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坑道の街に巣食う者

主要登場人物


精霊都市 プレリュード


●ウル・フリューゲル

プレリュードの王女。光の魔力を持つ。少し弱気な性格の女の子。

●セレス・ウォーターベル

ウォーターベル家当主兼守護精霊統括。水と治癒の魔法を使うお姉さん気質の女性。

使用武器・・・水琉硝華という名の槍。

●ルージュ・スカーレット

スカーレット家当主、守護精霊の一人。火と身体強化の魔法を使う。

使用武器 ・・・焔と神楽、2本のレイピア。

●ヴェール・シルフィード

シルフィード家当主、守護精霊の一人。風の魔法を使う、誰に対しても喧嘩腰であるがウルに対しては甘々。

使用武器・・・深空霧塵、2本の短剣。

●シャル・クロノス、メア・クロノス

時の守護精霊、シャルが主に攻撃魔法を使い、メアが防御魔法を担当している。二人で守護精霊をしている。

●レイラ

宝物塔最上部に監禁されていた闇属性の魔力を持つもう一人の王女、ウルの姉にあたる。

●ミナト

時の神殿の守護を任されている魔法人形。レイラとは深い関係。謎が多い。


敵陣営

●ノエル

血と魂への干渉を行う魔法を使う上位の悪魔の一人。

●バルゴス

炎を扱う上位の悪魔の一人。






ここは別の空間。

そこでは様々な種類の動物たちが話していた。


《パスが繋がったようだな。》


《君は行くのかい?》


《当分は傍観かな。実力も知りたいし》


《全く、みんなパスが繋がったからってはしゃぎすぎじゃない?》


《そうかのぉ?皆、楽しみなのではないかの。》


《はぁ、一番楽しんでるのあんたじゃない。》


《いんや、ワシよりも先に出ていった方がおるようじゃけどな。》


《誰の話をして、、、って!えっ!?さっきまでいたのに!どこに行ったのよーーー!誰がここの管理するの!?あの方がここのトップなのに!精霊界の維持、大変なんだからー!》


