絶望の淵の剣士
青年はあまりにもつまらない自分の人生に愚痴しか出ない。
普通の大学を卒業し、親父の経営する小会社に入社し、跡を継ぐとまで言ったのに対し、親父は病気で他界。あっとゆうまに会社は倒産。8千万と言う借金だけが残ってしまった。「絶望だ。」
今は仕事を探しながらコンビニでバイトをしているフリーター生活を送っている。「刺激が欲しいな〜。」
「独り言多いな〜。8千万の借金にこれ以上の刺激はねぇよ。」
声を掛けて来たのは、大学で仲の良かった知り合いの黒木だ。今のバイトを紹介してくれた人物でもある。
「そうだよなぁ。じゃあ、先帰るわ。余りの弁当貰っていくぜー」
「あっ!それ俺が目ェつけてた奴じゃん!返せ!チューしちゃうぞ!」
「ギャー!!チューだけは勘弁してくれー!」
2人が戯れている間、ふと気が付くと、入口に金髪の女性が立ってこちらを見て走り去って行った。
成人男性がコンビニでお弁当を引っ張りあってイチャイチャしている所を見たのだ。きっとトラウマになるだろう。
「違いますお客さん!」
スグに弁解しに俺は外に走って出た。が、
もう女性の姿は無かった。
「お客さーん!」
と、俺は家に帰ったのである。
「なんだ?あぁ!アイツ!弁当持って行きやがった!」
公園で金髪の女性は、写真と先程のホモの記憶を照らし合わせていた。女性は空を見上げて、こう呟いた。
「やっと見つけた。心眼の剣士様。共にこの戦争に勝ち抜きましょう。」