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無能な三十路ニートだけど異世界来た  作者: ガイアが俺輝けと囁いてる
~赤毛のネクロマンサー(エリー編)~
19/89

無能な三十路ニートだけど、女どものパシリになった。

前回のあらすじ


モテキ到来。


ブラックタイガーの代わりにシス入れたけど

正直、何も考え付かない。



ちなみにガイアが車で連れて行かれたバイトは

2週間近く山の中でした…



 「何でこんなものが此処にあるんだろうな。」


 朝起きてから、ツインテールに言われたことを思い出して、4階に上がった俺達。扉が破壊されてたので中に入ると、中には大量の現代器具が散らばってた。


 具体的に言うと、段ボールみたいな柔らかい紙製の箱もあれば、ラチェットやクランク、金床といった工具が入ってる箱もあり、壁には狙撃ライフルぽいものまで。中央には大きな台座があって、その上に折りたたみノコギリのように畳まれた巨大な刃物まであった。部屋の奥には金属製の扉があり、ここよりも厳重そうな雰囲気。


 とりあえず、なんか情報欲しいなと思い、そばにあった戸棚の書類を見ると読めん。けどこの文字見た事あるぞ。そう思って、しばらく考えていたが、バールの文字に似ている事に気付いた。


 バールの文字と似ているとはどういうことだろう?

 眠さで余り働かない頭で考えるがわからん。


 それもこれも原因はおれの後ろの扉の前で、ポツンと気弱に立ってるシス。


 昨日の夜中にいきなりベッドに入ってきて、泣きながら俺に抱き着いて寝たため、朝まで緊張して眠れんかったのだ。誘惑されたのかとも思ったが、一通り泣くとすぐに一人で寝てしまったし。朝になって目を覚ますと、手を出さなかった俺に怒るわけでもなしに、恥ずかしそうにスルッと出て行った。飯の時も無言で少し食べただけで終わったし。何考えてるんだろうな。昨日は誰彼かまわず噛みつく狂犬のようだったのに、一転してなんか気弱になってるところが正直怖い。


 それにしても文字読めねえ。どうやら手書きでなく、印刷された文字のようだけど、アルファベットのような簡単な形態ではなく、漢字のように一文字の中に部首のような似た部分がある事からすると、象形文字なんだろうか。


 そう俺が困ってうんうん唸っていると、


 「ツェツパァライタァク社 魔工具納品書って書いてあるわ…」


 シスがいつの間にか後ろから覗きこんでいた。


 あ…シスって意外と俺より背が低い…と思いながらも警戒しながら読めるのかと聞くと、うなずいた。文字について聞いた所、共通語で使われる表音文字の簡体字と違って、正式書類や官庁などで使われる正字らしい。


 「今では大陸中央や王都周辺で使われるだけで、こんな辺境じゃあ普通はお目にかかる事なんてないはずだけど。私も子供のころに神王都の学校で少ししか学んでいないからあんまり読めないけどね…これ…学術都市やアシャージャヤ地方の企業から…?此処の主って何者なの?」


 「ルネは魔人だよ。」とエリーが言う。


 確かに魔人って雰囲気だけど、ちょっと怖い感じでデカイだけだよな。シスも目をパチクリさせてるので、『えっと、背丈が180センチ以上はあるマフィアみたいな長い黒髪の女性ですよ。』とフォローを入れておいた。



 俺の説明を聞いてシスはそうなの…と黙り込んだ。

 適当な説明だったが、なんか納得していただいたらしい。


 まあ聞いた所、シスも正字に堪能なわけではないらしいので、書類の解読は諦めて他のもの探す。


 そんで、薄く埃をかぶった段ボール?ぽい箱を開けると大量の弾薬が出てきた。壁のライフルの弾かと思ったが、拳銃弾程度の大きさでサイズが合わん。もしやと思ってごちゃまぜの工具類が入ってる箱を探ってると、サブマシンガンのような形態の銃器とリボルバーの拳銃を発見。どうやらこいつらの弾らしい。工具箱の底の方に工具に潰されてぐちゃぐちゃになった絵入りの取扱説明書があったので、それごと確保する。


 部屋の中央にある赤黒い大きな刃物が使えないか持ち上げようとしたが、すげえ重くて無理だった。鋭く湾曲した刃や柄の途中で留め金らしき物で折り畳まれているが、伸ばせば柄も刃も人間の身長程度の長さはありそうだ。日本の某神社にも2メートル近い大太刀が奉納されてるのを見たけど、あれよりも刃が格段に厚くて取り扱いが難しそう。こんなの使える人間居るんだろうか。気になったが、使えんものはしょうがない。諦めて奥に通じる扉にむかう。


 厳重そうだし開くかな~?と思ったが、『ふんぬー』とスジ夫と青筋立てて押しまくったらなんとか開いた。


 そんで、苦労して開けた部屋の中にはさっきよりも精密な工具や多種多様な部品と謎の機械が。奥の機械に繋がった大きなガラスの中には、液体が満ちたホルマリン漬けのようになって、人間の手と足らしきものが浮いてる。


 すげえキメエ…と思いながらも近づいてみたけど、液が対流していて標本と言うより、保存?みたいな感じ。


 …何かしらの人体実験だろうか?