《今は、クロスもアクアもおらんしな。》


《全く!どいつもこいつも勝手にして!!知らないんだから!!!!!》








ーーーーーー

時の神殿 最深部



《やぁ、キミがウルだね?僕はあれん。カタカナのアレンじゃなくてあれんね!よろしく!!僕、キミにずっと会いたかったんだ!!》


「え、えっと、あれんはどうやって出てきたの?」


《ん?ウルが呼んだんじゃないの?》


「召喚精霊界とのパスが繋がったからなのでしょうか?」


「ん?分かんね。俺はただ闇魔法の譲渡とマルファンクションから聞こえたパスを繋げてあげろってのを実行しただけだ。」


「声?どんなです?」


「女の人の声だったかな。ウルを含めた守護精霊は皆召喚魔法を使えるはずだから手助けをって」


「(まさか、マルファンクションを作ったのはあの人。だとしたらそんなことも可能なのでしょうか)経緯は分かりました。とりあえずここを出ましょう。」


《ちょーっと!待ったァ!!!!!》


「ん?」


《オイラのこと見たッスよね!?見えてたッスよね!?あれん様に気を取られてたにしろ、無視は辛いッスよ!!》


と、そこに立っていたのは特徴的な頭部に光る球体、姿は魚人のような佇まい。足元に微かに水が滴っていることを見たミハルたちは


「セレスのじゃね?」


「え、私ですの!?あ、あのあなたの名前は?」


《オイラ、エスカ!水の守護精霊、セレスの召還精霊、エスカっス!!》


「あ、うん。わかったわ。よろしくねエスカ。」


《あれあれあれーーー!?なんか反応薄くないっスか!?こんな見た目だから引いてるッスか!?オレっち悲しいッスよ。》


「ううん、違うのよ。そういう訳じゃないんだけどちょっとびっくりしちゃって。ごめんなさいね。」


「おい、アイツなんかうるさくね?」

「シッ!ミハル様、声が大きいですよ。聞こえちゃいますってば」


「ねーお兄ちゃんあの光ってるのなにかな?」

「知らん、ほら行くぞ。」


「ヴェール、どこいくの?」

「ミハルが出るっつってんだろ!行くぞ!」


《うぅ、オイラ、皆さんとも仲良くなりてぇッスよー!》


「わ、分かったから一旦出ましょ?エスカ。」


《セレスは優しいッスね!》


《ねぇ、ウルもっとたくさんお話しよ!!僕のこともキミの両親の話も!!》


「うん、でもあれん。とりあえず外に行きましょう。話はその後ね。」


《うん!!わかった!!》


初顔合わせのエスカとあれんを連れ、一同は神殿の外に向かうのであった。







ーーーーーーー

西に広がる、広大な土地にドワーフと呼ばれる者たちが暮らす街があった。



「酒だー!!酒をもってこーい!!」


「いいのかよ!毎日こんなどんちゃん騒ぎでよー!」


「人生楽しんだ者勝ちだろ!浴びるように酒飲んでまた明日頑張ればいいだけだろー!」


それもそうだなと賛同をもらい、夜が明けるまで騒ぎ尽くしていた。









深い坑道の奥深く


「あははは!馬鹿なドワーフ共、今日もあんなに騒いで飲んで食べてで自分たちの暮らしが崩れるのが怖くないのかしらね!」


「クカカカカ!あいつらは契約で縛っている裏切りも逃亡も出来るはずがない!使い物にならなくなるまで使い古してやろうじゃないか!」


「イイトオモウ。」


「まぁ、なんでもいいですけどね。私たちの駒として有意義に使われるだけの存在ならなんでも。」


「北の大地から異様な魔力を感じ取ったから近々戦いが起こるやもしれん。備えよ!リリス、アース!」


「はーい。任せてね。」「リョウカイシタ。ワガアルジサマ。」






ーーーーーーー


神殿から外に出たミハルたちは進む方向を決めている最中だった。


「西!!」


「いや、東だろ!!」


「ねぇ、お兄ちゃん。これいつまで続くの?」


「知らん。もうかれこれ30分は言い合い続けてるな、ミナトどうにかならないのか?」


「んー、あぁなると聞きませんからねミハル様は。」


「ヴェールもヴェールだと思うけどね。自分の担当が東だったから行きたいって。」


「ふふふ、どっちも子供みたいで可愛いじゃないですの。」


「「誰が子供だ!」」


《わぁ!息ピッタリだね!!》


《ほんとッスね。仲良いんスね。》


「もう!2人とも!いい加減にして!!私は西がいいと思う!以上!反論は??」


「っ!!姫さんの言うことには反論ないっす。」


「おっし!!じゃあ西なー。」


「さすがはウル様、いい感じになってきましたね。」


《ウルはすごい力を秘めてるんだ!当然だろ!!》


《ここであれん様がドヤ顔なのも面白いッスけどね。》


《エスカうるさい!それとお前はいつ帰るんだよ!》


《ええ!?オイラももう少し居たっていいじゃないッスか!今帰ったらフィン姐さんに怒られるッスよ!!!そういうあれん様は戻らないんでスか?》


《僕はもう戻らないよ、ウルとずっと一緒にいたいからね。》


《え、じゃあ誰が精霊界維持するんスか?》


《んー、フィンでも誰でも出来るよ、常に一体はいるだけでいいんだから。》


《あー、多分バチ切れッスね。それは。》


「ほらそこ!話してないでさっさと行くぞー!ルージュ!ここからだとドワーフの街はどれくらいだ?」


「あ、えっと。走って二日だから歩いてだと五日くらいかな。」


「五日ね。」


と言いチラッとミナトに視線を送る。


「五日ならギリですね。道中にあるもので賄っていくしかないと思いますが。」


「なんの話?」


「食糧。」


「あ!ご飯!!忘れてた。」


「レイラ様の家から持ってきた物が五日くらいはありますので今回の旅は大丈夫ですよ。」


「この島って魔石にならない魔物はいるのか?」


「魔法を扱わない魔物は基本食べられますが、数はだいぶ少ないと思いますよ。今から向かう西の大地は多いと思いますが。」


「それなら向かいながら調達すりゃいいか。」


「あ、ところでさ。なんで西に向かうんだ?」


「え!?ヴェールそんなことも知らないで言い合いしてたの!?馬鹿なの!?説明聞いてなかったんだ、驚き。」


「えっと、もう一度説明しますと、プレリュードを再建するためには失われた三つの核魔石が必要になります。それが西、東、南に散っている状態なのです。それを回収するためにどこに向かうかの話になってました。」


