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世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる  作者: 白崎奏
3章 VTuberの開花

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第79話 年越しはあいつと

「はあ、そろそろ終わりますか」


ー手元えぐいな

ー思ったよりきもかった

ー弾避けるやつ見たかったな

ーあれって避けてんの!?

ーえ、初耳


「あ、そういやそれ見せてないな。また手元やるか」


手元出してやりたいけど、実写はなんか怖いな。

また3D配信準備したときにやろうか。


「さて、まあ次の配信は未定かな?」


まだ決まってないし、何しようかな?

やっぱさっき提案されたやつを候補にあげよっかな。


マネージャーに相談しよ…。


「そういやなんかしてほしい企画あったらまた教えて」


どうせマネージャーに相談するなら今いっぱい案を出しといた方が良い。

視聴者を頼りにするのは良くないけれど需要を知るのは必要だ。



「というわけで、お疲れ様!おつねす!」


ーおつねす~!

ーお疲れ様!

ー面白かった

ー3Dデビュおめ!

ー次はホラゲー配信期待

ー手元すごかった!

ーおつねす

ーおつねす!





「これで、終わり…かな?」


「おっけーです。お疲れ様です!」


スタッフさんが配信などを手伝ってくれたから手際も良くてやりやすかった。


「皆さん、ありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします!」


しっかり感謝を述べて礼をする。

こういうのは赤の他人だとしても大切だ。


「さて、ネスイは帰るんだっけ?」


ずっと配信を見てくれた岩佐さんが声をかけてくれた。


「そうですね。年越しは家で過ごそうかと」


「ふーん………」


彼女はすっごい何か言いたげな目でこっちを見ている。


「どうかしました?」


「え、いやプリームも一緒に家に居るんだよね~って」


「え?あ、知ってるんですか」


もう少し声を小さくしてと周りを見たが、誰も居なかった。


「そりゃあ。プリームとは長い付き合いだから。」


「そ、そうですか」


まあ、これなら相談相手が増えるっていう奴だ。

まだ頼りがいのある人が増えるのはいい事だろう。


「彼女の嫌がらない程度によろしく頼むよ~?」


は?


「あ、いや、別にそういう感情は…」


「まあまあ、落ち着け少年。ほどほどにな」


そう言って彼女は部屋を出て行った。


頼りがいは無さそうだ。




--------------------------------------------------------------

外を出ると夜は街頭と、年明け前の人の声で埋まっている。

上を見ると、少し雪が降ってきている。


「さっむ…」


流石に寒すぎる。

つい最近まで暑すぎて外にも出たくなかったのに、

今は寒すぎて外に出たくない。


半年というのはあっという間だ。


「早く帰らないと……」


そう思って少し駆け足で駅に向かう。


ちょうど改札を越えた先に、見たことのある人が居た。


「海斗!早く一緒に帰ろ!」


「ん?夜音?」


夜音は俺に手を振っていた。

どうやらずっと待っていたようだった。


「3D配信良かったよ!面白かった!」


ちょ、ちょっと声を落としてくれ…。

こんなとこで身バレするのは絶対に嫌だ。


「そうか。でも無理に来なくても良かったのに。」


「だって、1人は寂しいもん」


「そう。」


まあ、たまにはこういうのもありか。

結局彼女にはまだ頼ってしまう部分も大きい。

まだ俺は自立というものが出来ていないかもしれない。


でも、夜音にされるくらいなら………


「はあ、彼女が欲しい」


めちゃくちゃ欲しいわけではないけれど、

幼馴染にされるくらいならちゃんとした関係の人を作りたい。


「はあ……」


その声を聴いた彼女は呆れたかのようなため息をついた。


「私が居るじゃん」


こいつ何言ってんだ。

顔を赤くして恥ずかしそうに…。


「いや、別にお前は幼馴染じゃん。彼女じゃないでしょ」


「もういい!」


彼女はちょっと怒ってる。

何がそんなに怒らせたのか今の俺には分からないや。


--------------------------------------------------------------

不機嫌な彼女の後ろをてくてくと歩き、家に着いた。

不機嫌なくせに、俺の家に帰ろうとするあたりがちょっと面白い。


というか、お前の配信機材をこっちに持ってきたらもうお前の家要らないんじゃないか………………

っていう言葉をぐっと我慢する。


夜音にはスペアキーを渡しているので何もなかったかのように俺の家に入ってく。

この光景は昔から見ているのであんまり何も思わないが、

今考えると世間的によくない光景ではある。


「はあ、自分の家に帰ったらどうだ?」


別に追い出したいわけじゃなく、ただの疑問だ。


「え、いやこっちの家の方が落ち着く」


は、はあ……


「まあよく分からんけどまあいいや。」



こういったいつも通り光景で年越せるのはある意味幸運かもしれない。



そのまま二人で日常的に、年を越した。


「あけおめ」


年を越して、一発目は夜音に言った。


のだが……


「寝てるのかよ…」


横を見ると、スマホ片手に彼女は寝ていた。

無理に起こすのもどうかと思い、そのままソファに寝かせた。

彼女の寝顔はいつ見ても綺麗で悔しい。


「今年もよろしくな…夜音」


そう言って俺は寝室で寝た。





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