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無能な三十路ニートだけど異世界来た  作者: ガイアが俺輝けと囁いてる
~レズセはおやつに入らない~
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クソレズ脱却大作戦! 2

「え、うそ。なんであんた生きてるの?」

目の前に立っていたのは、つい10日前に私にぼろ負けしてゾンビたちに池に沈められたはずのヒス女だった。


「はん、そう言ったって事はやっぱりお前、オルミアじゃねえか!」

思わずこぼれた失言に黒髪ロングが反応し、ちょっと来て!と後ろにいた男を呼ぶ。

「どうしたオルタ?」

「コイツ!さっき言ってたモトマノの刺客!捕まえてよ!」

オルタと言われた黒髪が私を逃がすまいと勝手口に立ちふさがる。


見れば男はこの前メイファさんを連れて行ったスケベ野郎だ。

少し間があったが、私を見て以前食い損ねた女であることがわかると、ペロッと舌なめずりして抱き着いてきた。


「ち、違います!私は、スカーレットと言って」

「黙れ変態レズ!ねえコイツ、フリードの所に連れてって。」

「本当に何も知りません!」

「よくわかんねえけど、とりあえず隊長のもとで喋れや!」


男を説得しようにも、男は下半身で動く馬鹿の様で、私を捕まえつつ胸を触ったり髪のにおいを嗅いできたりと聞く耳を持つどころかすでにヤル気満々。一言も耳を貸さずに食堂に引きずられ、フリードたちが待つテーブルに押さえつけられた。私の目線が強制的に天井に向けられる。


2階建ての吹き抜けになっている食堂の天井は採光のためにガラスがはめ込まれた作りで昼の高い光が私に注ぎ、まるで生贄の祭壇にささげられた乙女みたいだった。


「おい、なんだよ。何してんだ。」

フリードたちはテーブルに仰向けになった私を見て、オルタに問いかけた。

「コイツ、私を襲った奴だよ!ババ殺した、オルミア!」


違う、知らないと暴れる私を笑って見下しながら、そのまま自分がいかに私にひどい目にあわされたか虚実入り混じった話を聞かせるオルタ。


「そういやアンタには服脱がされた上にひどい事されたよね!」

と男に両腕を抑えられてる私のブラウスをボタンも無視して無理やり開く。

男の前でひん剥かれた私はそれまでの抵抗が嘘のようにできなくなって、黙り込んで凍り付いたように止まってしまった。


オルタは私が動けなくなったのをせせら笑い、そのままお返しだ!と私のスカートをたくし上げ、両足を掴んで股を踏みつけ、細かく足を震わせて刺激を与えてきた。いわゆる電気あんまだ。小柄な彼女がやるそれは痛いどころか絶妙な塩梅で思わず『んんっ』と上ずった声を上げてしまった。それを聞いたオルタが私を馬鹿にしてさらに激しく動かしてくる。


私は男たちの目の前で裸に剥かれた挙句に屈辱的な行為をされて、無抵抗ながらもポロポロ涙を流してた。集団に囲まれて恐怖を感じると、声を出して泣く事も出来なくなるんだ。と初めて思い知った。


「おいおい、キャットファイトもいい加減にしろよ。スカーレット泣いてるじゃねえか。」


見ていたフリードもさすがにこれ以上はと思ったようで、笑いつつもオルタを掴んで私から引き離す。


「ちょっと止めないでよ!」

「止めるに決まってるだろ。いきなりスカーレットに襲い掛かってよ」

「スカーレットじゃなくて、コイツはオルミア!」

「それより飯はどうしたんだよ。俺たちの飯。さっきからそれを待ってるだろ。俺たちは。」

「あ、なんか作ってあったけど。こいつの作ったもの食わない方が」

「もってこいよ。」

「え、でも」

「もういい。おいお前ら。もってこい。」

フリードの命令でトレーが運ばれてくる。


「作ってあるじゃねえか。ちゃんと」

「いや、でもそれさ。こいつが作ったやつだよ。」

「お前は作ったの?」

「作ってないけど、それは」

「いやいや、お前の仕事。飯作る事じゃん。なんでスカーレットがやってるの?」

「ちょっと忙しくて」

「飯作るのが仕事なのに、忙しくて飯作れないとかおかしくねえか?」


フリードはびっくりするぐらいに冷たい声で言った。


「メイファの指切ったババもそうだったが、オルタお前は信用出来ねえよ。この7日間、飯も作らず、抱く気も起きない下手な色仕掛けで誤魔化そうとしてよ。その挙句、代わりに飯を作ってくれたスカーレットが敵のスパイだ殺し屋だと?まあ今まではこっちもアホのジェスが手を出してたから、我慢してたけどよ。無理だわ。信じろとか。」


オルタはそれを聞いて、顔を真っ赤にしてブラウスで隠れていた私のスカートの帯を指さした。

「いや見てよ拳銃持ってるし!こいつ拳銃持ってるよ!おかしいでしょ!殺す気じゃん!」


「そりゃ拳銃持つだろ。お前とババがここらで何やってたか記憶にねえのか?通りがかりの酔客捕まえて処刑ショーとか仕事探しに来た女捕まえていたぶって遊んだり。ここ歓楽街だぞ?娼館では半額で客集めてるのに、客を殺してまわりやがってよ。そりゃ客も武装しだすだろ。」