「あーそういう事ね。」


「はっ、やっぱり脳筋は脳筋だった。」


「うるせー!さっさといくぞ!」


歩き始めて三日目のお昼、道中ミハルがルージュ、セレス、ヴェールの鍛錬に付き合い、他の三人は魔力の鍛錬に勤しんでいた。そしてプレリュードを遠目に横切りながら少し緑の映える平地を進む一行は一人の声に足を止める。


「ミハル様、前方数メートル先に魔物の反応ありです。数は。」


「細かいのが数十体に大きいのが三体。だよね?ミナト。」


「正解です。メア様、探知が上手くなりましたね。」


「これでも時の守護精霊を任されてるからこれくらいは当然よ!」


「誰行くー?旅し始めて初めての接敵だけど、行きたい人ー?」


「俺!俺!俺!!!」


「はい、ヴェールね。後は?」


《ウル!行かないの!?》


「え、私はまだいいよ。強くないし。」


「私も出ていいかな?」


「おっし!行ってこい!ルージュ!」


「目視での敵を確認!ゴブリン二十体にサンドワームを確認!」


「こんな所にゴブリンなんていたかしら?」


「まぁいい!!かかって来やがれだ!!」


身体強化(ファースト・ヒート)!」


「ルージュ!デカいのは任せろ!小さいのは任せたぞ!!」


「ええ、任せなさい!!」







そして、二人でものの数分で全滅させた。



「すげぇじゃん、魔法もほぼ使わずに。」


「ったり前だろ!!」


「ふう、ミハル以外の相手だと物足りないね。」


「この辺でお昼にしましょうか。」


そういいミナトは空間魔法にしまっていた材料を出し始める。


「私も手伝いますわ。」


「ありがとうございます。セレス様。」


「じゃあできるまで手合わせするやつー!」


「はいはいはい!!俺!俺!」


「って思ったけど、今日は魔法系を使う精霊の特訓しようかな。」


ガーンと効果音が聞こえてきそうなくらい落ち込むヴェール。


「魔力の維持と強化は日々の鍛錬でやってると思うけど、今一度誰が何をできるか確認しておこうと思うんだ。いいか?シャル、メア、ウルにそこの召喚精霊二匹!」


《オイラたちもッスか?》


《いいよ!あ、そうだ、守護精霊は自身の得意とする魔法を使い数多くの魔法を扱うんだけど、僕ら召喚精霊は信念に則って使える魔法が違うんだ。例えば僕は具現化を得意としているからこんな風に!》


