな?


今日の食事はいつもより少し豪華だ。私の場合、夕食はスープとパン、後は安い食材を使った料理を1品程度で済ませる事が多い。でも今日はいつもの野菜のスープではなく、牛肉たっぷりのビーフシチューだ。パンはいつも通りだけど、それにグラタン、デザートにチョコケーキを頼んだ。


ジョンもいつもは1日1杯のビールを今日は3杯以上飲んでいる。


「まだまだ飲むぞ〜!」


酔っ払うのだけはやめてよ、、、


エミリーも私と同じようにデザートを頼んでいた。プリンか。


ダニエルは...いつも通りパンとスープだけだった。ダニエルが少食なのは分かってるけど、こんな時くらい奮発してもいいんじゃないの?


豪華な食事を終えた後、私達は同じ宿に泊まった。それぞれ違う部屋だ。


ーーー


私は部屋である事を試そうとした。ドラゴンの力を解放する練習だ。竜人族の事は街の図書館で自分なりに調べた。竜人族は、ドラゴンの力を使う事ができる。ドラゴンと言っても、ごく普通に生息している下級のドラゴンから、邪竜や聖竜など、伝説級の力を持つドラゴンまで、ピンからキリまである。


竜人族の使えるドラゴンの力は、基本的にはドラゴンに共通する力が使える。空を飛ぶとか、それぞれの竜が持つ属性を魔力なしで使えるとか。竜人族が強い理由はこういった能力があるからだろう。古代の文献によると、その昔、ノルアドス帝国が存在しなかった頃、魔大陸から、大量の魔族達がカレンディア王国に攻めてきた。苦戦する中、聖竜の力を持つ竜人族の勇者が魔族達を追い払ったという。


カレンディア王国にはその勇者が眠るお墓がある。そのお墓がある神殿には、勇者の使っていたと言われる剣がお墓の前に地面に突き刺さった状態で祀られている。もちろん、人が入れないように、柵があるけど。


私は力を解放する練習に取り掛かった。グリーサ、グリーシ、グリース兄弟にはドラゴンの力は使えないと言ったけど、それは実戦のレベルで使えないという意味だった。


上半身裸の状態で、翼が生えるイメージをすると、背中から自分の身長くらいの翼が生えてきた。これを使ってまだ飛ぶ事はできない。空を飛ぶには魔力をかなり消費する必要がある。それを魔力なしでできるというのはかなり便利だから、早く覚えたい。服はどうすればいいんだろう?翼を生やすたびに破けるのは嫌だ。何か対策を考えよう。


次に属性を解放する練習をした。ドラゴンはそれぞれ属性を持つ。1番基本的なのが火属性だ。ドラゴンによっては、複数の属性を使えるドラゴンもいる。竜人族も同じだ。


属性解放の練習は、魔法の練習とは違う。何と言うか、、、とにかく違う。感覚が違う。自分でも上手く説明できない。属性を解放するように意識を集中させると、火の玉が手のひらから出てきた。これが現在、私が使える属性だ。複数使えると言っても、2属性使えれば凄い方らしい。これが私の限界かな。


とりあえず今日は寝よう。明日は仕事が休みだから、ゆっくり寝られる。


そう思いながら、ベッドに潜り込んだ。


ーーー


今日はいつもより遅く起きて、宿でいつもより遅めの朝食を取った。


何をしようか。特にする事がない。適当にこの辺をぶらつこう。


ーーー


コルニカ共和国の街並みは、全体的に整っていた。色とりどりだけど、同じようなデザインの建物が規則正しく並んでいる。これはこれで面白い。街の人は大半が人間で、時々人間以外の亜人種を見かける。みんな私が珍しいのか、チラチラ見てくるような感じがする。


ーーー


カフェで軽い昼食を取った後、食後のコーヒーを飲みながら、次はどこに行こうか考えた。


そういえば、みんなは何してるんだろう?どこに

いるんだろう?


再び街を歩いていると、武器屋を見つけた。今の私の武器はどこにでもある普通の剣だけ。いずれ立ち寄る事になるだろうから、今の内に何があるか見ておこう。





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