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無能な三十路ニートだけど異世界来た  作者: ガイアが俺輝けと囁いてる
~赤毛のネクロマンサー(エリー編)~
20/89

はじまれゾンビ編

前回のあらすじ


バイト先が忙しくて、ガイアはこれどこまで書いたっけって思った。



あとバイト先で思った事。

受験生の皆様

センターテストとか頑張れてください


努力は多分報われます。



 「お疲れ様でーす。」

 「おはようございまーす。」


 玄関を開けると、相変わらず外に居るおっさんゾンビにエリーと共にそれぞれ好き勝手な挨拶をして、俺達は隣の屋敷に向かって歩き出した。


 ココ3日ですっかり顔なじみになった玄関外のおっさんゾンビは、俺たちの匂いと声を嗅ぎつけてフラフラと寄ってきたが、俺らの後ろからついてくるスジ夫が『御嬢さんに近づくな』とばかりに突き飛ばすとたたらを踏みながら東門の方に2・3歩進んで倒れ込んだ。


 そんな様子を間接視で確認しつつ、

 「今日は何が欲しいんだ?エリー。」

 と俺は隣を『ちょこちょこ』歩くエリーに確認を取る。


 聞かれたエリーは、少し迷った後に

 「昨日持ってきたお肉を保存したいから、香辛料と野菜少し欲しい」

 と上目づかいに俺を見た。


 その可愛らしい様子に『わかった、兄ちゃんに任せとけ』と言わんばかりのキラリとした歯を見せるスマイルを返した俺は隣の屋敷の扉に手を掛けて『ガチャリ』と気持ちよく開く。


 するとそこには、屋敷の主であろう豚の様にまるまると太った女のゾンビがネグリジェで立っていた。昨日、この屋敷を探索した時はお2階にいらっしゃったのだが、3日連続でお邪魔しているためか、大体この時間に俺達が来ることを学習したらしく、わざわざ降りてこられたらしい。生前(?)からホストとしての心構えが出来てた人なんだろうな。


 「あっお邪魔しまーす」


 と声を掛けてから、『あ゛ーあ゛ー』言いながら近づいてくるおばさんを前蹴りで蹴り飛ばしておく。


 エリーもずいぶん慣れたのか「ごめんなさいです、ご飯分けて貰ったらすぐ戻ります」と声を掛けておばさんの横を通り過ぎ、キッチンへと向かう。


 おばさんはまだ多少理性が残っているためか、『お゛茶…お゛嬢ぢゃん…』などと呟いていたが、やってきたスジ夫が肩に手を掛けて立ち上がらせると、そのまま寝室に連れて行かれてしまった。



―――――――――――――――――――――――――



 あれは3日前の事だ。

 さあ、いきなさい!というシスの号令に合わせて、俺は外に出た。

 女に頼られたことで、割と喜び勇んで。


 俺の運から言って、いきなりゾンビに襲われるかとも思ったが、面した大通りには20メートルほど先に1体いるだけだった。

 他はこの前のアパートの前に集中していて随分と遠い。


  比較的近くに居るゾンビも俺に気付かねえ。

  目は悪いみたいだな。

  娼婦ゾンビの件からすると見えないわけではないみたいだが。



 とりあえず、目的を達成しようかと思い、コソコソと家を回って路地裏に行った。

 ゾンビは家の周りにもいなかった。

 井戸でビクビク焦りつつも水汲んで家に帰る。

 怖いので割とダッシュだった。


 それから水を窓から何度か受け渡し、十分確保したところで玄関方面に戻った。


 すると、玄関の前にはゾンビが相変わらず突っ立ってた。

 町を覆ってた煙は火事が沈静化したのか、太陽は町にさんさんと降り注いでおり、ゾンビも夜に見た時より健康的に見えた。


 俺はどう見ても死んでいる人が動く光景を見ていて思った。割と哲学的に。


  ゾンビってこんがり日焼けするんだろうか?

  死んでいるならミイラみたいになりそうだが…

  しかし、生命活動があるなら日焼けするのではないだろうか?

  本来、日焼けと言うのは紫外線による炎症であるし

  メラニン色素がどうたらと言ったものだけど

  ゾンビが死んでいるのではなく生体として生きている状態なら

  体の防護作用の一環として日焼けするのではないだろうか?

