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世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる  作者: 白崎奏
3章 VTuberの開花

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第89話 冬休み明けの始業式と転校生

「眠いなあ」


神威の森をクリアした夜の次の日、今日から学校だった。

1日挟んだとはいえ、まだ冬休み気分は抜けず眠いままだ。


朝からやってくる夜音も凄く眠そうだ。

それもそのはず、彼女は昨日何かの大会の実況をしていたらしい。

俺も詳しくは知らないが1日中やっていたらしく疲労は溜まっているだろう。


「おはよ~」


彼女はそう言って席に座ってご飯を食べる。


「いただきます」


「いただきます」


俺も彼女に続いてご飯を食べ始める。



「夜音、今日の用意は終わってるか?」


「あ、うん。」


「課題は?」


「えっと………………大体は」


「帰ったらやろうか」


「はい………………」


まあいつも通りのような会話が続きながら朝を過ごす。

年が変わっても変わらぬ日常だった。






だが、学校では違った。


「なあなあ、神威討伐者増えたらしぜ?」


「え?まじww?」


「白海ネスイらしいぜ」


「聞いた事ある人だ」



クラスにも一定数AFGをプレイしている人がいる。

そういう人からすれば神威の森クリア者というのは相当な衝撃らしい。



そして、白海ネスイというワードに別の人達も集まる。


「俺も見たぜ!あれってすごいの?」


「めちゃくちゃやばい。まじでえぐいよ」


白海ネスイを推している人まで会話に参加し始める。

おかげでクラスは一種のブームとして確立してしまった。



まあ嬉しい限りなんだが、その視聴者の声が直接届くと何か恥ずかしくなる。


ずっと窓から外の風景を眺めていたのだが、

ふと前の席を見ると、夜音がニヤニヤしながらこっちを見ていた。


「何?」


「ふふ、ネスイも人気だねえ」


めちゃくちゃ何か言いたげな様子だった。

けれどこんなとこで言い返して

身バレしても嫌だから抑える。


「今度ホラゲー配信だからな」


そう俺はボソッとつぶやいた。




そんなこんなで始まった1日目。

何も起きなかったわけではなかった。



「さて、このクラスに転校生が来るぞ~~」


そう先生が言って、クラスがざわめいた。



「入ってこい」


「あ、えっと…橘 美玲(たちばなみれい)です。」



めっちゃ美少女だった。

ロングヘアの黒髪に、小柄、そしてあふれ出る清楚感。


もうクラスの人気者だった。


「えっと、趣味はゲームです。よろしくお願いします」



先生にも少し紹介が挟まり、そのまま席に着いて行った。




まあ正直美少女とか無縁すぎて逆に何も思わない。

だが、前に座る夜音は何か見覚えがあるかのような顔をしていた。

いや、なんでここに?という感じが正しいかもしれない。


まあ、人それぞれ事情はあるしいいか。





けれど、その美少女に俺も縁があったのか?

休み時間真っ先に話しかけに来た。


「ねえねえ、私の事分かる?」


え?

なんか怖い。

これで分からないとか言って彼女を傷つけたくもない。

けれど本当に誰だか分からない。



でも、声だけは聞いたことある気がしなくもない。


「ごめん、分かんない」


「そっか~残念」


そう言って席に戻って行った。

一体なんだったんだろう。


その後は何もなかったかのように始業式は終わった。

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「なあ、あの転校生に見覚えあるの?」


「え!?なんで?」


「いや、見たことある顔してたし、たぶん夜音は知っている人なのかなって」


家に帰って、真っ先に俺は彼女に聞いた。

俺も謎に絡まれたし何か彼女繋がりで何かあるのかもしれない。


「いや~、見たことある気がするんだけど思い出せないんだよね」


何かを隠しているかのような口調だった。


「ふーん」


まあ、あんまり深堀はしないでおこう。





「あ、そういえばさ。またコラボしたいんだけど」


「え?なになに!?もう私とコラボしたくなっちゃったの?」


「ホラゲー配信第二弾」


「あ、止めときます」


「おい」



ちなみにひなにはマネージャーから話を付けている。


まあ前回チュートリアルで終わったし、次は1章やってもらうか………………









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