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無能な三十路ニートだけど異世界来た  作者: ガイアが俺輝けと囁いてる
~赤毛のネクロマンサー(エリー編)~
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たくましい人々

久しぶりなので忘れない様に人物まとめ


オーマ…本名大宮。ニートで一応主人公。最近活躍気味。弱い。

浅野雄太…某総合商社勤務のエリート。行方不明。優秀。


女神…アニャーナ。売れっ子。オーマを拾った。上級冒険者と逃走。

エリー…幼女。家事手伝い。オーマと一緒に居る。弱い。

スジ夫…元リア充。今はエリーの操るリアルゾンビ。強い。


ルネヴェラ…ねえさん。謎のデカい女。行方不明。怖い。

ツインテール…姐さんの知り合い。シスを苛めた。強い。怖い。


シス…売れっ子。昔、女神を苛めた。今はオーマと居る。


ソルド…期待の新人リーダー。それなりに強い。

ウォード…期待のルーキー。壁役。陰毛モヤシと言われた。

マギー…期待のルーキー。頭脳役。オーマに懐いた。

ケミー…期待のルーキー。頭脳役。知識豊富。


男爵…突撃銃と戦闘服の男。強い。行方不明。


爺さん…鎧姿の無骨な無口の爺さん。白菜で追い返された。


 「何で生きてる人見つけたらこっちに連れて来ないのよ…」


 朝食の席で俺がさっき見た爺さんの事を話すと、シスさんは額に手をやり悩むそぶりを見せた。テーブルの上にはエリーの作った白菜とトマトのスープが湯気を上げている。その湯気が彼女の動きが巻き起こした風で此方に流れてきて、俺の鼻腔をくすぐって行った。


 「え…だ、だって…もし連れてきてツインテールみたいな奴だったら困るじゃないっすか…」


 シスさんと同じように俺に失望の目を向けたエリーの表情を見て、俺は取ってつけたような言い訳をした。実際は無骨な爺さんとコミュ障な俺が互いを持て余しただけなのだが、ここでそれを言ってしまって謝るのはよろしくない。 ここ2・3日の間でシスさんが何時の間にかリーダーシップを取っているせいで、エリーの俺に対する信頼が低下気味なのだ。シスさんに怒られるのは平気だが、エリーに冷たい目をされるのは勘弁願いたい。


 「ま、ね。確かに得体のしれない人を連れてくるのは問題かもね」

 俺の心を知ってか知らずか(多分、気づいてるのだろうが)シスさんは俺の言い訳をそのままに受け取ってくれた。どうやら、俺の立場も考慮してくれているらしい。それも、昨日彼女の知り合いであるお姉さん方の遺体を城外に埋めるのを提案して手伝ったりなど、俺から歩み寄る様にしている事もあるのだろうが。


 「でもその人に限らず、生存者がいるってのは気になるわね。」

 「そうっすね」

 「他にも探せばいると思うのです」

 「そうだな、エリー」


 女性陣が考え、俺は適当に相槌を打つ。

 2日目あたりからいつの間にか出来上がってしまったパターンである。


 「じゃあさ、午後にアンタと外行ってそのおじいさん探してこようか」

 「ウイ…あ、そういえばスジ夫のメンテ用にお酒欲しいので、それも探す感じで…」

 「OK、エリーちゃんも行く?」

 「行っていいの?」

 「もちろんよ!ついでに服も探しましょうね。」


 …つう感じで。



 「あー!今日もいい天気ね!」

 「お米もなくなってるから市場に行きたいな」

 「スジ夫、エリーをちゃんと見といてくれよ」


 まるでショッピングに行くかのような気楽さで、食事後すぐに俺達は家を出発した。さっきの予定は午後だったのだが、他にやることもないのですぐに出たのだ。


 今日も太陽は燦々と降り注いでおり、初冬だというのに空気はなんだか暖かい。シスさんは黒のナイトドレスにケープとコートを合わせており、エリーもシスさんがコーディネートしたちょっとお洒落な格好。ついでに、俺とスジ夫も髪を梳いたり、包帯を巻きなおしたりなど小ざっぱりとした身なりにさせられた。


 絵面としては、休日の奥さまの買い物に付き添うダメ亭主とボディガードと言ったところだが、奥様はハンドバックの代わりにサブマシンガンを肩から下げているし、御嬢さん方にフラフラと近づくゾンビを俺やスジ夫が蹴り飛ばしている。それさえなければ実に普通。いや、なければではなく、慣れればであろうか。


 そんなこんなしながら、大通りから城の方を見ると、相変わらずゾンビどもがアパートの前にたむろっていた。なんであいつらアパートの前に居るんだろうか。シスはこんないい天気なのに気分よく大通りが歩けない事に、少し苛立ちを覚えた。


 が、そこを突破するにはあまりにもゾンビが多すぎる。こちらが相手にできるのはせいぜい4・5体だろう。そう思い、シスは館と隣の屋敷の間の道を南下することにしたのだった。



――――――――――――――――




 意外と町には生存者が残っているようだった。


 まず最初に接触したのは、俺達が通りを歩いている時に建物の2階から話しかけてきた中世ヨーロッパ風の服装をしたカップル。男は少し立派な服装で、女は少し安物の服を着ているようだが顔も体もかなりの美形であることが俺の位置からも分かる。男に『どこ行くの?何欲しいの?』といきなりフレンドリーに声を掛けられて戸惑っていると、『何か欲しいものあれば売ってもいいよ』と取引を持ちかけられた。