そう言って周りにいつもウルが練習に使っている光の矢を出してみせる。


《僕は光に特化した具現化の魔法。って感じで各召喚精霊にはその者にしか使えない魔法があるんだけど、エスカはなんなの?》


《オイラもわかんねぇんスよ。なんかこう、使ってる感はあるんスけどそれがなんなのかさっぱりで。》


「セレスの召喚精霊なら水出すとか?だとしてもそれだけだと弱いか。なぁ!セレス!!試したいことあるから水くれ!」


「え?水!?わ、分かりましたわ。水面を築け。」


ミハルとエスカの周りに広く水場が広がっていく。


「ん?魔力反応だ。エスカから。」


《まじっスか!?》


「使う相手を指定してみたらどうかな?」


《じゃあ、あそこで落ち込んでるヴェールに!!》


「ぐうぇ!!」


ヴェールの情けない声が聞こえたと同時に地面に叩きつけられる。


「やめろや!!!」


「あ、自力で抜け出した。」


「シャルこれはなんの魔法だ?俺は見たことない。」


「んー、見た感じだと重力魔法だとは思うが、なんの質量を相手に与えてるのかが分からねぇ。」


皆が悩む中、ウルが何かをひらめき声を出す。


「もしかしたらなんだけど、水の質量を相手に与えているんじゃない?」


「それかもしれないな!エスカ!もう一度やってみてくれ!」


《了解ッス!!よいしょっと。ってあれ??》


「今度はなんも起きないな。条件があるのか?」


そこに食事の支度を終えたミナトとセレスがやってきて


「セレス様の発生させる水の中に限定されているのではないでしょうか?」


「じゃあ質量が多ければ多いほど相手にかけられる質量は多くなるってことか。 」


「すごいわ!エスカ!!」


《オイラ凄いッスか!?やったッス!!》


パンッ!と手を叩く音にビクッとする面々が音のなる方を振り向く。


「皆さん、ご飯ですよ!その辺にしてください!」


はーいとミハルたちは楽しそうに食事をした。













ーーーーーー


「あそこがドワーフの街ですよ。どうしますか?こんな大人数で行けば何かしらの問題になると思いますが。」


「うーん。けど、大きな魔力の反応は地下にあるみたいだし強行突破ってのも手だけどな。」


《少人数に分けて入口探すかとは?》


「あれん!それいいアイディアかもしれない!そうしない?ミハル。」


「いいな!それ!迷ったら行動!だもんな!!おっし!俺はウル、ミナトそれにあれんと行くぜ。」


「なら、俺たちは二人で行くぞ、メア。」


「え、あ、うん。分かったお兄ちゃん。みんな頑張ってねぇ。」


「じゃあ俺は。」


「私たちと一緒に行きますのよ!ヴェール!!」


「はぁ!?なんでだよ!」


「なんでってあなたが一番問題起こしそうじゃない。」


「ぐぬぬぬ、ちっ、わーったよ!」


「じゃあ各々、地下で会おう。ヘマすんじゃねーぞ!」


「「分かってる!!」」


ミハル、ミナト、ウル、あれんの四人は正面入口から

セレス、ルージュ、ヴェールはドワーフの街の西側から

シャル、メアは独自の方法で街への潜入に開始した。


ミハルたちが正面から入るやいなや


「ようこそ!!坑道の街ドワルフへ!!!お兄さん達旅人かい?ここは昼でも夜でもお祭り騒ぎ!いつでも誰でも無礼講!楽しんでってなー!!」


「あ、ありがとう。無礼講なら質問いいかな?」


「なんだいお兄さん!なんでも答えちゃうぜ!!おっとそれにしても可愛いお嬢さんだね!!俺らと一杯どうだい?それにしても犬連れなんて珍しいなぁ!!」


「あれん。しっ!声出しちゃダメよ。」


「わん!!《分かってるよウル。》」


「(え、頭の中に声が。)」


「わん!《精霊以外には聞こえないように念話で話すね。》」


「それで質問なんだが、ここは坑道が有名だと聞いてきたんだが一番大きい坑道はどこにあるんだ?」


「それなら街の裏手側にあるのがいいんじゃないかな!あそこが入口も中も一番デケェからな!!」


「ありがとう。街を見ながら向かうとするよ!!」


「ま、まって。ミハル、ミナトくん。あれ、あ、あれって。」


ウルが震えた声で二人の服の袖を掴む。


「ん?どうした?」


「気づいちゃいましたか。」


「あの、この街のみんなの服や店にある石って。もしかして精霊石じゃ。」


「精霊石?」


「はい。隠していても仕方ないので言います。あれは精霊石で間違いないです。」


「だから精霊石ってなんなんだよ。」


「ミハル様は知らなかったですね。精霊石は精霊が命を落とす時次世代の精霊を生み出すために自らの魔力を石として変換する最終手段みたいなものです。その石には魔力か宿っていてプレリュードでも少なからず都市の運営に使っていたと思います。私たちが取り返そうとしている核魔石も精霊石と同様にとてつもない魔力を秘めた精霊石で都市の運営には欠かせないものなのです。」