  捕まえてエリーに【日光乾燥】かけて貰おうか?


 そんな事を考えてニヤニヤしていると、開けっぱなしの東門を通り抜ける風が『ふわっ』と吹いた。


 するとゾンビが何かに反応して急に動きが活発になり何かを求めて動き始めた。


 これは・・・!と思い、ピンときた俺が風上に立つと。

 案の定、動きが活発化してこっちの方角にズルズル向かってきた。


 どうやら、ゾンビは匂いでも人間がわかるらしい。

 耳はどうかと思って聞こえる程度の声を出すと、俺に向かい明確に移動してきた。


 やってくるゾンビは、小柄なおっさんの上、のろくて一人しかいないので余裕で釣って家の中に誘い込む。中に入った所で入り口の脇に隠れてたスジ夫が後ろから拘束した。ドア閉めてシスと一緒に拘束したゾンビを縛る。遅いしボズより楽勝だった。



 「さあ、いろいろ調べなさい」というシスの号令の元にゾンビに実験開始。

 手始めに足つねってみたら、痛がった。痛みの感覚はあるらしい。

 スライム乳も胸揉んだら嫌がったから、脳はそれなりに生きてんだな。

 ちなみにエリーに操れるか聞いたけど、無理らしい。

 見た目ゾンビだけど、魂入ってるって。

 色々話し合った結果、ゲームに出てくる感染型のゾンビじゃねえかな。って事になった。


 あと、俺やシス、エリーが近づくと、暴れるけど、スジ夫が近づいてもあんまり反応低い。生きてる人間にしか反応しないっぽい。娼婦たちの方も、頭殴ったりしたら死んだし、感染でゾンビになってんだろう。死んでなるゾンビならスジ夫みたいに脳が腐ろうが、骨だけになろうが動くから。


 で、生きてるのなら意思疎通ができるかと思っていろいろ話しかけたんだが


  俺「もしもし、こちらの言う事分かりますか」

  ゾ「…(ボソボソ)……お゛親方、…お塩3人前でず」

  俺「…今何が見えますか?」

  ゾ「…シャぁンデェリぁに…敬ッ礼ッ!!」

  俺「……」


 …ある程度の知性はあるみたいだが、まともな意思疎通はできないみたいだ。


 それからいろいろ調べたけど、医者でもない俺達には良くわからんかったので、後ろ手にされながらも背筋を伸ばして敬礼姿勢を崩さないゾンビを簀巻きにしたまま外に放り投げておいた。



 そして俺とシス『さん』は丸1日かけてゾンビの生態を調べた。主に俺がゾンビに近づく方法で。


 上記の他に分かった事としてはゾンビはバランス感覚が悪い。

 多分ウイルスかなんかで感染した時に三半規管に障害でも出るのか平衡感覚が悪化しているらしく、基本的に走れない上に、足払いで止められることが分かった。以前、シスさんがツインテールに襲われた際に、走るゾンビが出たそうだから全員がそうではないのだろうが基本的に走れないとみて間違いない。


 まあ女より貧弱な俺でも逃げれるし、近くに来ても取っ組み合うのではなくローキックや前蹴りでバランスを崩せば奴らは倒れる。ジェンガの後半戦みたいに面白いぐらいに倒れるww。


 後、ゾンビは力強い。

 こけるのが面白くて、一人で調子こいて蹴りまくってたのだが、

 キレたゾンビに足を掴まれてしまった。

 慌てて蹴りまくって足を離そうとしたのだが離れない。むっちゃ力強い。


 そんで、俺は噛まれた。


 ズボンの上からだったが、ふくらはぎを血が出るくらい噛まれた。

 『ぎゃー』と泣き叫ぶ俺に気付いたシスさんが慌てて近づいて、ゾンビの頭を掃射してくれたので一噛みで助かったのだが、ゾンビの唾液もおもっきり出てて、ズボンのシミになってた。


