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切り合いはやめて!二人を止めて!!

今回のあらすじ。



ソルド達4人って結構好き。

小床木バンとブラックタイガーのコンビと同じぐらいコンビネーション技考えてたりする。

使わないけど。


あと、ガイアは先週久しぶりに感想貰ってルンルンだったので、今日9時に帰ってこれたので、風呂入って1時間でこれ書いた。


そんな感じだと思う。

 奴らがなぜ俺を放っておくのか疑問だったのだが、その疑問は奴らが陣地を築き終わった後、唐突に明らかとなった。


 奴らは櫓を含む一帯を1時間ほどで土嚢で固め、大きな野営地のような陣地を作り上げると(上から見ていると、城壁の一部も利用し、城内の空き地を囲んでキャンプ地みたいになってる。土嚢は3メートルはある。なんか曲輪みたいで超かっこいい。)、仕事帰りの労働者が居酒屋で飲み会するような顔でみんなして俺の元に戻ってきた。すごく楽しそうに。


 それから彼らは俺の下で大さわぎでじゃんけんを始めた。

 大の大人が勝った負けたなどすごく楽しそうで、登れない櫓の上ですっかり安心していた呑気な俺は『じゃんけんは、この世界にもあるんだ~。』とすごく興味深そうに見ていた。奴らの輪の真ん中に大きなバトルハンマーがあったので、おそらくレアアイテムを手に入れて、誰がそのアイテムを手に入れるのか決めてるんだなって勝手に思ってた。


 そして、盛り上がるじゃんけんは赤銅色に日に焼けたはげたおっさんの勝利に終わった。勝ったおっさんは周りから大きなバトルハンマーを渡されてすごくうれしそうだった。おっさんがバトルハンマーを持ち上げ、『うおおお!』と鳴り響く歓声!俺もなんだかうれしくておっさんがバトルハンマーを構えるのを見て、『よかったな!おっさん!!』となんだか同じ鈍器を使うおっさんとして妙な連帯感を感じた。そして、そんな俺の笑顔に答えるように、おっさんは俺を見て、笑顔を見せると、構えたバトルハンマーを笑顔で真横に振り回した。




 『すこんっ』といい音が鳴って、

 櫓は横木が一本すっ飛んだ。



 途端に、グラッと揺れた櫓。組んでいた木が一本抜けたぐらいでは問題がないようで、揺れただけで崩れなかったのだが、櫓の梯子にぶら下がってる俺は、びびって悲鳴を上げてしまった。その悲鳴に合わせるように、下では冒険者たちの大爆笑が巻き起こっていた。


 そして、大喝采の後、赤銅色のおっさんから円陣の時計回りに渡されるバトルハンマー。そして渡された小柄な女冒険者は、バトルハンマーを上段に振りかぶると、思いっきり振り下ろす。慣れてない武器なのか、横木の1本も折る事は出来なかったものの、与えられた振動で、俺はまたもや情けない悲鳴を上げた。


 ・・・どうやら、奴らは俺が櫓から降りようとしない事をいいことに、俺をジェンガにして遊ぶつもりだったようだ。そして代わる代わる打ち付けられるバトルハンマー。明らかに使い慣れてそうな冒険者(さっきの赤銅禿とか)は場をぶち壊さないように、一本だけ打ち抜いていくことが多く、明らかに『やめてくれー』や『うわぁぁ』と叫び狼狽する俺をいたぶって遊んでいる。



 そうやって俺というジェンガで遊んでた冒険者だったが、出来の悪いキャンプファイアーのように組まれた櫓の木をぶち割る順番がとある若い冒険者に来た時、その冒険者は今までの奴らと同じように、上空にいる俺の体重によるバランスを見ようとしたんだろう。かなりゆがんだ櫓と俺の位置を真下からシゲシゲと凝視し始めた。


 そして、そいつは俺に気づいた。


 「あれ・・・おっさん・・・じゃね・・・?」




 そいつはソルドだった。


 それからはクラスの人気者にありがちなナイスガイ特有の電光石火の好意的解釈と俺の能力を知ってる彼らのおかげで、俺は奴ら(姫)に捉まって協力させられてると冒険者たちに思われた。ソルドは陰で結構俺の事を彼らによく言ってくれていたらしく、その上俺は元々口下手だから、『一度捕まって、姫の部屋に奴隷として住み込みで働かされて』とかどちらとも取れる言い方だったからという事もあるが。


 そうしたら、ソルドに「そういえば、一緒にいた幼女は?」と聞かれた。


 「城の地下にいるらしいけど、それよりもおろしてくれ」。

 「地下っすね。了解っす。」


 それを聞いた周りはざわざわとザワメキたち、ソルドは俺を下ろそうとロープを投げようとする。


 そうしたら、曲輪のように築いた陣地の城の方から何百人という走る音がしてきた。あまりの轟音にロープ取るどころじゃなく、そっちを見ていると。さっき冒険者たちが土嚢を積んで壁にしてた一角がいきなり『ドバン』と吹き飛んだ。マジ吹き飛んだ。まるで中東の戦争とかで発射されるロケットランチャーみたいな破壊力だった。


 ビビった俺たちが呆然と見守る中、もうもうと立ち込める土煙が薄れると、そこにいるのは大剣を片手で横なぎに払った白菜の姿だった。化けもんかあいつは。そう思ってみていると周りに片腕に包帯の白菜部下もいる。よかった。にげれたんだな、あいつ。て言うか、出血大丈夫か?無理スンナよ。



 そんなボロボロの部下がいるにもかかわらず、白菜は冒険者に囲まれた俺と、明らかに殴られまくってボロボロの櫓を見てポカンとしていた。やっぱりちょっと痴呆が入ってきているんだな。そんで案の定その疑問を自己完結した。


 「騎士団の危機を救った勇士にナニィをするか貴様らァ!」と。


 特になぜか白菜部下が怒り狂って白菜に先立って俺に向かって突撃し、真下にいたソルドは俺を守ろうとあわてて片腕の彼と切り合いを始めた。



 白菜は土塁の切れ目から進み出た。

 彼がソルドに襲いかかるのを止めるかのようにあの痩せっぽちだったウォードが立ちはだかる。




 その二人が同時に叫んだ。


 「さあ、わが訓練を受けし、勇士たちよ!いざ姫様の男を助けロォ!!!」

 「こんな奴らにオーマさんを渡すなァ!!」



 二つの声に反応するかのように白菜の後ろから色とりどりのゾンビ兵(ああ、さっきからこれ統率しに行ってたのね。)が飛び出し、、ウォードの後ろからは彼の仲間の冒険者たちが彼を守るため立ちはだかる。



 そして始まる集団戦の中、俺の真下では図らずも俺の命を救ってくれたソルドと、同じく命を救ってくれた白菜部下が『俺を求めて』激しく切り合いをしているのであった。





    ⇒To Be Continued…






おっさんのために争わないで!

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