「それをアイツらはなんで持ってる。」


「プレリュードが攻め込まれた時に殺した精霊から奪ったのだと思います。精霊の魔力は数年やそこらで消えるような魔力量ではないので今でも保たれているのだと思います。」


「許せない。私たち、この人たちに何もしてないのに。みんなの声が聞こえるの。助けてってこんな所は嫌だって。」


「っ!(精霊石から精霊の声が聞こえるなんてやはりウル様は。王の気質があるのですね。)」


「私決めた!他にもこの子たちのように苦しんでる子がいるなら助けたい!それがたとえ、他種族を傷付けることになったとしても!わたしは!!」


「わん!《ウル!わかったからあまり大きな声はダメだよ。》」


「はっ!!ごめんなさい。」


「じゃあいくぞー」


「はい。行きましょう。(他の皆様も気付くと思いますが大丈夫なのでしょうか。特に風の守護精霊様は。)」






ーーーーーー


「おい!」


「…。」


「おいってば!」


「なによ、うるさいんだけど。」


「あれ、精霊石だろ。」


「「っ!!!」」


「んだよ、びくって。」


「気付いてましたのね。ヴェールも」


「そりゃ気付くだろ、あんだけ堂々と付けて使ってりゃ。」


「怒りませんの?」


「あ?キレるに決まってんだろ。お前らもそうだろうがよ。」


「そうだよ。怒ってる。あんなの許せない。」


「けど、今ここで事を起こすのは違うってのは分かりますわ。」


「俺もそーだよ。けど、イライラすっけど、今じゃねーのだけは分かる。」


「おー!ヴェールが偉くなってる!すごーい!」


「馬鹿にしてんだろその言い方は!おい!さっさと行くぞ!バカ女共!!」


「誰のことですの?それは」


「あー、怒らせちゃいけないの怒らせちゃったね。あははっ」





ーーーーーー


「ねぇ、お兄ちゃん。あれってさ。」


「そうだな。そんなことより行くぞ。重い魔力が濃くなってきてる。」


「そうだけどー、あれ精霊石でしょ。ヴェールたち大丈夫かな?」


「大丈夫だろ、こんな街中で暴れるような馬鹿じゃ、ないと思うんだから。」


「そこはハッキリ馬鹿じゃないって言ってあげなよ。」


「行くぞ!!」


「はーい。素直じゃないなぁお兄ちゃんは。」


そう言い、進み。各班は各々坑道への入口を見つけ侵入して行った。





ーーーーーー

坑道内部



「暗いなー。」


「さっきから低級の悪魔がちょこちょこ出てきますが見回り役とかでしょうか?」


《ウルの練習台になるから嬉しいけどね!》


「私上手くできてるかな?」


《うん!完璧!!もっと自信もっていいと思うよ!!》


「ミハル様、ここ先程も通りませんでしたか?」


そのミナトの声に周りを見渡す二人。


「そうか?」


《そうなの?僕わかんないな。》


「気のせいだといいんですが、一応警戒を。」



その異変はシャル、メアとセレスたちも同様の違和感を感じていた。


「戦闘音。どこからだ。」


「お兄ちゃん、この道なんか変だよ。」


「みんなを探すぞ!行くぞっ。」


「うん!!」




「ちっ、さっきから雑魚ばっか。どうなってやがんだ!」


「…。」


「セレス?どうかしたの?」


「さっきから進んでいるはずなのに、下に感じる大きな魔力が遠ざかっている気がする。」


「っ!?!?」


後ろに気配を感じたルージュが勢いよく振り向くが誰もおらず


「んだよ!この変な感じは!」


「ハハハ、コレオレノマホウダ。」


「誰!!」


セレスが振り向いた先にいたのは黒いモヤのかかった背の低いなにかだった。


「ハハハ。オマエタチハココカラニガサナイ。」


そう聞こえた瞬間、黒いモヤが遠くに見え、土の柱が何本も入り組み深い坑道を作り出していた。


「無から有を生み出す魔法!?」


「まだわかんねぇ、幻覚系かもしれねぇ!とりあえず戦闘準備!」


「ストーンエッジ。」


「セレス!防御!!」


氷の双璧(アイスウォール)!」


「この!!」


「っ!また遠くに!!」


「んー。あっ!いいこと思いついた!二人とも!時間稼いで下さるかしら?」


「なんだかわかんねぇが、やるぞ!!」


「母なる大地よ、聖善なる星々よ。今ここに集いて我が力となり、眼前なる敵を討ち滅ぼす、蒼き海となせ!生み広がる大海よ、その暴力的な質量にその身を滅ぼせ!!」


