表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

崩れゆく平穏




プレリュード 中央広場


たまたま、本当にたまたま出会った2人がいた。


「あ」


「あ?」


「こんな日にこんなところで珍しい。」


「お前こそなにしてる、今は警備の時間じゃないのか?」


「ふーん、それはこっちのセリフでもあるんですけど!」


「なんでもいいだろ!俺の勝手だろうが!!」


「私はセレスに用事があるの!」


そこへコツコツと足音を鳴らし近づいてくるのは


「ちょっとあなた達、こんな所で騒がないの!守護精霊2人がみっともない。」


「うるせぇ、コイツが突っかかってきたんだよ!!」


「もうその辺にしなさい!怒るわよ?」


「あー!上等だ!やるってんならやってやらぁ!」


「ふーん、その気なら私だって!!」


「こら!!」


やめなさいと言い出そうとした途端、カーンカーンと西側と東側の門の警鐘が鳴り響く。


「っ!!!」


「これは、警鐘。何かあったのかしら?」


セレスを真ん中に向かい合っていた2人はそれぞれ持ち場の方へ歩を進め


「ちゃんとやれよ!」


「ふん!ヴェールこそ!ごめんね、セレス行ってくる!」


「ええ、気を付けてね。私も急いで戻らなきゃ。」




西門 外壁上部


「っと!何があったの!?」


「ルージュ様!目視で確認しましたが西の坑道から魔物が溢れてきております!」


「なんで目視!?索敵魔法は!?」


「それが、魔法石が不具合を起こし索敵出来ません!何名かはすでに敵の対処に向かっております!」


「わかった!私も出る!索敵と門の守りは任せたわよ!」



「くそっ!どこからこんなに!くっ!」


ガアァ!と兵士に振り下ろされる強靭な爪


「いやだ、死にたくないっ!」


ギュッと目を瞑る。するとそこに


「大丈夫!?」


「っ!ルージュ様!」


「下がって!!あなた達もよ!ここは私に任せてあなたたちは門と住民の安全を!ったく、なんで()()()()()!」


「ルージュ様!索敵班から伝言です!魔物の中に下級悪魔の存在を感知とのことです!」


「悪魔!?」



悪魔、昔に存在した厄災と呼ばれる4体の悪魔から派生した邪悪なる存在。その力は魔物を凌駕し猛威を振るう。魔物とは違い意思があり魔法の使用も可能とする。



「全く見なかったものがなぜ今になって!それにしても数が多い!早く離れて!一気に蹴散らす!」


「やばいぞ!今すぐここ離れろ!ルージュ様の広範囲攻撃魔法が来るぞ!」


「母なる大地よ、聖善なる星々よ今ここに集いて我が力となり眼前なる敵を討ち滅ぼす業火となれ!終焉の宴よかの者らを灰へと化せ!神楽・第5説、慈悲なき終焉の宴!!」


ルージュのレイピアから発生した炎は周囲の敵を飲み込み全てを燃やし尽くした。が坑道からの魔物や悪魔は増えるばかり。


「あれがルージュ様の。2本のレイピアの内の1つ、神楽の広範囲炎熱魔法。凄いあの数を一瞬で。」


「なんだあれは!!」


と1人の兵士が指を差す方向に目を向けると

黒い大きな何かがゆっくりとこちらに近づいてきていた。



「クカカカ、強い魔力を感じる。我が遊んでやろう。」






東の森

森の中を駆ける1人の青年


「ったく、さっきからなんだ?見たこともねぇ魔物がわんさか。」


そこへ1人の者が近づく


「ヴェール様!」


「無事か?何があった。」


「突然森からの魔物が現れ、魔法石での探知が出来なくなっております。我らシルフィード家の面々が散り散りになり敵の撃破に動いております。」


「魔法石が使えない?!なら防護魔法を機能していないかも知れねぇ、お前は散っている奴らを集め門と中の住民の守りに徹しろ、外の奴らは俺が片付ける。いけ!」


「はっ!」


()()()()()、外に出て祈りを捧げてる連中が多いはずだ、ここはなんとしてでも食い止めてやる!」











東の森最深部


「ウチらのとこにもようさん、奴さんら送ってきてるみたいや。申し訳ないけど今回は助けに行かれへんかもしれへん。でもここでウチらがやられる訳には行かへんよ。あんたら!死ぬ気でかかり!」









