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無能な三十路ニートだけど異世界来た  作者: ガイアが俺輝けと囁いてる
~レティルブルグの戦い (歴史の分水嶺編)~
33/89

家政婦は見られた!!

前回のあらすじ



ガイアの優秀だった兄ちゃんは中学の時転倒して脳挫傷で死にました。


頭は危険です。

どんなに筋肉を鍛えた人も脳血管切れたら身動きできずに死ねます。


灰皿で殴り続けるのも危険です。

絶対にやめましょう。


そんな感じだった。


 「どうすんのよぉ…これどぉしたらいいのよぉ…」

 シスさんは途方に暮れていた。


 「わかんねっス。」

 俺はパンツを顔面に被って、下半身丸出しのままクールに答えた。


 「そもそもなんで姫が死ぬのよ…」

 シスさんが両手で頭を抱え、ふらふらと後退してドア横の壁にぶつかる。


 「わかんねっス。」

 俺は冬の寒さを両足に感じて、ズボンを穿きながらクールに答えた。


 「だって、無能だからって、安全だからって、掃除任されて…」

 シスさんは半ベソかき床にへたり込みながら呟く。

 俺が姫のパンツをかぶっている事に気づいているのか、いないのか。

 まったくノータッチなので、ひょっとして気づいてないのかなと思った。


 「不思議っス。」

 俺は顔面かぶったパンツを不自然に見えないよう、

 ゆっくりと剥がしながら、クールに答えた。


 顔面からパンツのサラサラの感覚が消えて、途端に世界が現実味を帯びてくる。

 目の前には真っ裸で横たわる肢体。

 長い金髪が所々血に染まって真っ赤。

 そしてその向こう、開け放った書斎からリビングへの扉の横の壁。

 そこにもたれ掛って座り込むシスさん。


 俺の手には赤い滴を垂らす黒い灰皿。

 まだ持ってたのか、ずっと持ってたのか?

 さっきズボンどうやって穿いたんだ俺?


 そう思ったら、急に怖くなって、俺は灰皿を慌てて手放した。


 俺の手から落ちた灰皿は転がって、姫に当たった。灰皿はそのまま姫のお腹に抱かれるかのようにすっぽりと収まり、まるで姫が灰皿を守っているかのようだった。


 「…逃げよう」

 シスさんは床に座り込んだまま呟いた。顔だけが俺の方を見ていた。


 「このまま、掃除終わったって言って逃げよう!」

 彼女の目尻はピクピクと引き攣っており、なぜか口元は笑顔という、必死な形相だった。多分、混乱の極みにあるんだろう。冷静なふりをしていたが俺だって同じだ。だから、俺は即行で答えた。



 「そうっスね!」




 一も二もなく同意する俺。

 [まるで弾かれたかのような勢いで同意するオーマ]


 そうだ、逃げればいいんだ。

 [私のアイデアに必死にしがみつく]


 よく考えたら、姫は俺らをさらった人さらいなんだ。犯罪者なんだ。

 [よく考えたら、私、顔を目の下から切り裂かれたし、エリーだって…]


 だから俺らがやったことは、いわゆる復讐。姫の自業自得。

 [だからオーマが姫にやったこれはいわゆる仇討。私に加えられた暴力への対処]


 だから、いいんだ。気にすることはないんだ。

 [だから、いいの。正しいことしたの。]


 ふと見るとシスさんの瞳が生きる力を取り戻そうとしてる。

 [あれ?オーマが救いを求めるように私をみてる。]


 ここは俺が元気づけなくては。

 [いい事したんだからフォローしてあげるべき?えっと…]