「ン??」


「おい、待て、何する気だ!?」


「ちょっ、ちょっと!セレス!?」


「昔聞きましたの、創造系も幻覚系も大量の魔力と集中力を要するって!だから集中も出来ないくらいの圧倒的な水で押し流せばいいってね!!」


「おい!ルージュ!あのバカ女を止めろ!!」


「わー!!セレス!!ダメダメダメ!!やめてぇぇぇ!!!」


「大海原!!」


大量の水が坑道に溢れ、壁や道を壊し押し流していく。





ゴゴゴゴゴゴゴゴ


「ん?なんの音だ?」


「ミハル!横!!」


そう言い、ミハルを押し倒すウルに被さるようにあれんとミナトが助けに入ると横の壁が大きく崩壊し水が流れ込んでくる。



「きゃあああ!!」


「何事!?」


そこに立っていたのはふぅと息をつくセレスに地面にへばりつくルージュとヴェールの姿だった。


「おまえら!!なにしてんだよ!」


「あら、ミハル。ようやく会えましたわね。」


「ごほっ、ごほっ。」


「大きい音がしたがなにがあった?」


「あ!ミハル!それにウル様たち!!」


そこに合流したのは大きな音の方へ走ってきたシャルとメア。



「少しばかり、厄介な相手でしたので強引に抜け出してきましたの。」


「おい!!バカ女!!死んだらどうすんだよ!!」


「あら、生きてるのだからいいじゃありませんの。ヴェール。」


「それで抜け出してきたってのは?坑道に入ってからの異常と関係しているのか?」


「ええ、創造系の魔法を使う相手の術中にいましたの。それを質量の暴力で無理矢理こじ開けさせてもらいましたわ。」


すると広い洞窟の奥から笑い声が聞こえる。


「はははは!まさか、水の質量攻撃で私の魔法から抜け出されてしまうとは驚きも驚き。いやはやビックリしたよ。精霊諸君。」


「あれが?」


「ええ、先程とは姿形が違いますけれどね。」


「久しぶりに楽しめそうだ。お前たちに真の姿を見せてやろう。これが私、地の悪魔。アース!アースガランドだ!!」


そう言うと黒いモヤが晴れ、精霊の中でも一番大きいシャルの数倍はある大きさの姿に変貌し、両手には土で出来た槍を携えた土の巨人のような姿になった。


「構えろよ、おまえら!!久々の強敵だ!!」


「おう!!」


「先攻は、私が!氷柱槍撃(アイシクルランス)!」


「ふん!効かぬわ。」


アースは槍を地面に突き刺し魔法を放つ


大地壊割(アースクエイク)!!」


地面が大きく損壊し、突き出た岩の棘によりその場にいた精霊は皆、吹き飛ばされ怪我を負った。


「くそっ、なんだ今のは。」


「地属性の広範囲魔法です!セレス様!!回復を!!」


「ええ!虹の癒し手(オーロラヒール)!!」


「ストーンエッジ!!」


「メア!!」


「はい!お兄様!防護(プロテクション)障壁(ウォール)!!!」


「防御結界か。目障りな!!」


槍を持ち上げメアに突き立てる。


「時の黎明鏡!!」


その障壁に槍が当たると同時に大きく弾かれ腕が損壊する。


「反撃術式の織り込まれた防護障壁だと!?」


「メア。それは。くっ!」


「(お兄ちゃん、ここは任せて)」


「ミハル!!作戦があるこっちに来てくれ!!」


「ああ!」


「なら、俺らは時間を稼ぐぞ!!」


「言われなくても!!」


《ウル!僕たちも、できることをしよう!》


「はい!練習の成果を見せてあげよ!!」


「小賢しい小娘が!!」


腕の振り回しがウルに向かうがウルが放った矢がアースの腕を吹き飛ばす。


「光の魔法属性!?厄介だ!!まずは貴様から!!」


「こっちよ!!!デカいの!!」


「っ!!!」


「時の黎明鏡!!」


「こやつ、また!!」


「てめーの相手はそっちだけじゃねぇぞっ!!エアリアルブレード!!」


「ちっ!目障りな!!」


「神楽、第一説!|不知火!!」


ヴェールに向けられた攻撃をルージュが弾く。






「シャル!!それで作戦ってのは?」


「よく聞け、メアが使ったあの魔法はもしかしたら一発逆転を狙える可能性がある。そして今回はメアに全てを託して欲しい。これは兄だからという願いではなくメアも役に立ちたいという願いからだ。あの子は皆とは違い防御系の魔法や補助の魔法しか扱えない。だが俺は知っているあいつは努力しなんでもこなせる妹だと!だから頼む!!」