東の森 エルフの郷


「きゃはははは!!いけ!お前たち!!精霊なんて潰しちゃえ!!ふふーん、こっちは準備を進めてっと、にゅふふ、面白いことが起こるといいなぁ。ほら!これ持って!行くよ!」


「は、はぃ。」









南の門付近


「はぁはぁ、こっちはまだ何もなさそうでよかった。」


「ん?どうしたのだセレス、そんなに慌てて今日はテトラ様とアーサー様の亡くなった日で皆、外に出て祈りを捧げているだろうに。さっきの警鐘となにか関係あるのか?」


「そうなの、お父様。こっちは何もないわよね?」


「こっちはいつも通りだ。」


「けど、こちらにもいずれ来るはず、警戒のために巡回に!」


「セレス・ウォーターベル様。少しよろしいですかな?」


「っ!あなたは大臣様?(城の大臣が何故ここに。今日は祈りの日でウル姫についてあげてるはず。)」


「少しお話がありましてな、今朝方より城の方に複数の子供の捜索願いが来ておりましてな。城の警備はこんな日ですので回せず、それに先程東西で警鐘がなりシルフィード家、スカーレット家の両家とも人選が取られてまして頼れるのはセレス様のウォーターベル家しかないのです。どうかお力を貸しては貰えませんか?」


「こんな日にどこかへ行くような子達ではないですぞ!大臣!!」


「お父様!大丈夫、私がすぐに見回ってきますので、お父様とみんなはここをお願いします。外周区は魔法石で探知お願いしますわ、何かあれば合図をください。すぐに戻りますので。」


「あ、あ!それと魔法石は使わないでくだされ先程クロノス家から点検があると連絡が来ておりましたので。」


「そんな連絡は来ておりませんぞ!」


「お父様!」


セレスが首を横に振り


「ここで争ってても時間の無駄ですわ、すぐに終わらせて戻りますのでお待ちくださいお父様。では行ってまいります。」


「あぁ。」


「では私はこれで失礼します。」


「待て!今の話何一つ嘘はないのだな?あれば分かっているのか!大臣!」


「ひ、ひぃ。手荒な真似はよしてくだされ。ガストル殿。周りの目も少しは気にした方がよろしいですぞ?」


「くっ、いけ。」


「ひひ。(このままあの場所に向かうとするかの。)」


街中をすごい速度で駆けるセレス。


「(シャルとメアが守護精霊を通さずにそんなことするのはありえない、それに今日ここに来るまで親のそばを離れた子供たちは見ていない。今日は1年で大事な日そんなことは誰でも知っている。)何があるって言うの?嫌な予感がする。早く戻らなくちゃ!」












南に位置する人族の街 レプリカーレ


「時は満ちた、さぁ行きなさい!私達こそが正しいと世界に知らしめるのです!」


「では、私も行ってまいります。」


「ええ、任せたわよロザリエ。」












南の門 外壁上部


「あれはなんだ!?」


「どうかしたのか!?」


「ガストル様!加護区画より外に魔獣(サースペントウルフ)の大群を確認!こちらに向かってきております!!」


「なんだ!?あの数は!!皆の者聞け!魔法が得意でないものは剣を持て!得意なものは外壁から攻撃魔法だ!1匹たりともここに近づけるな!!セレスが戻るまで持ちこたえろ!」


「はい!!!」



3箇所の同時攻撃を受けてる中、中央にそびえ立つ城には情報はまだ来ておらず、王の間で祈りを捧げているウル。


「(お父様、お母様。今日も元気に過ごしています。この地に何もないよう私も頑張るから見ててください。)っと、みんなの様子でも見に行こうかな。何もない平穏な日々がずうっと続くといいなぁ。」










