現場
この小説はオカルトが大の苦手の作者が書いた小説なのでホラー成分が非常に少ないです。
また、文章構成がまだしっかりとしていません
以上のことを予めご了承下さい
「これは、まあ、散々にやらかされましたね」
「いきなりここまでされたら、そりゃ信じたくなくもなるわい」
千歳の部屋に入った二人はそれぞれの感想を思った通りに呟いた。
しばらく現状を見ていた花宮が、千歳の方に振り返り、
「これって少し片付けましたか?」
と、聞いてきた。
ここで嘘を言っても話が進まないと思い、千歳は正直に答えた。
「いや、布団を敷く場所に散乱していた物を隅に追いやっただけで、片付けらしいものはしてません」
「なるほど。私達にこの部屋の片付けをさせてもらいませんか?」
「えっ?良いですけど、私も一緒にしてもいいですか?あの、ちょっとあれなので・・・」
(花宮さんは一体何を考えているの?いきなり片付けをさせてくれなんて・・・見えてないだけで下着とかも混ざってると思うし、そんなの見られたら恥ずかしいよ)
この状況で気にかけるべき事ではないとわかっているが、やはり思春期故にどうしても気になってしまう。
そこまで思い付かなかったのか花宮は、
「“あれ”とは?まあ、いいや。・・・もちろん大丈夫です。でも、見覚えのないものを見つけたらすぐに声をかけてください。佐島さん!この部屋にもあるかもしれないので、片付けしましょう!」
(あのおばあちゃん、佐島さんって言うんだ。でも、何があるかもなの?)
と思っている間にも二人は片付けを始めており、千歳も片付けをすることにした。
結局、片付けが終わった頃には夕方になっていた。
「ありがとうございます。お陰で片付けが終わりました」
千歳は本気で二人に感謝している。自分の部屋の片付けに、一日費やしてくれたのだ。それも、休憩をほとんど挟まずに。
「いえ、大丈夫です。明日も会社は休みなので」
「わしも、年中休みみたいなものじゃし、ええ運動になったわい」
二人とも非常にいい人で、良かったと思う。だけど、一つおかしな点を挙げるなら、
「それじゃ、私は部屋に戻ります。また何かあれば気軽に声を掛けてください。それでは、また」
「わしもそろそろ自分の部屋に帰ろうかの、ほんじゃ、お疲れさまでした」
「あ、はい。お二人とも、今日は本当にありがとうございました」
(やっぱり・・・)
二人とも納得してなさそうな顔をしていたのだ。
(何であんな顔してたんだろう)
心に何か引っ掛かるものがあるが、部屋が片付いたことによる満足感と、せめてお礼として二人に夕食をご馳走するべきだったなという後悔が千歳の胸の中で渦を巻いていた。