「いいぞ別に。」


「なっ、いいのかそんな簡単に。」


「俺はお前たちの稽古も見てきた。だからじゃないが、お前たちのことは信頼してるぞ、お前たちというよりお前が俺を信用しているかどうかは置いといて。だからメアに今回は託すよ。んなことより俺らは何をすればいい?」


「は、警戒し続けたのは俺だけか。やって欲しいことは、まずは攻撃役を絞ること、それからメアは皆の防御にはもう入れないのを視野に入れること、だからウル姫様の守りをお願いしたい。そして俺、ミハルは遊撃隊として動いてほしいんだ。いけるか?」


「んー、その辺は俺に任せてくれるってことでいいのか?」


「ああ、頼む!」


「そいじゃあ、アースってのを攻略といきますか!!」


「もう、作戦が?」


「任せとけって!!」


そう言い、ウルたちのいる方へかけて行く。


「お兄ちゃん、ごめんね。ワガママだったよね?」


「気にするな。お前はお前のできることをやるんだ。いいね?」


「ええ、任せて!!」




「おーい!!セレス!!こっちに来てウルを守ってやってくれ!!」


「ええ、分かりましたわ!!じゃあ二人とも後は任せましたわよ!!原点回復(リアクティブヒール)!」


「ヴェール!ルージュ!ウル!お前たちはそのまま攻撃続行!!セレス、お前と俺、ミナト、シャルはみんなの動きを見つつウルを守り、みんなの援護だ!!」


「「はい!!」」



「なにやら、策を講じたようだが関係あるまいて!」


両手の槍を地面に突き立てる。


「ミハル様!!広範囲魔法来ます!!」


「セレス!!ここだけでも守れ!!」


「ヴェール、ルージュは何とかしてくださいな!水面を築け!!エスカ!!頼みましたわよ!!」


《了解っス!!重力力場(グラビティフィールド)っス!!》


地面がせり上るのを重力魔法で防いだ。


「ミナト!」


「槍を地面に突き立てる動作が発動条件だと思います!」


「くっ、痛ってぇ!けど傷が、回復している?」


「セレス何をした!?」


「リアクティブヒールですわ。損傷の70%を傷を受けたと同時に回復する特殊回復魔法ですわ。それでも今ので効果が切れそうですけどね。」


「なら、継続(ハートビート)回復(ヒーリング)!これで戦闘は続けられるだろう!!」


「ありがてぇ!」


「面倒くさい!!」


「時の黎明鏡!!(これで三回目!!)」


「ちっ!ちょろちょろと!」


「メア!!」


「待ってお兄ちゃん!あともう一回は受けときたい!」


「おい!さっきからだいぶ砕いたりしているのに何故効いていなさそうなんだよ!!」


「悪魔には悪魔核というのが存在しています!それを破壊しない限りは倒すことは出来ないでしょう。」


「んで!?それはどこにある!」


「大体は頭か心臓付近にあると思われます」


「了解。」


「それがわかったところでなんになる。」


再び両手の槍を地面に突き立てる。


「広範囲魔法来ます!!」


「エスカ!!」


《反動が大きすぎてまだ無理ッス、すまねぇッス。》


「っ。(どうすれば。)間に合いませんわ!」


「みんなーーーーー!!!飛んで!!!!」


「っ!!!」


「飛べ!!おまえら!!」


「アースクエイク!!」


「飛んだわいいもののこのままじゃ格好の的じゃねぇか!」


「まず一人。」


「天命の御鏡!!それを足場に!!」


地をひっくり返す魔法を避けるための回避行動をした精霊たちの足元に薄ら光る魔法陣が浮かび上がりそこに着地する。


「なにっ!」


「こりゃ、いい!!残念だったな!デカブツ!!」


「ぐっ!!」


ヴェールとルージュが両腕に攻撃を当て切り落とす。


天命の御鏡。時魔法の一種である障壁魔法を空中に平面に設置することで空を飛べない精霊たちでも空中戦が可能となる。


「やはり、面倒だな。あの障壁の女は!!」


