争いを終わらせるのは常に
前回のあらすじ
ネットの片隅でひっそりと書いてたら
怒涛の感想やニート被りで凄く人来たのが怖くてガイアがこれ書けなくなった。
放置してたら続き書いてと活動報告に書きこみあった。
そろそろほとぼり醒めてみんな忘れてると思うので好きに書こうと思う。
逃げ回る貧相な冒険者を、生まれ育った土地の気まぐれな女神から授けられた愛馬『グリンソニ』で追い散らしていたザナドゥの目に脈絡もなく竜巻が映ったのは偶然だった。
その時、ザナドゥはたまたま冒険者の中に姉好みの金髪の魔導士を見つけて、いつもの癖で持って帰ろうかと光槍を解き、錫杖形態で突き倒そうとしていた。背中から心臓の裏を石突きで突き、気絶させ、倒れる前に通り過ぎざまに錫杖の金具にひっかけてグリンソニの背に乗せるのだ。部下にも優秀な騎兵はいるが、これは胴の長いグリンソニがいる自分だけができる離れ業だ。
近づく女の背を見ながら、ザナドゥは姉の事を考えた。
最近、姉との会話が殆どなかった。
いや正確にはそれ以前からも会話はあまりなく、食事も一緒に取ることはあまりなかった。
かといって嫌いあってるわけではなかった。
紆余曲折あって軍を分けたものの、それは兵の出身や構成母体の折り合いからであったし、自分が黒騎隊という半グレ集団を率いることになった事にも不満がある訳ではなかった。
だが、別に好きという訳でもなかった。
ザナドゥがはじめて姉に会ったのは10代も半ばを超えたあたりで、その時には姉は小さいながらも部隊を率いる将軍であり、比較的自由に育てられた自分と違い、ガチガチの好戦派だった。当然自分とは話が全くかみ合わず、その後は互いに遠慮がちな関係になった。家族を嫌いになったり、好きになる年頃を二人ともとうに過ぎていたのだ。
だから、出会ってからずっと、自分と姉の関係は、ただ、傷つけたくもないし、負担にもなりたくないという『友好的に冷えた』関係だった。姉が遠征先から帰る時には手土産の一つももらうし、逆にこちらからも送る。が、食事などは共にしない。そんな関係だ。10年もそうしているうちに互いの好みや嗜好が少しずつ分かった。
そんな薄いやりとりの中である日、偶然に姉が美しい女性を好むことを知った。
それに対してショックを受けるほど姉との距離が近くなかったザナドゥは、その日、自分に必要以上に近しくしてくる女性を口説き、姉に送った。自分に特に必要ではなかったし、邪魔でもなかったが、プライドの高い姉が不自由してそうだと思ったからだ。女性はザナドゥの役に立てるならと旅立ち、特にその姿には何の感情も抱かなかった。しばらくしたら戻るだろうと思っていたら、姉から返礼が来た。
返礼は姉が愛用していた光槍だった。女性はいなかった。
手紙には不自然なほど互いの贈り物について書かれていなかった。まだ家にある女性の持ち物を姉の元に送ろうか迷ったが、なぜかやめた。
それからは戦場で美しい女性を見つけて捕縛し、姉に送るようになった。
もうすでに仕事の一環である。深い藍色のローブから零れるブロンドをみながら。
ザナドゥは少しだけ迷った。姉は喜ぶだろうか?と。
最近できた姉の相手が美女どころか美しいとは程遠い中年の男だったからだ。
そう悩みながらも南北に開けた通りを走る背中から心臓に石突きの衝撃を伝えようと振りかぶった時、通りのずっと先に脈絡もなく竜巻が発生した。
グリンソニがいななき、8つの足を器用に使い踏みとどまった。随伴していた数騎は勢いを殺しきれずに倒れた。
竜巻はごうごうと周囲の建物を巻き込み、破壊し始め、やがて木片や屋根瓦などが近くに落ちてきた。
部下に指示を出そうにも、声がすぐ近くの兵までしか届かない。やがて上昇気流の影響か天候も雷雨となり、とても戦闘を継続できる状況ではなくなった。撤退の報を知らせに建物沿いを身をかがめて走る部下を確認しつつ周囲を見渡すと、降って来た木材に挟まれて先ほどの藍色のローブがはためいているのを見つけ、引っ張り出すも、中身の金髪の魔導士はすでにどこかに逃げてしまっていた。
残念という気持ちとともに、以前どこかで凄く似た感情を覚えた気もした。
ザナドゥは中身の抜けたローブを手にグリンソニを引いて城に向かった。
横殴りの雷雨が顔を打ち、泣いているみたいにぐしゃぐしゃに濡れていた。
――時代スペシャル レティルブルグの戦い第2夜――
~ 今夜の時代スペシャルは人の時代の夜明けと言われるレティルブルグの戦い、その第二夜をお送りいたします。
夜明けの世紀、レティル公とフィフティ家(先フィフテ朝)との争いは
ついに決着がつけられることになりました。
レティル公の居城は落とされ、公の首は都市の城門に掲げられ、
ここに歴史上初めて行われた純粋な人と人との争いは
フィフティ家の勝利に終わったのです。
しかし、レティルブルグの戦いは人が初めて行った大規模戦として
公が討たれた後、類を見ない程の混迷を迎えることになります。
都市内で行われた掃討戦の最中、突如として発生した竜巻は
この都市の中枢に甚大な破壊をもたらすとともに、
数日にわたる雷雨を呼び寄せ、戦闘を中断させました。
この中断のために、レティルブルグにおける主導権は
フィフティ家の手から零れてしまいます。
さらには、初めての戦争という事で
占領統治の手法が確立されていなかったため
都市内外で各勢力が蜂起し、それぞれが都市の主権を握ろうと
立ち上がる者が続出しました。
そして、その中から後の英傑と言われる人物が
力をつけてこの都市から飛び立ち
その後の覇者争乱に身を投じていくことになるのです。~
―LBCドキュメンタリー 時代スペシャル
レティルブルグの戦い 第二夜 プロローグより引用―
次からは物語にあまり関係ない外伝に入ります。
多少長いので、無能なアホが見たい方は、第二部にお進みください。
頑張った。
ガイア超頑張った。
感想や後から出てきたニート被りで書けなくなったけど超がんばった。
忙しいけど。3時間ぐらいで頑張った。
ログインしてなかったけど3時間で頑張った。
評判悪くなければ、また気が向いた時に続き書こうと思う。
2020/5/4追記:
次からは物語には関係しますが、無能が活躍しない一部外伝に入ります。読めば世界への理解は深まりますが、読まなくとも問題ありません。
多少長い上に暗い話が多いので、早く無能なアホが見たい方は、第二部にお進みください。




