入居
この小説は、オカルトが非常に嫌いな作者が書いた小説なので、ホラー成分が非常に少ないです。
それと、文章構成がまだしっかりとしていません
以上のことを予めご了承下さい
「ふう、疲れた~」
今年から実家から離れた高校に通うため、両親の反対を押し切って一人暮らしを始めた早川 千歳は、最近引っ越してきた『裏野ハイツ』の203号室の室内で、いつもと同じような言葉を出していた。
この『裏野ハイツ』は、木造二階建てで、バス・トイレ別、独立洗面台、ベランダ、駐車場もあり、さらに、徒歩10分圏内にコンビニや郵便局、最寄り駅があったり、立地に多少恵まれている。
だが、家賃は、築30年にしては4万9千円と少々高値だったが、他に家賃がこれを下回る物件がなかったため、現状はここに住んでいる。
「う~んそろそろ寝ようかな」
既に入浴や夕飯なども済ませているので、布団を敷き、就寝しようかと思ったが、ふと、別の考えが浮かんだ。
(そうだ、お兄ちゃんと電話でもしてみようかな)
千歳には兄がいて、幼少期に短い間一緒に遊んだらしいが15年くらい前なのでほとんど覚えていない。
自分の携帯を買ってもらったときに、母親に兄の電話番号を教えてもらったがまだ話せていないままだった。
思ったら即行動してしまう千歳は衝動に負け、そのまま兄に電話していた。画面には幸希という文字とその下に電話番号が表示されていたので“幸希”が兄の名前だろう。
3コールほど経って、相手が電話に出た。
「はい、もしもし。早川です」
「お兄ちゃん!」
「ん?え?・・・あっ、千歳か!・・・えっ?千歳か?」
「うん、そうだよ。こうやって話すことは初めてだけど、携帯を買ってもらったときにお母さんにお兄ちゃんの電話番号教えてもらってたんだ」
「あ、なるほどな。千歳は、俺と遊んでた頃の事覚えてるか?」
「うーん、あんまり覚えてないんだよね。やっぱり私が小さかったからかな」
それからしばらくの間、兄妹は初めての電話を楽しんでいた。
そこからあっという間に時間は過ぎ、やっと学校や『裏野ハイツ』での一人暮らしに慣れ始めたある日、一度だけ異変が起きた。