 噛まれた傷を確認したシスさんは、涙目の俺を家の中に連れて行くと傷口を洗い流して、俺はそのまま家の玄関で縛り付けられた。


 帰ってきた俺のケガを見たエリーは心配そうに俺を見ていた。

 俺もゾンビになるかと思うと怖くて怖くてビビりまくってたのだが、エリーが不安がると思って余裕なふりをしていた。



 そのまま一晩、俺は娼婦たちの死体の横で寒さに震えながら過ごした。



 一晩過ぎても、俺はゾンビにならなかった。

 隣で倒れ伏しているお姉さん方は2・3時間でゾンビになったらしいので安心だろうと言う事で自由になった。


 俺の軽卒さが招いた事態にシスさんは怒ったのだが、結果として噛まれたぐらいでは大丈夫なことが分かって何となく皆、安心した。そして俺達はその日から町の探索を開始したのだった。




―――――――――――――――――――――――



 「香辛料と小麦粉あったよ」


 「じゃああとは野菜かね…っと忘れるところだった」


 一通り、キッチンを漁って玄関に戻ると、俺は玄関のコート掛けにかけてあるコートをまとめて『バサボソ』と持っていたボストンバックに詰め込んだ。シスさんにコートを何着か頼まれていたのだ。


 「野菜は裏の家庭菜園に成ってるやつ取ってけばいいかな」


 「あんまり取らずに必要じゃない分は取っておいてね」


 「わかった任せとけ。スジ夫ー帰るぞー。」


 そう言って、降りてきたスジ夫にエリーを送らせて、俺は屋敷の庭に向かった。



 裏の家庭菜園に行くと、トマトやら白菜などの野菜が、お日様の光を全身に浴びながら、規則正しく並んで俺を待ち構えていた。


 「トマトは3つ。白菜2つ。」

 エリーに渡されたバスケットに言われた分の野菜を入れる。


 「おっけ。おわっ…た…」


 プチプチと野菜を取り、白菜を根元から切り取ってバスケットに入れた所で顔を上げると、目の前に立派な鎧を着た大柄な白髪の爺さんが『ぼうっ』と立っていた。



 突然の事にフリーズする俺。

 爺さんは無骨な表情で俺をじっと見下ろしているだけだ。


 何だ、いつの間に居たんだ?

 と思って出方を窺っていたのだが…



 「……」

 「……」


 爺さんは何もしゃべらない…

 コミュ障な俺はもちろん何もしゃべらない…


 「……」

 「……」


 え…なんだろこの爺さん。ゾンビじゃないみたいだし。

 かといって怒ってるわけじゃない雰囲気だし。


 「……」

 「……」


 そのまま2分ほど黙って見つめ合っていたのだが、

 流石に沈黙に耐えかねた俺が、白菜をバスケットから一つ取り出すと


 「コレ、おいしいっスよ。よろしければどおっスか?」


 と気軽に差し出したところ、爺さんは軽く会釈をして白菜を受け取り、何も言わずしっかりとした足取りでそのまま去って行った。



 「………俺たちの他にも生きてる人いるんだな…」


 ボソッと呟いた俺は新しい白菜を畑から切り取ると、ルンルン気分でバスケットに入れて家に戻ることにしたのであった。





  ⇒To Be Continued…




経験を得てステータスが変化しました


俺のステータス


【基本職】ニート 【サブ職業】川漁師



腕力  28(弱い) 

体力  24(弱い) 

器用さ 15(貧弱)

敏捷  14(貧弱)  

知力  65(やや高い) 

精神  13(貧弱)  ↑

愛情  31(やや弱い) 

魅力  19(貧弱)  ↑

生命   9(不変)

運   ??(算定経験値がまだ不足:平均より上?)


スキル

【高等教育】Lv.26

【不快様相】Lv.2 

【鈍器術】 Lv.10

【盾術】Lv.13


持ち物

Eひょっとして姐さんのバール?(命名:エクスカリバール)

        …攻撃+95(使用者能力不足により過小評価です)

Eスニーカー  …敏捷+3

E一般人の服一式…魅力+3・体力+3

E回転式拳銃  …攻撃200(固定)命中等は器用さ依存。


携帯水入れ

トルテ金貨(現代物)×4

報酬袋のボストンバック?

整備してない弾 ×20(手持ち)



無くなったもの



歪んだ鍋の蓋…修復めんどいので家に放置

レッドアイの毛皮(中)…なんかシスさんが持っていきました

コート×5…シスさんに頼まれたものです。

      立派な物、薄い物。女性用。男性用など。

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