北の門付近を歩いているのはシャルとメア


「ねぇ、お兄ちゃん。アタシたちは普通に歩いてていいの?」


「仕方ないだろ、何か嫌な予感がするんだ。それに」


「それに?」


「なんでもない。(さっき感じた神殿への侵入者の気配はなんだ。)急ぐぞ!」


「きゃあっ!」


「どうしたメア!」


「お兄ちゃん、西、東、南で加護障壁に攻撃が。」


「なんだと!こんな時に!!こっちは大丈夫なのか!?すまんがメア見てくれ。」


「う、うん。任せて。……。っ!来てるまだ数体だけど近づいてるよ。」


「メア、掴まれ!」


メアを抱き抱え門の方へ走る。


「あそこ!!」


雷鳴の雨(サンダーレイ)!あとどれくらいいる!」


「待って!え!?あれ!?魔法石での索敵が出来ないようになってる!どうして!?この魔法石への干渉権限を持ってるのは私達守護精霊と姫様、あと大臣の1人だったはず。」


「そういう事か!メア!上限解除をかけて全ての魔法石の使用を最大にしろ!今この場の索敵をかけろ!」


「うん!わかった!!メア・クロノスの権限により上限を解除!!あとは索敵、、っと。お兄ちゃん!この場に向かってるのは残り300程!」


「わかった、お前はウルをここに連れてこい!誰よりも早くだ!」


「お兄ちゃんは?!」


「お前たちが戻るくらいならここを守れる。早く行け!」


「けど!」


「早くしろ!手遅れになる前に!!」


「う、うん。」


「大丈夫だ、安心しろ。俺がそう簡単にやられると思ってはないだろ。いけ!」


シャルの周りに様々な種類の魔法陣が浮かび上がり渦を巻き広がっていく。


「母なる大地よ、聖善なる星々よ!今ここに集いて眼前なる敵を討ち滅ぼす我が力となれ!導く言霊を排除し魔術の深淵を見よ!詠唱破棄(オーバードライブ)


「あれは、お兄ちゃんのオーバードライブ!この距離ならまだ!ディメンションウォール!」


「これはメアの。たしか3回までの自動障壁か、これが俺の残機ってワケだ。はっ!楽勝だな!かかってこい!!」






ーーーーーー


これらの攻撃が起こるその日の早朝、宝物塔最上部でとあることが起きていた。


「今日はお父様とお母様の命日。奴らは狙ってないでしょうけど裏で動いてる者がこの日を狙ったのかもしれない。私が動かないといけないのは今この時!たしかお母様の日記に、、、あった!」


1枚の紙を窓に貼り付けるとパリンと窓が割れ、そこから飛び出す女性。


「高さはあるけど!えいっ!!」


地面スレスレで魔力を放ち勢いを殺し、走り出す。


「(ミナト!ミナト!!起きて!!)急がないと!!」






北の門よりさらに北にある神殿の中


「レイラ様、お待ちしております。どうか急いで。」





誰にも見つからず走ってきた女性に


「ミナト!!」


「お待ちしておりました。早く中へ。」


「あれは?!」


「あそこです。どうかお気をつけください。いくら調整はかけられているとはいえ何が起こるか分かりませんので。」


「私がどうなろうといい、ウルをあの子を守れるなら!!」



神殿の最深部にある紫に輝く大鎌を手に取るレイラと呼ばれる精霊は光に包まれる。


「レイラ様。」


「行くよ!ミナト!!あの子らを助けるために!!」


「良かった。分かりました。こちらの準備はとうに終わっております。4箇所への転移魔法陣の設置は完了しております。」


「それなら、行きましょう!あの子の武器を取りに!お母様が望んだ未来の為に!!」


「はい。共に参りましょう。運命を変える為に。我が創造主の願いのために!」



























拙い文章ですがここまで読んでいただきありがとうございます。


次回の展開もお楽しみ頂けるように頑張りますので


これからも応援のほどよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