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無能な三十路ニートだけど異世界来た  作者: ガイアが俺輝けと囁いてる
第二部 オルミアの手にひかれて ~新たなる目覚め~
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セイを拗らせた奴らは気持ち悪い

前回のあらすじ


下着を盗もうとしたクソガキゾンビを脅したら

逃がすのに協力しますと提案してきた


そんな感じだった。


ガチャガチャと骸骨の一団が塀の向こうを通り過ぎるのを確認し、私はひょこっと塀の上に頭をだした。池の周囲にはまばらに立つゾンビしかいないし、T字路は静まり返っていた。


じゃあ早速行ってきて。

私がそう急かしても、ゾンビは何か言いたげにまごまごとまごついていた。


「何?何か問題あるの?」

大丈夫よ。後で下着盗んだ事をバラしたりなんかしないから。と半ば可哀想に思いつつ約束してやるが、ゾンビは行こうとしない。困ったように上目遣いで見てくるから、言いたい事が有るなら言いなさいと迫ると、意を決して話し始めた。


「お姉さんのパンツ下さい」と。


「おめー、脳みそ腐ってるの?どこまでパンツが欲しいんだ。スケベ中坊かよ。なんで怒られたと思ってるんだ。少しは性欲抑えろよ。」

私が思わず罵倒の連弾を浴びせると、少し怯んだが、そうではないとばかりに言い返してきた。


「いや、ただのパンツでなく、お姉さんの血が付いたパンツが欲しいんです!」と。


「…は?血?…ってあの、ここの血?」

「こってり付いてるのがいいです。」

指差し、ぽかんと聞き返す私にそれで間違いないと自信満々で肯定してくる。



「………キモッ!ないわ!…キモッ!」

思わず数歩引き下げる。顔からサァーと血の気が引くってこういう事だろう。さっきまでは可哀想な性に目覚めたばかりの少年のように思っていたが、今はとんでもない異常者モンスターに見えていた。


「あの、最初袋の中に使用済みのやつがあると思ったんですけど、お姉さんが近くに来て匂いが強くなったから袋のは違うなと思って」

ゾンビは私が少しづつ離れて行っているというのに、懸命に話し続ける。私は強い匂いがすると言われた事に恐怖を覚え、思わず股を手で抑えた。


「違うんです!城にいた頃はこんなんじゃなかったんですけど、命令する人が変わったら、日に日に力が段々抜けていって、血を飲んだりしないと頭がおかしくなって死ぬ人も出てきて、だからみんな城から出てコッチに来たけど、生きてる女の子は娼館にも少なくて…手柄上げないと飲めなくて。」


何が違うんだよ。女の経血飲みたいとか最上級の変態じゃねえか。それに、


「いや、さっきおっさんの血に群がってたじゃん。女の子である必要ある?」


「全然違うんですよ!命の凝縮が!長持ちしないし、力も!」

「それって、女のゾンビもそうなの?」

「いや、女の人は男のを吸ってますね。」


「吸うって何を、いや言わなくていい!聞きたくない!」

私は咄嗟に耳を塞ぎしゃがみこんだ。体中がおぞけ立ち、プルプルと身震いする。女は男がいいのなら、それ単なる性欲じゃねえか。何言い訳してんだよ。食欲と性欲混じってんじゃねえか。


「すげーよ、お前ら。これ見てよ。わたし、今まで見た事無いぐらい鳥肌立ってるよ。わたしの毛穴、いま山脈を形成してるよ。」

袖をめくって見せてやるが、ゾンビはまるで動じない。


「ええ、なのでパンツを下さい。」

なぜか私が乗り気だと思ったのか、嬉しそうにそう言ってきた。


「すげーよ。お前。今の私の気持ち、想像出来る?出したウンコにハエがたかってるんだけと、そのハエがウンコ下さいと話しかけてくるの。嬉しそうに。食べたいですって。」


そこまで言うとようやく私に嫌悪されてる事に気づいたのか、下を向いて黙り込んだ。でももう私は早くコイツから遠ざかりたい一心だった。


「分かったよ。今履いてるの、脱いで逃げる途中に池のほとりに置いとくよ。私の見てないところで舐めるなり、卵産み付けるなり好きにしてくれていいよ。私の見てない自分の部屋で隠れてウンコに卵産みつけてウジが沸くまで楽しんでくれればいいよ。」

そう約束してやると、下を向いたまま頭を一度下げて東に向かい歩いて行った。


…少し可哀想だったかなと、とぼとぼ歩いていくゾンビを見て思った。

しかし気持ち悪いものは気持ち悪い。やはりゾンビと人間は分かり合えない。


死してなお生にしがみついている奴は生と性の区別もつかない存在なのだ。


――――――――


タオルdeふんどしを脱ぎ、サカキさんにもらった下着にロリエ的なものをセットする。履いてみるとタオルを中に入れた男物よりはるかにフィットして安心感が違う。なんか文明の目覚めを感じた。

ふんどしをどうしようか迷ったが、一応約束だしと思い、血が他のものにつかないようにうまく丸めて袋の中に入れておいた。今日走り回ったり木に登ったりしたので、昨日より出血が多かったが、捨てるまではわずかな時間なので大丈夫だろう。池の横を通るときにほとりに置いておこう。


しかし、あのゾンビ遅いな。いつまで待たせるんだ。

塀から首だけを出して周囲をきょろきょろと警戒しながら待っていると、ようやく東の方で『いたぞー』と声が響き、池の方の骸骨とゾンビがたったっと向かって走っていく。過ぎ去って何も人影が見えなくなるのを確認すると、私は池に向かって歩き出した。


