作業
この小説はオカルトが大の苦手の作者が書いた小説なのでホラー成分が非常に少ないです。
また、文章構成がまだしっかりとしていません
以上のことを予めご了承下さい
「さてと、とりあえず嬢ちゃん、この石がどこに落ちてたか、この部屋の位置で教えてくれ」
石倉はそう言いながら片手に持っていた楕円の物体を千歳に見せた。
「えと、確かここでした」
何をするか分からない千歳は素直に聞かれた通りに場所を教えた。
すると、石倉はその場所に、どこからか持ってきたマスキングテープで×印になるように貼った。
「んじゃ、花宮は、これをしてくれ」
と言い、花宮にマスキングテープを渡した。
花宮は、「ちょっと私には軽すぎる仕事だな」と言いながら、元から付いていた×印とさっき石倉が貼った×印を一直線で結んだ。そこから長いものさしの様なもので先程結んだ線の長さと、一番近くの×印の間の長さをはかり、そこにまた直線に貼った
その間、石倉はずっとキーボードから音を鳴らしていた。
「石倉、全部終わったぞ」
と、花宮が言うと、石倉はそちらに飛んでいき、何やら、両手で形を作り始めた。
「これか?いや、違うな。それじゃこれか・・・微妙に違うな」
と、そばにいる花宮と一緒に悩んでいたので声をかけてみる。
「石倉さん、何をするか分かりませんが、それ、しましょうか?」
「あ、?嬢ちゃんか、それじゃ任せるわ。とりあえず、この部屋全体で、何かの図形を作ってるんだ、その形を教えてくれ」
伝えられたことは思った以上に簡単だったので、「分かりました」
と言って、マスキングテープの先を目で追っていく。
頭では分かりにくかったので、石倉にペンと紙を貸してもらい、紙上に書き出していく。
すると、そのうちどこかで見たことのあるような形になっていった。
「・・・Lr?」
「は?何だそれ、Lr?」
「何かのヒントでしょうけど、分からないですね」
千歳が紙に書き出したものは、Lとrの文字が長方形の中に描かれていた。
「長方形の中に描かれているから、実際のその範囲の中にヒントはあるんだろうけど、これじゃ何も分かんねえな」
「分からなくても、これは多分大事な手がかりです。千歳さん、ありがとうございます」
「いえいえ、私に出来ることは、皆さんに比べてよっぽど少ないですから。その中でお役に立てて嬉しいです」
千歳は、褒めてくれても自虐的な笑みを浮かべることしか出来なかった。
(二人の役に立てて嬉しいけど、大人に比べて子供が出来ることなんて少ないし、大人よりも出来ることになると・・・ホントに私って役に立ててるのかな)
「よし、嬢ちゃん、携帯持ってるか?」
石倉は、相変わらずパソコンの作業をしながら、千歳に聞いてきた。
「あ、ありますけど・・・」
「それじゃ、それでヒントの意味を探してみてくれ」
「調べて出てくるほど簡単なヒントじゃないだろ」
「んなもんしてみねえと分からねえだろ?もしかしたら案外簡単だったりしてよ?」
二人がそんな会話をしている間に、携帯で調べてみると、
「あ、ありました!」
「えっ本当ですか!?」「ほらな」
「えっと、Lrは、“ローレンシウム”という原子で、原子番号は、103番です!」
「思ったよりも安直なんだな、このヒントって」
「良かった、突破口が見えてきましたね」
と、二人が熱くなっているところに、ずっと抱えていた疑問を我慢できずに聞いてしまった。
「えと、ちなみに二人は何をしているんですか?」
この疑問に、石倉は顔を上げて、顎が外れそうな位口を開け、花宮は何かを思い出したような顔をしていた。
「お、おま、聞いてなかったのか?」
「そういえば話してませんでしたね、実は、このハイツから抜け出そうとしているのです」
「えっ!はい?抜け出す・・・ですか?」