表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる  作者: 白崎奏
1章 新参VTuber誕生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/141

第31話 流れが変わった

 前半は大体予想通りで、特に目立ったミスやアクシデントはなかった。

 好きな色とか、好きな教科、苦手な教科などいろいろな質問をされた。

 ただ、22時頃、つまり残り30分となった時に流れが変わった。


 『お、大まか質問はなくなったんですが、一つ頼みごとがありまして』

 

 もちろんだがこんなことは台本には書かれていない。

 台本は質問コーナーを終えた時点で終わりとなっている。

 だが30分延長されたのでこの30分が空くのは明らかだった。


 「どんなこと?」


 『音ゲーしたことありますか?』


 前半のようなとぎれとぎれの口調もましになってきた。

 自分と話すことに慣れたのか、それとも趣味について今から話すからか。


 「ないですね」


 俺の周りでそういうゲームをしている人は居ない。

 自分のクラスで見ると、何人か休み時間にしているようだが

 見たことはない。

 もちろんしたこともない。


 『やってみませんか?』


 ーわお

 ー音ゲーかぁ

 ーネスイ無理そう

 ー才能あるんかなぁ

 ー分かんね


 「やってみようかな」


 ワンチャンすることになるかもしれないかと思って、

 音ゲーを一つだけ入れていた。

 もちろん適当に選んだわけじゃなくて、もえが一番配信しているゲームにした。

 

 『では【セラベル】という音ゲーをしてみましょう』


 音ゲーになった途端に配信の覇権でも握ったような

 はきはきとした自信のある口調になった。


 俺はそのゲームをするだろうと思い、チュートリアルまでは終わらせた。

 思っていた音ゲーという感じで面白そうだった。

 だが、それだけではないようだ。


 『このゲームはいくつかのグループがありまして…』


 ー始まった。

 ー覚醒もえ

 ーこういうときだけ覚醒するんだよなあ

 ー1期生って感じ

 ー他もやばいしな


 もえが語りだした。

 その間に俺は【セラベル】を開いて、画面を配信に出す用意をしていた。

 もちろん話は聞いている。


 『ということなんですよ』


 つまりまとめると、音ゲー面だけではなく、登場するグループごとにストーリーが作られている。

 つまり他にも楽しめるコンテンツがあるということだ。

 それは知らなかった。


 「なるほど…」


 俺は感心しながら配信に画面を映し出した。

 手元を映す形でもいいが、画面の反射で顔ばれしてはいけない。


 『お、ではやってみましょう』


 もえの立てた部屋に招待された。

 そこに入ると、ゲームが開始した。

 音楽を決めれるのだが、今仕切っているもえに曲を任せようと思い、

 俺はおまかせを押した。


 「おすすめの曲を選んでください」


 『ではどれくらいできるのか見てみます。』


 そう言って選曲されたのは、最近有名になっているpopな曲だった。

 難易度は4つだ。

 normal adbance expert master

 明らかにmasterは難しそうなので、

 一つ下のexpertを選んだ。


 『いきなりそれを選ぶの!?』


 そういいながら彼女はmasterを選んでいた。

 流石といえるだろう


 ーこの曲のexpertってそんな簡単じゃないよね

 ーちょっとむずい

 ーもえちゃんはちゃんとマスター選ぶのか

 ーどんくらいできるんだろ

 ーがんばれ


 コメント欄では音ゲー経験者が大量に喋っていた。

 案外みんなしてるもんなんだなと思いつつ、スマホ画面を見る。


 「おお…」


 次々と判定ラインにノーツが降ってくる。

 ノーツをリズムに合わせてタップするのだが案外難しい。

 するとたまにフリックといわれるものや、ドラッグノーツといわれるものなどが降ってくる。


 フリックは指を画面から素早くはじく。

 ドラッグノーツは指を置いておく。


 操作としては簡単だが、それが組み合わさるとすごく難しくなる。


 『ネスイまだ繋いでんの!?』


 ー!?

 ーえ?

 ーまさか

 ー音ゲーも天才なのか?

 ーそんなわけ…


 「難しいけど慣れてきましたね。」


 なんとなくコツがつかめて、しゃべる余裕も生まれてきた。

 

 楽曲も終盤に差し掛かりラッシュへと入っているが

 指のリズムを考えて押すことでなんとなくできるようになった。


 『え!?』


 曲が終わると、若干もえは驚いていた。

 俺はいまいちすごさが分からず。戸惑う。


 ー初見フルコンじゃね!?

 ーまじ

 ー天才

 ーやばすぎ

 ーすごさ伝わってないの草


 「何が起きてるのかわからないのだけど」


 俺はどんなすごいことが起きたのかわかっていない。

 若干戸惑いつつもえに聞くとめちゃくちゃに説明された。


 『FCっていう、まあフルコンは曲を大体リズムよくたたいたら出るの。

  正直音ゲー初めてで出すってすごいよ!』


 まあ、なんかすごいようだった。

 でもあんまりしっくり来てないあたり、あまり向いてないかもしれない。


 「もえのプレイ見たいな」


 俺も視聴者も思ってそうなことを提案した。

 夜音曰く相当な実力者らしい。

 それにずっと自分のコーナーだったので、彼女の見せ場も必要だと思った。

 

 『じゃあ、やりますか』


 初めて会った時とはまるで人が変わったかのようだった。


 そしてプレイもうますぎて、俺も視聴者も驚いていた。

 もえのことを前から知っていた方はまだ平然としていたが、

 ほかの人にはそんなことは出来なかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