池を北回りに西に向かっている途中。葦に覆われたほとりになぜか木箱のようなものが置いてあるのが見えた。少し道から外れて池の区画に降りなければいけないけど、あそこに置けばゾンビもわかるかなと思って、道から外れて池に降りていく。


「はい、かかったよォ!いまだぁ!」

木箱に近づいてふんどしを出そうと袋に手を入れようとしたら、北の方から割れた甲高い声が響いた。


何事かとそちらを見ると、北の路地からわらわらとゾンビや骸骨が沸きだし、池にいる私を半円状に取り囲む。まごまごして棒立ちしていると、上の道に太った成金みたいな例のおばさんが四つん這いの男たちを引き連れて現れた。


「馬鹿な小娘が逃げれると思ったのかぃ」

イッヒッヒとディ〇ニーに出てくる魔女みたいなわかりやすい悪役トークをするババアの隣にはさっきの下着泥棒ゾンビが控えている。

「やりましたよ!ボクの手柄ですよ!だから、一番最初に飲むのはボクですよ!」

奴は唇が腐り歯がむき出しの口からべろりと生きている人間では出せないほどの長さの舌を出し、れろれろと舐める真似をしながらそう言っていた。


「お、お前、裏切りやがったな!下着ドロボーの事ばらすわよ!」

追い詰められて、どうしたらいいか何も思い浮かばず、私はついそう言ってみる。


「盗んでない!全部ボクの演技だ!」

「え、演技ってあんなにビビってた癖に!」

「へん。なんとでも言え。それに俺たちがお前のうんこに集るハエだって?俺たちをそんな風に言ったこと後悔させてやるからな!」


下着泥棒がそういうと、取り囲む周りのゾンビがざわめいた。骸骨たちも喋れない代わりにガラガラと足を踏み鳴らして、私への怒りを表していた。

「両手両足切り落として、全身樽漬けにし、ゆっくり生かしたまま血の熟成酒にしよう!」

「いいねぇ。わたしは一日に一枚ずつ足の先から薄切りにして肉ごと啜って長く楽しみたいわ」

「まちなさいね!酒場の柱に縛り付けて自慢の乳首を切り落とし、死ぬまで共用のドリンクバーにするのはどうだい?これなら骸骨たちも血を浴びれるし、数年は楽しめるだろう」

ババアがこれはいいアイデアと言いたげにそういうとワハハと周囲のゾンビが笑い声をあげる。


私は、それらのアイデアが出されるたびに、そうやって余生を過ごす自分の姿を想像してしまって、怯えて委縮してしまっていた。特にババアのアイデアが出されたときは、柱に縛られたまま飯を食べさせられたり、毎日休む暇もなく牛の乳しぼりのように胸を掴まれ血を吹き出す痛みや、流れる血をゾンビたちに舐め回される事を考えて、まだ切られてもいない胸を押さえてうずくまる程だった。


「あ、どうしたのかい?怖いのかい?ヒヒヒ、なっさけないよォこの子!」

「許してほしければ、さんべん回ってワンとでも鳴いてみなよ」


「・・・・・・わん!」

「は?」

「あっと回らなきゃ。いちにいさん・・・わん!」


泥棒ゾンビに言われた様に四つん這いになりくるくると回ってワンと鳴いてみた。

「アッハッハッハ!本当にやってるよ!アイツ!」

「面白い奴だ!俺は気に入ったぞ!」


周りが大笑いして、場の緊張がほぐれたのを確認し、私は照れたように頭を掻きながら立ち上がると、ぺこぺこと周囲に頭を下げながら、笑顔でさりげなく歩いて半円状のゾンビの包囲網の西側に近づく。

それでは、ごきげんよう。

と隙間を抜けようとしたら、普通に止められ、中央に向け、突き飛ばされた。


「ウソツキー!」

「なーにが嘘つきだい。本当のさんべん回ってワンってこうやってやるんだよ」


そう言ってババアが持っていた裸の男たちのひもがつながっているリングを振りかざすと四つん這いだった彼らがまるでダンスをするがごとく一糸乱れぬタイミングでくるくると回りワンと吠える。

「あーよくできまちたねー。次、チンチン」

言われて、彼らは揃って立ち上がると自慢するかのように一物をこちらに見せつけるように突き出してきた。


一瞬、こいつらも変質者かなと思ったが、顔が屈辱に満ちており、嫌々従っているのは明白だった。


「どうする?あんたも服脱いでチンチンすれば許してもらえるかもしれないよォ」

男たちの顎をよしよしと撫でながらババアが提案してきたが、明らかに許す気がない提案に乗る気にはなれない。注文の多い料理店よろしく最後は切り落としやすいように腕を後ろ手にして胸を突き出せと要求されて終わるに違いないのだ。


「うう・・・くたばれババア・・・」

私が声を絞り出してそういうと、ババアはイッヒッヒと意地悪そうに笑った。

私の虚勢を張った罵倒を合図に、戦いのコングが鳴り響いた。

大まかな流れ以外は割とその場で考えてライブで書いてます。

具体的に言うとニートパートは全部その場で行き当たりばったりで書いてます。


わたしのステータス


???


持ち物

E一般人の服一式…魅力+3・体力+3

Eスニーカー  …敏捷+3

E薄水色の下着…敏捷+2・体力+1

E白のケープコート(白雄猿カスタマイズ:オーダーメイド品)

     …防御+120・腕力+3・魅力+12・敏捷-3

      市価+1・障壁+1


下着セット(2セット)…敏捷+2・体力+1

男物の下着…魅力+1

ブラッディタオル…攻撃+1・経血++++


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