ゴリラな彼女は可愛い人に憧れる。
朝起きて、制服に着替えて、ご飯食べて、歯を磨いて、顔を洗ったら…目の前の鏡をじぃっと見つめる。
穴が開くんじゃねえかってほど鏡を見つめてもそこに映るのはただのゴリラ。うんゴリラ。相変わらずゴリラ。ゴリラゴリラゴリラ。
こんな抽象的にゴリラゴリラ言ってても私の見た目は掴みにくいと思うんで、わかりやすーく説明する。
主に特徴的なのは、今にも繋がりそうな眉毛。
(まいにち剃ってるよ?!)
そのすぐ下にある重た~い1重。特徴的なお鼻。分厚い唇。厚いまな板 (胸などない。筋肉。)
男みたいなスポーツ刈りの髪の毛に、テニスで焼けた真っ黒な肌。そしてフッサフッサのムダ毛にゴリゴリの筋肉。(でもテニスではめちゃくちゃ役に立った。)
………以上っ!
どういうことか、私は、本名「浅野りんか」なのにゴリ子って呼ばれる。おい。どうなってるんだ。おい。私の名前に「ゴリ子」なんて一文字でさえ入ってないぞ。おい。
はあ…私は鏡を見る度この顔はねぇだろ!と、いつも思う。いや…マジで…神様がいるんなら引きずり落としてタコ殴りにしてやりたいレベルですげど?!
この顔は、ポニーテールもツインテールも全くもって似合う要素がないため、私はいつもスポーツ刈り。
ああああああああ!!私も周りのみんなみたいにポニーテールしてえ!髪伸ばしてえ!
しかも彼氏できねぇええええ。私の友達皆彼氏いるよ。どういう事だよおおおおお?!
私に…っどうか私にっ…ひと夏だけでいいから彼氏ぐだざい(泣)
そんな馬鹿なことを思っていたらいつの間にかに、待ち合わせの時刻まであと3分となっていたので急いで家を飛び出す。
うわやばいどうしよう!間に合わぬっ!
ドタドタドタッドタタタターッ!!
ゴリラ並みにうるさい足音をたてながら集合場所へ行く。
チュンチュンと優雅に鳴いていた雀は私が歩く度にバサバサバサーっと飛んでいく。
いやあ悪いねえ。折角の(雀たちの)いい朝を邪魔ちゃって。
集合場所にはすでに私の友達が待っている。
「はいっ。ゴリ子10分間遅刻」
「ごめん!今度アイス奢っから許してちょ☆」
「はい。今聞いたかんな。ぜってー守れよ?笑」
今私の発言の言質をしっかりと取った、こちらが私の一番の親友「ゆうか」。彼女はぱっちりとした2重に鼻筋の通り、ぷるっとした唇で、一見ゆるふわなカワイイ系女子だ。しかし…
「こないださぁー、うち彼氏いるのに告白してくる馬鹿がいるからアンタみたいな豚相手にしている暇ないんだけど。って言ったら顔真っ赤にしてどっか行っちゃったよ!あはははは!」
と。かなり性格が歪んでいる…
「うわっ。ひっど?!ちゃんと謝ってきなよ?!」
と常識発言。
そんな彼女と高校まで軽く冗談を言い合いながら、歩いていくのがいつもの日課。
ゆうかと話していると、私はたまに、ゆうかの顔を見ていいなあ。、と思ってしまう。
雪のように透き通る彼女はもう。可愛すぎて。
私もな…こんなふうに生まれて来れればきっと両親も…………私のことを愛して…く…れ………
いや。こんなことを考えるのはよそう。
ゆうかを羨んでも仕方がない。
家族から愛を貰うのはもう諦めたんだからいつまでも未練がましくしない。私!しっかりしやがれ!
あぁ。でもその顔は。本当に。羨ましい。
ゴリラのような見た目の彼女は人よりかなり多いコンプレックスを持って生活している。
そんなある日。天から降ってきたゴルフボールで運悪く死亡してしまう。
実はそのゴルフボールは神様たちが娯楽で行っていたゴルフ大会で落としてしまったものだった。
「すまん。許してちょ☆」
「許せるかボケェェェエエ!!」
ゴリラな彼女は新しい体に転生するも転生した先の彼女は周りからの嫌われ者で……
これはゴリラな彼女がゴリラメンタルで転生先を謳歌するお話です
ざまあ有り!w
作者はざまあ大好きであります☆
アルファポリス様でも連載しています。