 不気味すぎる。

 姐さんはここで何やってたんだろう?



 ツインテールに4階を見れば姐さんと彼女の事が分かると言われたが、よけいわからんくなったな。ゲームとかならこういう場所に研究日誌や写真とかが、これ見よがしにあるんだろうが、不親切なことになんもない。シスに再度書類を読める範囲で斜め読みしてもらったけど、納品書とか検品証しかないようだ。


 結局、調べるのに飽きたので俺達は物資を持って下に降りた。


 俺達は4階から降りると、現在の状況を把握することにした。


 武器防具で今あるのは、バールと銃。地下の貯水タンクも心もとない。食事はわずかな保存食と残り物のシチューぐらい…割と切実に飯がない。家から出る事を考えよう。姐さんや女神も探したいし。 


 ちなみに武器の使い方はすぐわかった。サブマシンガンはカートリッジ?が2つでそれぞれ20発ぐらい入る。重いし両手で持つ必要あるけど、肩紐があるし女性にももちやすい。拳銃は多少ごつくてシスの手には大きすぎる。結果、シスがサブマシンガン(俺より力あるせいか取扱いが上手かったし)。俺は拳銃。2階から試し撃ちした所、埃被ってた弾だったが撃てた。弾は大体ひと箱300発ぐらいはあるかな。4階に同じ段ボール?があったから補給は効きそうだ。


 そんで、外に出てく為の防具について話したところ、議論は大いに荒れた。

 そもそも人間がゾンビになる原因が分からないのだ。


 「ひょっとしたらかまれたりすると感染するんじゃね」


 俺がそういうと、


 「それにしては、ゾンビはみんな致命傷負ってるし…そう言えばこのゾンビはなんで味方になってるの?」


 シスが今更のようにスジ夫について聞いてきた。


 「スジ夫はエリーがスキルで死体を動かしてるんすよ。」

 「…じゃあ地下の残骸も組み立てて動かせない?」

 「…他のゾンビは見た目怖いからヤダよ。」

 「玄関のお姉さんたちなら平気かエリー?」

 「あの子たちは止めてよ…」

 「そもそもあいつら何で動いてたんすかね?」

 「そうね。ゾンビについて調べた方がいいかも…。」


 「そうっすね。誰がやります…?」


 …ってエリーもシスもなんで何で俺見るの…。


 「無理っす。ダメっす。俺、か細い娼婦ゾンビにさえ力負けしましたもの。ステータス、シスさんの方が強かったじゃないっすか。サブマシンガン持ってるシスさんがやればいいっすよ」


 「…あんた、この状況で女にゾンビと戦わせて自分は隠れるって言うの?」

 「お兄ちゃんサイテー…」


 「…」


 「…あんたそれでいいのね?」

 「…お兄ちゃんそれでいいの?」


 俺のヘタレ具合にさっきまでの気弱な様子が無くなり、

 エリーと共に蔑む視線を投げかけるシス。


 『わかりました当然です。俺が行きますとも!』と耐え切れなくなった俺が彼女の手を握って承諾する。そして水汲みがてら俺が外に出ることにすると。、ぜか元気を取り戻したシスは俺を頼れる男を見る目で見ていた。


俺のステータス


【基本職】ニート 【サブ職業】川漁師



腕力  28(弱い) 

体力  24(弱い) 

器用さ 15(貧弱)

敏捷  14(貧弱)  

知力  65(やや高い) 

精神  11(貧弱)  

愛情  31(やや弱い) 

魅力  18(貧弱)

生命   9(不変)

運   ??(算定のための経験が不足しています)


スキル

【高等教育】Lv.26

【不快様相】Lv.2 

【鈍器術】 Lv.10

【盾術】Lv.13


持ち物

Eひょっとして姐さんのバール?(命名:エクスカリバール)

        …攻撃+95(使用者能力不足により過小評価です)

Eスニーカー  …敏捷+3

E一般人の服一式…魅力+3・体力+3

E回転式拳銃  …攻撃200(固定)命中等は器用さ依存。


携帯水入れ

レッドアイの毛皮(中) 

トルテ金貨(現代物)×4

報酬袋のボストンバック?

歪んだ鍋の蓋

整備してない弾 ×20(手持ち)

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