絶望の淵の剣士02
名前忘れてました
青年は寝癖を押さえながらバイトのシフトを見て妙に嬉しそうにしていた。
「今日は休みか...。暇だし隣町まで行ってみようかな。」
俺の名前は日比谷 景行。
趣味はマンガ集めと散歩。借金8千万を一人背負った何処にでもいそうでいない普通のフリーターだ。
そんな俺が今日、運命の転機を迎えたのだった。
通勤ラッシュにもみくちゃにされながらも電車から降りることが出来た。
「はー。やっぱり都会の空気が一番だ・・・」
「あの!」
「うぉあ!?」
いきなりの大声に驚くと、そこに高校生位の少女が立っていた。
「俺?」
少女は俺の話を聞いていないように
「やっぱり!間違いない!
来てください!」
そう言うと俺の手を強く握り、近くのファミレスへと走り出した。
「えぇ!?ちょちょっと!?ぇえ?」
俺の事を席えと投げ飛ばし、水を2つ注文すると、少女は話を始めた。
「単刀直入に申し上げます。剣士様。あなたの力が必要なんです!力を貸して下さい! 」
「待て待て!今頭がいっぱいいっぱいでなんの事かさっぱり。」
「ええっと、私も何から話していいのか、そうだ!ロシアから来ました!ソフィアと申します。よろしくお願いします。」
「あぁ、よろしく?」
「私は魔術師です。」「え?まじゅ...」
「今世界には聖書が存在して、日本にあると聞きました。聖書巡って世界戦争起こす。私それ避けたい!今追われてる。力貸して!」
カタコトになりつつある中さらに理由が分からなくなった所で俺は切り出した。
「あぁ分かった!困ってるなら助けてやる!俺はどうすればいい!?」
少女は急に落ち着いたと思うと、
「敵を、殺してください。」
頭を抱えて窓の外を見ると、黒服の男が立っていた。
少女は大声で叫んだ。
「逃げてっ!!!」