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世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる  作者: 白崎奏
2章 開幕!HESKAL杯

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第55話 ただのやばいやつ

『うおおおおおおお』


高い声が俺の配信に響いた。


「えっと、こんにちは。清城 ひなさん」


『ひなでいいぜ!タメでいいぜ。よろしくなんだぜ!!』


来て早々叫んだこの方は、HESKAL3期生の清城 ひな。

まあ、やばいやつらしい。


『本当に来ちゃったよ…』


横でプリームが引いている。


ーきたああw

ー来ちゃったかあ

ー本当に来るとは

ー3期生初めてじゃね?

ーほんとだ!

ー3期生って高学歴なんだけどなあ

ーこいつに問題が…



「さて、というわけでひなが来てくれたわけなんだが…。HESKAL杯解説するか」


『うおおおおおお。私のを見ちゃうかああ』


『あんたは黙っとけええ』


ー荒れてんなあ

ーでもまだ静かじゃね?

ーうん。それはそう

ー同意

ーめっちゃ控えめ

ー配慮は出来るのか


さっきまで見ていた、プリームvs氷の動画を配信画面からどける。


「何見る?」


『私の…見ちゃいませんか?』


『黙って提出しろおお』


ー草

ー草

ー安定

ープリームとひなは対立してるから

ー喧嘩するほど仲が良い

ーなんやかんや結構この絡み見るよな


二人が言い争っているのを黙って聞いていると、1つ動画が提出された。

差出人はひなだ。


「これか…っと」


配信画面に送られた動画を映す。


「えっと、ひな。説明を…」


『ふっ。プリームも惚れちまったのか』


『何言ってんだ?』


『まあ。そう言わずに♡』


『黙れえええ』


ーネスイ置いてけぼりww

ー悲し

ー2人はネスイの配信聞いてないなあ

ーあっ

ーwwww

ー主張の大きい画面だなああ


俺は配信画面に一つのテロップを黙って出した。


《100万人記念配信&HESKAL杯優勝記念配信》


『あっ。すまねえ』


『ご、ごめん』


「さて、ひなさんや。この動画の説明をしてもらえるか?」


『は、はい!!!』


ー草

ーやべえおもろい

ーなんだこのやり取り

ーネスイの圧えぐい

ー新規でここまで地位高いの中々ないぞ


『えっと。これは私がチャンピオン取ったやつだぜ』


「なるほど。見ますかあ。解説お願いします。」


俺は大丈夫かなあと思いつつ動画を再生した。







動画は最初からかなりの終盤戦だ。

残り人数も4人だ。

工場内で、隠れつつ、敵が見えたら撃つ。

みたいな戦い方をしているようだ。



あ、これ5戦目のやつか。

俺が前マッチにスナイパーで暴れた挙句、敵がほぼ室内に入った試合だ。


『ひな、とりあえず状況をお願い~』


『武器状態はサブマシンガン二丁持ち、そして安全地帯の端っこ。ただHPが半分しかない』


「つまりはすごいピンチからの大逆転ってわけか」


ーこれかあ

ーあぁ

ーこれはすごかったけど…

ーちょっとなあ…

ー悪意感じるなあ

ー草



『さあ、敵の銃声が聞こえるのですぐに向かいます!

 近くに足音が聞こえないので詰めていいかと思って』


ん?

この銃声…



『そして、ここで敵を見つけます!ただここでやると自分が不利なんで敵が一人やられるのを待ちます』


『あれ?これって…』


「あっ」



『そして!敵が一人やられた瞬間撃ちます!!!これで残り2人。つまり1vs1です!』


ー草

ーおいww

ー勇気あるなあ

ーネスイキルしたのこいつか

ープリームをキルしたネスイをキルする女


『私のやられてるシーンが…。てかあれネスイ!?』


「これお前だったかあ。気が付かなかった」


『ふっ。漁夫の利って時には大切なんだよ』


『うるせええええええ』


『プリーム負けてんじゃねえか』


『お前より総合順位勝ってんだよおおお』


「あんたら。喧嘩やめてくれ…」


ーネスイが新規って感じする

ープレイえぐいけど会話は初心者か

ーいやこいつらが頭おかしい

ーネスイは平常

ーそれ


「で。1vs1は?」


『あっ。えっと、ここで態勢を整えます。そして敵は上に居るんですよ』


確かに言われれば銃声が上から聞こえる気もする。

だが、ひなは工場内。

安全地帯的に上に上がる方法もない。


「確かにこれはどうやって勝ったんだ?」


アイテム的に、グレネードしかダメージアイテムはない。

サブマシンガンで天井を壊すという案もあるが、それだと時間がギリギリだ。


『もしかして…』


『あ、プリーム気が付いちゃった?』


『まあ、なんとなく』


『では、行きましょう!!!見ててください!』



ひなは安全地帯内の工場で常に動き回っている。

そして、急に立ち止まったかと思うと、グレネードを取り出した。


そして、おもむろに上に投げた。


「ん?」


そしてサブマシンガンでグレネードを撃ち、爆破したのだ。

そして、落ちてきた敵をそのままサブマシンガンでごり押した。



「ええ…えぐい」


『すごいだろ~』


『これはすごいけど…この動画で今喋ってる用語は終わってるね』


「あ、消しとこ」


ープレイはすごいけど、チャンピオン後が下品

ー人間としては終わってた

ーエイムは良いんだよなあ

ーこれ結構盛り上がった

ー熱い戦いだった。


『熱い戦いだった!?お前もしかして…私を見て…』


『黙れえええ』


『はあああ?』


『これネスイの配信なんだよおお』


『でも私のファンも居るだろおお』


「はあ…」


ー疲れてそう

ーこれはきついな

ーネスイは健全だからな

ーこういうやつ中々いない

ー何か罰与えよ


「なんか罰与えよっか。そうだな…」


『え?』


『ちょっネスイ…』


「ホラゲー配信よろしくな」



『終わった』


『え…』


プリームもひなも絶句した。

どちらもホラゲーが嫌いというのはさっき調べて知った。

だから一番面白いんじゃないか?


「じゃ。次は何話そうか」


『ねええええええ』



プリームの泣き叫ぶ声が配信に響いた。

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