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世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる  作者: 白崎奏
1章 新参VTuber誕生

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第13話 初配信

「よし、準備が出来たからするか…」


今はもう時間が8時になりかけている。

俺は大きく深呼吸すると、モニターで配信スタートボタンにカーソルを合わせる。


カチッ



今HESKALの4.5期生の初配信が始まった。


《白海ネスイの初配信》



「どうも、こんしろ~」


【こんしろ~】というのは俺が決めた挨拶だ。

少し雑にも見えるが、一応30分くらい考えた結果だ。


「えっと、HESKAL4.5期生の新人Vtuber、白海 ネスイです。呼び捨てで良いです。」


俺が悩みに悩んだ名前だ。

白はblancをフランス語にした呼び名、

海は自分の名前、

ネスイというのは、最初は漢字表記で考えていた。

音水でネスイだ。

音は夜音から取った。

水は何となくだ。


三つは今までの俺を形付けた物、

あと一つは初めてのVTuberという事で一から考えた。


マネージャーの岩佐さんに理由までは言えなかったが、

名前を聞いて凄く面白そうな顔をしていた。


―来た!

―始まった!

―想定外の4.5w

―誰も予想できん

―新人いれるの久々じゃね

―楽しみ

―どんなやつだろう


「えーと、採用された理由はよく分かりませんね。」


事実だ。

配信が始まる前に夜音に言われた言葉は目標であって、採用理由ではない気がした。


「VTuber自体が初めてなんですが、取り敢えず色々説明します」


そう言って俺は、今日の朝から作っていたスライドを画面に出す。


「設定は20年後の未来人です。ゲームが得意なのでそういうことにしました。」


20年後という数字は適当だ。

未来人という設定にしようと思ったからだけだ。

まだ、コメント欄は穏やかに収まっている。

問題は次だ。


「次にファンの呼び名ですね。無しで行きます」


―は?

―ん?

―??

―え

―無し、だと

―まじか

―その線は無かった


これは考えた結果でもある。

昨日、岩佐さんに話したときと同じ反応だ。

なぜ無しかと言うと、簡単に言えばたぶん、すぐ忘れる。


「えーと、そういうことで次行きます」



「ファンアートはDMに、基本的なハッシュタグは【ネスイの配信】で、」


ここら辺は岩佐さんに教えてもらった通りだ。


「ファンマークはこれで行きます」


―ペースが…

―はっや

―まだ55分あるぞ

―これは凄い人が来た予感

―やば

―服、戦闘服じゃん


「あ、この服はfpsゲームをモチーフにしたやつだよ」



「ちなみにゲーム好きなので今日はそれをしていこうかと思います。」


この余りすぎた時間をどう有効活用するか、考えた結果こうなった。

とりあえず得意な事をしとけば良いかなと言う理論だ。


―ネスイ、ゲームが得意?

―HESKALゲーム得意な人が多いよね

―誰が一番上手いっけ

―あいつやん

―やつだな

―あの人化け物

―いやうまい人多すぎて分からん

―女性の人だよ

―あいつか

―まだ2人居るて

―たぶんゲーム部屋の方


その噂の人が気になりながら、fpsゲームをする。

ゲーム名は【night knight】というチーム戦のゲームだ。

アカウントは新しく作ってもらった。

ちなみに1vs1から5vs5まであるので参加型も出来る。


このゲームは昔、少しだけやっていたので感覚はましな方だろう。


「配信用のアカウント作ったので、これでやりまーす」


いつも使っているキーボードとマウスでやるつもりだ。

名前は《ネスイ》という単純な名前にしておいた。

ひねって誤解を生んでも嫌だしな。


―いや、わからん

―HESKALレベル高いからなあ

―見てみるか

―とりあえずプレイを見て決めよう

―まだうまさ分からんし


設定を変えつつ、コメント欄で盛り上がっている人がどうしても気になったので、


「その女性の方って誰ですか?」


―HESKAL二期生にして、最強の一角の 春陽さんですね


「なるほど…」


たぶんその人よりは強くないんだろうけれど、戦ってみたいなと思った。

とりあえず腕試しにランクマッチではないノーマルマッチで戦う。

2vs2で試しにやってみようと思う。


「あ、ちなみにあんまり上手くないよ」


このゲームは始めに一定の所持金がプレイヤーに渡されて、武器を購入しながらラウンド事に戦う。

敵を倒したり、ラウンド勝利すると負けたときよりもプラスでもらえる。


俺は得意なサブマシンガンを買う。

仲間はショットガンを買ったようだ。



2vs2は5ラウンドを先制した方が勝ちだ。

1ラウンド目が始まり、俺は敵を待ち伏せする。

感覚を掴めたら次からは戦いに行く予定だ。


「行けるかな」


いくらノーマルマッチと言ってもたまに強い人が居るので勝てない可能性も全然ある。


「あ、味方さんが…」


敵の作戦に掛かってしまったようで、味方はやられてしまった。

ここはどうやら、攻めるしかなさそうだ。


「ちょっと頑張ろ」


大体いつもやってるFPSゲームと同じくらいの感度になっているので、

一か八かで俺は攻めに行く。


目の前に敵が居た。

相手はアサルトライフルだ。

バレてはいないが、バレてしまうと1vs2になってしまう可能性があるのですぐに倒さないといけない。


音的にもう一人はピストルなので、溶かされる可能性も考えることができる。


相手が止まったその瞬間に俺は弾を撃ち始める。

【world war】とあまり感覚が変わらないので弾が当たりやすい。


「よし、あと一人」


相手のエイムが良かったので、シールドを半分以上削れてしまったが、何とか倒せた。

残りの一人はピストルなので近距離勝負になりそうだ。

ラウンド前のショップで回復を買っていないのでそのまま勝負することになる。


「負けたくないな…」


1vs2で勝つのは動画的にも有りだが、何よりも勝つと気持ちいい。

相手はピストルなのでもしかしたら詰めてくる。


だから俺はしゃがみながら攻めるのがベストだ。



相手が物影から姿を出して凸って来る。

俺は一瞬だけ右に顔を出して、相手の弾を一発撃たせた。

食らわないで相手のクールタイム中に俺は攻めこむ。

たが、立ち位置は離れないで相手が狙いにくい位置に立つ。


「あ、後ろに引いたか…」


前に攻めに来ると思っていたので、少し予定が崩れる。

だがそこは、対応力でカバーする。

回復を持っている可能性も考えて、攻めこむ。


角には敵が回復していて隙が多く、倒せた。


「1ラウンド目から白熱だな…」


これをあと4回しないといけないと思うと、気が引ける。


―最初からクラッチ!?

―真の化け物だ

―最強達と勝負してほしい

―これは面白い

―やっば

―初日から切り抜きとかw


「さて、頑張るか」




5ー0でこの試合は勝利した。

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