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「それで、ハンハウの一番の魅力は豊富なキャラクターエディットなんです」
始業式が終わり、異世界から委員長を連れ戻し、どうにか誤解を解いて今に至る。
「最初は戸惑うかもしれませんがキャラの作り込みが後のやる気にも繋がるので!!あ、でもでも、初めはランダム作成があるので作り込みは操作に慣れてきてからじっくりとすればいいです」
HHOの魅力を一から説明すると言い出した委員長は、身振り手振りをしながら楽しそうに瞳を輝かせていた。
「だから如月くんもやりませんか?」
そして、1つの魅力を説明し終える度にそう聞いてくる。その度に俺は「RPG苦手だから」と返答していたのだが、委員長があまりに可愛く迫るので心は崩壊寸前、だからこそ慎重にもなる。
「そんなに俺とゲームしたいのか?委員長」
先走り、勘違いして、一人舞い上がるのは中学までの俺だ。ここで選択肢を間違え、目先の欲に囚われてしまえば、今までコツコツと積み上げてきた好感度を全損しかねない。
つまりこの質問は委員長の出方を伺うためのブラフに過ぎないのだ 。
真面目で素直、まるでピュアイズエンジェルを信念に掲げてるような委員長だ。返答に感情がストレートに出るだろう。
もし、俺に好意があるのなら『はい、如月くんとしたいです。だって・・・、如月くんが好きだから』ってな感じになるに違いない!!
俺の春は近いかもしれないな。