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【超短編小説】目me

掲載日:2025/12/21

 目を合わせてはいけない存在、と言うものが世の中に3つ存在している。

 話しが長い癖に要領を得ない宗教の勧誘?それとも名刺交換を要求してくる営業マン風または歓楽街の客引き?

 違うよ、あんなのは目を合わせなくたって寄ってくる。


 俺が問題にしてるのはヤンキーと警察と幽霊だ。

 ヤンキーと警察は目を合わせてからが本番だ。つまり視線の合致こそが会話の切っ掛けと言うか、その了解みたいなものになっているんだ。

 お互いの存在を確認しているぞ、景色じゃないぞと言う前提が共有されるんだ。

 まぁそこから先は適当にやり過ごせる。面倒は面倒だけどな。殴るもよし、逃げるもよし、ケムに巻くもよし。

 何せ奴らには実体がある。


 一番問題なのは幽霊だよ。

 あいつらは自分の存在が確認されたとなるとしつこい。ヤンキーと警察よりしつこい。実体が無いクセにな。

 それがまた交差点の向こうから血塗れ姿で歩いて来る、みたいな都市伝説並みに分かりやすい存在なら助かる。だけど普通の姿で立たれていると迷惑する。


 この間も原付に乗って買い物に出た時に、家の近くにある曲がり角で、横断歩道で立ってる女子高生をやり過ごそうとしたんだよ。

 ほら、歩行者優先だろ?それくらいのルールは守るって。

 そしたらそいつ、なかなか先に行かないんだよ。ちょっとイラっとしてクラクション鳴らそうとした瞬間に、その女子高生がこっち向いてさ、おれは気付いたんだよ。


 やっちまったな、と思った。

 仕方ねぇからそのまま曲がったんだけどさ、やっぱ後ろに乗られてさ、ずっとヘルメット越しに「見えてるんでしょ」って言い続けるんだよ、その女子高生。

 ずっとだよ、ずっと。

 バイク停めてさ、降りてもついてくるの。



 スーパーで買い物してる間もそうだったし、帰りに少し遠回りしたさっきの交差点を通って帰るまでずっとだったよ。

 機転が効いて俺は助かったよ。

 交差点まで戻ると、そこで諦めたのか何なのか知らないけどね、急にいなくなったんだ。


 別に何かされた訳じゃないよ。

 ただずっとついてこられただけ。


 しかしまぁ実際はどうなんだろうな。そんな事があってから、誰とも目を合わせなくなって久しいけど、俺も存在を認識されてるのか気になるしな。

 だからこうやって喋ってるんだけど、お前も返事をくれないしな。

 俺が狂ってるのか俺が死んでるのか、俺には客観的にわかんないのよ。

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