4ページ
「アイテムコレクターとは書いて字の如く、ゲーム内のアイテム、それもレアアイテムをコンプリートする楽しみかたの1つです。単純にゲームをクリアするだけではなく、ストーリーとは関係のないクエストをやったり、難易度の高い条件で敵を討伐したりと一筋縄ではいかない上級者向けな楽しみかたですね」
「それはかなり大変そうだな・・・」
「大変です、これにはかなりの時間と精神力を要します。しかし、何十回と周回プレイを繰り返して達成した時の快感は何にも代えられないものがある―――ッ!?・・・らしいです」
一瞬、我に返った委員長が冷や汗を流しながら俺の方をチラリとうかがってきた。そして、何かを取り繕うように手をブンブンと振って「あ、あくまで知識として知っているだけで!!実際に感じた事がある訳じゃないんですよ!!」と追い縋る様な視線で訴えている。
これは何かあると感じた俺は少し鎌を掛けてみる事にした。
「流石は委員長!!何でも知ってるんだな!!なら、最近流行りのHHOの楽しさとかも―――」
「ハンハウの事なら任せてください!!私これでもかなり古参なので大抵の事はわかりま―――・・・ぁ・・・・。―――図りましたね、如月くん・・・」
「図るとは失礼な。俺はただ委員長とうるうが仲良くなれそうな気がしたから質問しただけだぜ?それに、そんな騙されたみたいな顔しなくてもゲームくらい普通は誰でもやるって」
委員長くらい真面目だとゲームする行為=堕落なイメージでもあるのか?
「何が目的ですか・・・?お金ですか、名誉ですか、それとも私の身体ですか?」
もちろん身体です!!と答えたいところだががまんしよう。俺は空気が読める男だからな。
「そんな目的とか無くて、俺は本当に委員長とうるうが仲良くなれそうだからさ」
「なるほど・・、妹さんの指示で私のリアルを割に来たのですね・・・」
「え?リアル?割に・・・?」
携帯の割引サービスか?
「不覚です、まさかこんな近くにHHOプレイヤーがいたとは・・・。中学時代の過ちから、リアル割れには気をつけていたのに・・・」
なんか委員長が遠くの世界に行ってしまったようだ。