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世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる  作者: 白崎奏
3章 VTuberの開花

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第75話 年越し配信準備

俺は今HESKAL本社に居る。

ここに来るにはとあるわけがあった。


以前、案件について打ち合わせをした日、

帰り道にマネージャーさんに

「そろそろ3D配信とか挑戦してみたいな」

そう呟いていたのだ。


もちろんマネージャーさんに聞かせるつもりもなかったのだが、耳には入ったようだった。



そして2日前、


《年越し配信を3Dでやりませんか?》


まさかの唐突で、びっくりした。





ということで今本社に居るわけだ。

一通りの資料と打ち合わせは済ませたので、ついに本番というわけだが…


(どんな感じなんだろ)


結局は身で感じないと分からないものだ。





今回行うところはHESKAL本社の中でもスタジオ部屋らしい。

案外ここのオフィスは広い。

初めてきたときはあまり見ていなかったけれど、歌ってみたとかそういうための部屋もある。

その中の一つに3D配信用のスタジオがあるということだ。


部屋のドアを恐る恐る開けてみると、大人の人がたくさんいた。

誰が誰なのか分からないので、辺りをきょろきょろしてマネージャーを見つける。


「岩佐さん。こんにちは」


「あ、ネスイ。こんにちは。今日は調子どう?」


「まあまあですね」


可もなく不可もなくと言ったところだ。


とりあえずマネージャーの岩佐さんに連れられて偉い方に挨拶を交わしていく。


「どうも。ネスイ、この方がHESKAL社長の 泉 琴葉さんだよ」


「あ、えっと…白海ネスイです。いつもお世話になってます…」


「いやいや、HESKALの期待の星なんだから。

 こっちがお世話になってるよ!今日も頑張って!」


「あ、えっとありがとうございます。」


社長はロングヘアで眼鏡をかけている。

第1印象は何と言うか自由気ままな感じがする。





「さて、じゃあ早速だけど配信の確認とかから始めよっか」


「はい」


俺はそうして社長さんと意見を交わした。


まず配信は主にスポーツゲーム配信だ。

そして年越し配信の1時間前くらいに終わる。


まあ実際は年越し配信ではないのだが、年越す瞬間くらいは視聴者も個人の時間を大切にしてほしい。


そしてスポーツゲームとかは俺におまかせらしい。

部屋は最少人数で対応する形だ。


「あ、そうだ。もし最悪時間が余った用に1つ助言を教えよう」


「え?そんなのあるんですか!?」


俺の耳で社長さんはひそひそと囁いた。


「え!?えっと…良いんですか?」


「最悪ね。あっちも喜ぶよ」


「そ、そうですか」


たぶん使いそうだ。


------------------------------------------------------------------

とりあえずざっくりとした打ち合わせも終わった。

一応打ち合わせはいつもより慎重に行った。

何しろたくさんの人が関わってるし、失敗したくない。


打ち合わせを終えて、いよいよ3D化を試しに行ってみる。


特に専用の機械を付けたりするわけでもなくボタン1つで変えられるらしい。

いっぱい機械を付けるのかと思ってた。


1プレイだけスポーツゲームをやってみる。

やるのはただ走るだけだ。


ゲーム専用の機器を足と手に付けてやってみる。

あんまり足は速くないので、モードは一番簡単で。


よーいスタートと同時に全力で足と手を動かす。


「しんど!」


なんとか1位を取れたが、一番簡単でも結構な難易度のようだ。


「わ~ネスイは相変わらず凄いですね」


と、横で見ていた岩佐さんがおっしゃった。

そうだ他の人も居る中でやってたんだった。


「いやいや、簡単なモードでこれなのでもっと頑張らないと」




配信開始まであと30分。

とりあえずギリギリまで色んなゲームを練習した。



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