「それは全部ババがやった事だよ!私は仕事引き継いだだけ!」

「従業員殴って言うこと聞かすのもか?それで反乱起されて逃げられたんだろ?オルミアとかいう女のせいにして。お前の嘘には皆うんざりしてんだよ。」


そのままフリードは私を抑えてたジェスに放してやれと命令した。

テーブルから降ろされ、慌てて胸を隠す私に近づき、フリードが軽く頭を下げる。

「すまない。こんな状況なのに来てくれたスカーレットに不快な思いさせちゃったな。でも俺たち、スカーレットが来てくれたこと。すごく嬉しかったぜ。もし勇気が出せたら、また来てくれたら嬉しいよ。」


そう言われた後も、私が涙を拭いて黙って体裁を整えていると、居た堪れなくなったのかフリードさんの部下たちが『めし、飯食おうぜ』とトレーの丼をテーブルに並べて食事をしだす。

フリードさんも席に着き、私の見ている前でおいしそうに食べだした。


「絶対、絶対おかしいから。私の方が正しいの!」

オルタが主張を繰り返すが、みんなどこ吹く風。オルタに味方したジェスだけがおろおろとそばで聞いている。


私はフリードさんの暖かさに触れて、申し訳ない気持ちで一杯だった。こんなに公平で常識がありしっかりした人の物を盗ろうとしてごめんなさい。まともな料理でなく、なんか蠢く筋がある肉を何回も生で食べさせてごめんなさい。わたし、もっと真人間になります。そんな気持ちでフリードさんと4人の部下たちを私は床に座り込んだまま見ていた。


しばらく、フリードさんたちはそのまま丼を食べていた。

が、しばらくすると、全員がぴたりと動きを止めた。


そのまましばらく彼らは呆けた顔で空を見ていたけど、やがてがたっと席を立つと、私にゆっくり近づいてきた。



―――――――――――



「あ、あの。お気に召しませんでした?」

明らかにさっきと様子が違う5人に私はドキッとした。うしろめたい事がいくつもあるから余計にだ。ひょっとしたら今回はクソ不味かったのかも。と不安になった。



「おんな。おんなだぁ」

「や、やらせろぉ」

彼らの返答は先ほどまでの知性が吹き飛んだかのような低俗さで、明らかに普通じゃなかった。

急に性欲に目覚めちゃったんだろうか。いつか男は下半身と脳みそは別の生き物と聞いたことを思い出し、どうしよう、とフリード様に縋るような眼を送る。


そのフリード様は口からよだれを垂らしながら私の目の前に来ると、脈絡なくいきなりずるっとズボンを下ろした。


「うわっ。すごー!」

5人の変貌ぶりを茫然とただ見ていたオルタが思わず声に出した。

大柄なフリード様にふさわしい大きさの陰茎が天をも突かん勢いで屹立していたからだ。

凶器と言える大きさのそれに恐怖を覚え、私は座り込んだまま自然と後ろに下がっていく。


「そうだよ。さっきはかっこつけちゃってさ!その女それでぶっ壊しちゃえ!」

オルタが私に迫る彼らに『犯せ犯せ!』と囃し立てる声が耳に入り、私はあわてて彼らから離れようとスピードを速める。それに追いすがろうとフリードが足を速めた時、膝で引っかかっていたズボンが完全に床に落ちた。


びちゃっとズボンと一緒に床に茶色い筋が零れ落ちた。それはまるで細いミミズのような形をして蠢いており、ずいぶんな長さがあるのに途切れることなく床から伸びてフリード様の尿道に繋がっていた。そして両足の間には床に擦れそうなほど巨大に肥大した睾丸が垂れ下がっている。


どう見ても、性欲とは違う何かが彼らに起きてるとしか思えなかった。


「やれやれ!ぐっちゃぐちゃに…おか、し…」

その異常な姿にオルタも気づいたのか、はしゃいでいた声も萎んでいく。

どういう事?と変形した下半身から目線を上げると、ゆっくりとこちらに追いすがるフリード様の顔や体の皮膚の下。そこにいくつもの線がボコボコと浮かんでは消えていっていた。


「え、なんすか?隊長?そのキンタマとナメクジ?ちょっとリアルすぎて笑えねえっすよ」

私たち女性陣が本能的な恐怖を感じているのと違い、空気が読めないのか、ジェスがフリードに近づいていく。私はこれ幸いと距離をとって立ち上がると、オルタとともに吹き抜けの二階部分に上がる階段に駆けよる。

「どうしたんです?ジョークグッズすよね?隊長?それ。え、みんな?」

振り返って立ち尽くすジェスが囲まれているのを確認した時、私は迷いなく階段を駆け上がった。


「いや、隊長!おれはそっちのケはァー!」

後ろからジェスの悲痛な叫びが聞こえてくる。


階段を駆け上がると吹き抜けの廊下にドアがいくつか並んでいた。

一番最初のドアは閉まっており、二つ目が誘うように外開きで開いている。その扉が一目でカギがかけられるものであるのがわかり、私は迷わず部屋に飛び込んだ。


「あ、まって。まって。おいてかないで。」

閉めかけた扉の後ろから縋るような女の声がして、振り返ると、オルタが泣きそうな顔で走り寄ってくる。小柄な彼女は私とのストロークの違いからかまだ半分しか走れてなかった。


「ちょっと早く!」

彼女を待ち、ドアを閉める瞬間。


「俺のケツは良くないで、アッー!」

とジェスの断末魔がドアの隙間から漏れ聞こえてきた。





ちなみにこの世界の『値段の高い』浴場で働く女性のほぼ半数は水中呼吸のスキルを取得しています。

お風呂で洗いながらサービスするからです。

サカキさんの娼館はもうちょっと高級なのでそういうサービスは逆にありません。


オルタがサカキ派なら死んでました。

つまりそう言う事です。

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