「やばっ、魔法の後隙を!」


「メア!!」


「プロテクションウォール!!」


メアに当たる直前の槍が上方向へ逸れる。


「ミナト!?」


「大丈夫ですか?メア様。サポートはお任せ下さい。」


「くっ、ならば!スクワッドストーンフォールン!!」


「あいつ!ウルとメアを!!」


「大丈夫!任せて!!ミハルに貰った闇属性と時空魔法をかけあわせて!!ディスペルマジック!!」


メアがそう叫んだ瞬間、アースの放った魔法が跡形もなく消える。


「くそが!!!」


「時の黎明鏡!!」


「四回目!!ミハル!!準備しろ!!」


「っ!!ルージュ!援護を頼む!メアが道を開く!ヴェールお前に決めさせてやるからミスるんじゃねーぞ!」


「なにを企んでいる?だが貴様らの攻撃では私の装甲は敗れぬ!!」


「セレス!!足を狙え!!フォースステップ!!」


ミハル以外の精霊の身体が虹色に輝き出す。


「水面を築け!!水琉硝華!第一幕、水面切り!!」


「行くよ!神楽!!慈悲なる煉獄の宴!!」


セレスが足を、ルージュが上から攻撃を仕掛ける。


「これは、シャル!お前にだ!!サンダーフォース!!」


「っ!!ありがたい!!母なる大地よ、聖善なる星々よ今ここに集いて我が力となり眼前なる敵を討ち滅ぼす、雷となれ!!」


《ウル!間合いを見て!今はまだ構えていてね!》


「うん!!」


「みんな、ありがとう!時の守護精霊、メア・クロノスが命じる。時を留め、受けた痛みを我が宿敵に!貴方の時間もここでお終い!!!お兄ちゃーーーん!!!」


雷撃の波動(サンダークロイザス)!」


「上か!!」


頭上でバチバチと雷が広がり落ちてくるのを両手で受け止めるアース。


「ここだ!!お前の時間はここで終いだ!!」


シャルが宙に円を描くとそこからメアが飛び出してくる。


「時の黎明鏡で溜めたダメージを一点に!!明鏡止水!!」


「ぐわぁぁぁぁぁあ!!」


胸の辺りが消し飛び、中から宝玉のような物が飛び出す。


「あれか!!」


その様子を見たヴェールが飛び出す。


「させぬ!!!!」


残った二本の腕で全力で止めにかかる。


「今が好機!何もさせない!!影縫焔!!」


「同じくです!アストラルバインド!!」


ルージュの影から黒い糸が伸び、ミナトが光の蔓で腕を止める。


「いけ!!ヴェール!!」


だが掴まれたと同時に槍をヴェール目掛けて投げる。


《ウル!!》


「ええ!!行って!!」


ウルの放った矢はアースの槍に当たり消し飛ばす。


「姫さんナイスだ!!深空霧塵!(つむじかぜ)!!」


「精、霊ごとき、が。このわた、しを!だが俺を倒したくらいで喜ぶなよ。まだ俺より強い者たちは、ごまんといる。この戦いを始めたことを後悔するがいい。」


アースは消え去り。精霊たちは勝利を収めた。


「よっしゃぁぁ!!」


「やりましたわね!」


「すげーな!さっきの!メア!!」


「えへへ、ありがとー。すっごく疲れたけど。あ、お兄ちゃん。」


「よくやったな。メア。」


「うん!!」


「けど、気ぃ引き締めろよ。あいつも言っていたがまだ始まったばかりだ。この奥にやつがいるぞ。」


「ええ、あの時の仮は倍にして返してあげないとね。」


「じゃあ、ちょい休憩して行くか!!」


「おう!!」


ミハルたちは奥に続く、道を歩き大扉の前に着くのだった。























































拙い文章ですがここまで読んでいただきありがとうございます。


次回の展開もお楽しみ頂けるように頑張りますので


これからも応援のほどよろしくお願いします。

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