 『『おれ[私]たちは正・当・防・衛!!!』』



 二人とも同じことを考えてたんだろうか。

 シスさんと俺は同時にビシッと姫を指さして叫んだのだった。




―――――――――――――



 叫んだのがまずかった。


 「おい、さっきから五月蠅いぞ。何やってんだお前ら。」

 開け放たれた書斎の扉の向こう側。リビングの入り口にさっきの護衛騎士が立っていた。


 雷混じりの雨が降っているとはいえ、さすがに叫びすぎだった。

 どうやら、リビングの扉の向こうにいた護衛騎士にまで俺たちの声は聞こえていたらしい。


 この時、突発的に訪れた脅威に二人の精神は混乱を突破していた。


 あまりの事態にその場にただ停止する俺ら。

 二人とも倒れた姫を『自信満々』で指差したまま、絶賛停止中。

 頭は真っ白。一言も出ないし、ピクリとも動かねえ。


 「おい、何やってんだよ。」

 無視された騎士がリビングを横切り、こちらにやってくる。


 慌てて何か言おうとしたが、頭があまりにも真っ白なので

 「ぁぅぁぅぁぅ…」

 と指差したまま馬鹿みたいに呻いただけだった。



―――――――――――――


 騎士は書斎の入り口まで歩いてきた。

 多分そこで俺が指差してる姫の死体が目に入ったんだろう。


 歩みを止めると、死体を一瞥し視線をそらす。

 「ああクソッ」

 とだけ呟いて、ぼりぼりと右手で頭を掻いた。


 俺とシスさんはまだ姫を指差したまま停止していた。

 騎士は大きなため息をつくと『じろり』と俺を見た。


 俺はちびっていた。

 さっき脱衣所でちびったばかりだが、まだ出た。人体ってスゴイ。

 多分、姫に馬乗りに乗られたときに暴れたため

 新陳代謝が活発になったんだろう。たぶん。


 まあ、理由はわからんがちびっていた。


 騎士は明らかにズボンを濡らした俺を同情的な目で見た。

 やっぱり殺されるんだろうか。


 そんなことを思った。

 

 「あぁ、またやりやがったか」

 騎士は書斎の入り口で腕組みしたまま『めんどくさ』そうに言った。


 「ぁぅわぅ…」

 俺は騎士の言葉を理解できずに姫を指したまま馬鹿語で返した。

 おもに涙目で。


 「あのキチ○イ姫、これで何人目だよ…」

 「はわぁ?キ○ガイ?」

 放送禁止用語にようやく反応する俺。

 停止ボタンが解除されたかのように姫を指差した手をゆっくりとおろす。


 「あー、姫な。なんだな。ちょっとノーマルじゃねえからな」

 言いにくそうに、ちらりとバスルームの方を見て、騎士が説明しだす。


 「姫に剥かれた時に抵抗したんだろ?彼女。」

 「あ、はい」

 「拒絶されると激昂するからな~…」

 「はあ…」

 「かといって、男だけで世話しようとするとキレるしよ」

 「はあ…」

 「本来さ、俺たちってザナドゥ様の部下だからよ、部隊に『世話係』連れてねえんだよ」

 「???」

 「今回は『傷物』だから掃除だけで大丈夫だと思ったんだがな~」

 「あ、それで…」

 「まぁ、悪いが彼女を片づけて、新しい女の子用意するように言っといて」

 「わかったっス!」


 俺がいい返事をすると、騎士は満足したのかそのまま廊下に戻っていった。

 シスさんはまだ扉の横で座り込んだまま姫を指差していた。


 『ぱたん』と妙に軽い音を立てて、廊下へのドアが閉まる音がすると、シスさんは操り人形の糸が切れたかのように、手を下した。表情と顔の向きはそのままで。




 どうやら、扉の横にいたおかげでシスさんの位置は死角になっていたらしい。

 それに扉の所からだと、姫の頭がちょうどテーブルの陰になるので、うまく金髪が隠れてたのだろう。暗雲のせいで部屋暗いし、それも有利に働いたんだろう。


 そんなこんなで、騎士的には『姫がシスさん殺した』で納得して帰ったようだった。



 俺は『殺されたことになった』シスさんを見てた。


 シスさんは微動だにしなかった。

 そのまましばらく見ていても動かないので、さすがに怖くなって『ギリ助かったっスねwww』と愛想笑いで話しかけた。



 シスさんは床に座り込んだまま、首だけ『ククッ』と動かし、こちらを向いた。

 顔はさっきの『正・当・防・衛!』と叫んだ時の張り付いたような笑顔のままだった。






    ⇒To Be Continued…






俺のステータス


【基本職】ニート 【サブ職業】奴隷




腕力  31(やや弱い)↑☆ 

体力  25(弱い)↑ 

器用さ 16(貧弱) 

敏捷  14(貧弱)  

知力  66(やや高い) 

精神  14(貧弱)   

愛情  36(やや弱い) 

魅力  19(貧弱)  

生命   9(不変)

運   ��4ルRテI氷�$・@�・o6・$岑ミ緻、・`・,錡/励4・・桷・U



(壊れた?何回表示しなおしても、途中から文字化けしてた。)

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