 特に欲しい物が考えられなかったので、逆に欲しい物を聞くと、水と食料が欲しいとのこと。だから俺の携帯水入れと交換にエリーが使える子供用の手袋を貰う事にした。どうやって交換するのか不思議だったが、見ていると、彼らは2階からするするとロープでつないだバスケットを降ろしてきた。どうやらこれで交換するらしい。水入れを入れると、手袋が返ってきた。


 手袋をエリーに渡して、カップルに一緒に来るか聞いたが、断られた。


 女曰く

 「だって、あなたたちと行ったらこの人と2人だけで居られないじゃない」

 とのことで、男は女を後ろから抱きしめてまんざらでもなさそうだった。


 そのまま見せつける様に彼らはキスをし始め、窓の中のロマンスを見せつけられた俺達は軽くイラッとした。


 奴らはそんな俺たちに笑顔を振りまきながら、ゆっくりとカーテンを閉じて姿を消してしまった。



 バカップルにイライラした俺達は通りを右に曲がって大通りに出ようとした。この町のつくりは城壁に囲まれた中に、T字の大通りを中心に碁盤状の街並みが存在する形のため、南北を貫く大通りに出ようと思ったのである。


 すると、道を曲がった途中で先ほどのアパートの様にゾンビがたむろしている地点があり、しかも運の悪い事に奴らに気付かれてしまった。白濁した目をぐりぐりまわしながら追いかけてくるババアや鎧に身を包んだ顔の皮膚を剥がれた男?に追われ、逃げる俺達。本来、俺とシスさんならぶっちぎれる早さなのだが、今はエリーがいるため奴らを引き離すことができない。エリーの足でも追いつかれはしないものの、体力がないため引き離せないのだ。


 そのままゾンビを引きつけながらじりじりと南に移動する俺達だったが、ある地点で建設中の工事現場に差し掛かった。その近くの建物の扉の前に、日焼けした親父と若い兄ちゃんが立っており、ゾンビに追われる俺達を見ると建物の中に入っていった。そして1分もしない内に、中から十数人の筋肉質の男たちが『ヒャッハー』という怒号と共に、シャベルや角材を手に飛び出してくると、『汚物は消毒だー^^』と叫びながら同数以上のゾンビを近くの空き地に誘い込んでフルボッコにしてそのまま埋めてしまった。


 彼らはお礼を言う俺を軽く無視し、シスさんに執拗に自分たちと居る様に言ってきた。どうやら、女に飢えているらしい。エリーにお菓子を分けてくれたりなど、基本はいい人達みたいだが、長期間一緒に居た場合にシスさんが危険な気がしたので、丁重にお礼を述べてその場を去った。


 3番目に会ったのは、白髪のばあさんだった。

 ばあさんは少し痴呆が入っているようで、道に置いてあった植木鉢をゾンビが割ってしまったらしく、ゾンビに説教をしていた。ゾンビは『がーがー』言いながらばあさんを襲うのだが、ばあさんはゾンビをひっぱたき、その場に倒すと『謝れー!謝れー!』と連呼。そしてまた起き上がったゾンビがばあさんを襲い…という動きを繰り返していた。


 さすがに危険なので、俺がやめさせようとしたのだが、ばあさんは意外と力が強く、後ろから羽交い絞めした俺を『痴漢!』と言いながら裏拳で吹っ飛ばした。倒れた俺が謝ると、『わかればいい』とだけ言い残し、近くの家に入って行った。


 俺は吹き出した鼻血をシスさんからもらったハンカチで抑え、スゴスゴとその場を去った。



―――――――――――――――――



 俺達は近くにゾンビがいない家を見つけると、その庭の中に隠れ、少し休むことにした。


 「…生き残ってるやつら…碌なの居ないっすね…」

 「そうね…」

 「お兄ちゃんが朝見かけたお爺さんも多分似たような感じだと思うよ…」

 「爺さん…一言も喋らなかったしな…あの人も痴呆だったのかな…」


 そう言いながら、垂れる鼻血をシスさんの柔らかな香水が振ってあるハンカチでふくと、真っ赤な血を吸い込んだハンカチはその色を赤黒く変えていった。その様子をエリーが気の毒そうに見つめている。朝に家を出た時は皆ハッピーだったのに1時間ほどでこのありさまであるため、流石に皆が憂鬱な顔だ…


 「ねえお姉ちゃん、もうお米探して帰ろう…」

 「そうね…遠いけど、市場まで行きましょうか…」


 そう言って、俺達は生存者の捜索を諦め、物資を求めて町の南西の市場まで移動することにしたのであった。



   ⇒To Be Continued…




俺のステータス


【基本職】ニート 【サブ職業】川漁師


特記:軽傷(体力↓)


腕力  28(弱い) 

体力  24(弱い) 

器用さ 15(貧弱)

敏捷  14(貧弱)  

知力  65(やや高い) 

精神  13(貧弱)  

愛情  31(やや弱い) 

魅力  19(貧弱)  

生命   9(不変)

運   ??(算定経験値がまだ不足:平均より上?)


スキル

【高等教育】Lv.26

【不快様相】Lv.2 

【鈍器術】 Lv.10

【盾術】Lv.13


持ち物

Eひょっとして姐さんのバール?(命名:エクスカリバール)

        …攻撃+95(使用者能力不足により過小評価です)

Eスニーカー  …敏捷+3

E一般人の服一式…魅力+3・体力+3

E回転式拳銃  …攻撃200(固定)命中等は器用さ依存。



トルテ金貨(現代物)×4

報酬袋のボストンバック?

整備してない弾 ×18(手持ち)



無くなったの


携帯水入れ…バカップルと交換しました

整備した弾…×2逃げる際に威嚇射撃しました

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