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世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる  作者: 白崎奏
3章 VTuberの開花

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第99話 終わることはない。

「ただいま」


まだ夕方の中、俺は家に帰ってきた。

マナの特別すぎる部屋とは変わって一般的な普通の部屋だ。


「あ、おかえり~」


そして当然のように夜音も居た。


「いたんだ。どうする?何か食べに行く?」


「行く!」


正直作る気力はない。

まあ、たまには外食でも誰も怒らないだろう。


ちなみに外食は大体夜音側の負担だったりする。

まあ、彼女も結構貯金があるみたいだし、俺も食費を賄っている。

だから相互の関係って感じかな。


「ちょっと用意してくる!」


そう言って急いで家を出て行った。


俺も少し用意しないとなと思って、部屋を覗く。


「あれ?」


なんかちょっと荷物の位置が違う。

いや、まあ夜音がそんなことをするわけがないと思うのだが。


やはり変だ。


「あいつ?部屋に来たのか……?」


別にこれといって面白いものも無いし漁りたいなら漁ればいいが。


まあこれ以上考えてもキリが無いし止めよう。

そう思いつつも、1つ気になったことがあった。


「やっぱり……………」


ゲーム部屋の方だった。

ヘッドホンの位置が若干ずれてたのですぐわかった。


俺のゲーム部屋は別に広いわけじゃない。

まあ2人分くらいだったらゲームPCおけるかなくらいだ。


「流石に大丈夫か」


まさかPCの中も見られたかと思ってログインしたが、特に痕跡はなかった。

まあパスワードかけてるし見られるなんて早々ないことだが。



まあ彼女にも何か事情があったのかもしれない。

あえて聞かないでおこうかな。


俺が部屋を出てすぐに、彼女もやってきた。


「海斗!早く行こ!!」


そう言って俺たちは適当に食べに出かけた。


-------------------------------------------

まあよくあるファミリーレストラン的なところだ。

彼女はオムライスを美味しそうに食べていた。

それを眺めつつ俺もハンバーグを食べている。


すると


「そういや今日どうだった?」


ちょっとトーンが下がった声でそう彼女は言った。


「面白かったよ。見てた?」


「もちろん。というかHESKAL皆見てたよ」


HESKAL皆暇なのかな?とか失礼なことを思ったが口には出さないで置く。


「そっか~勝ちたかったな」


「そう?でも上手かったよ。3vs4はすごいよ」


夜音は絶賛らしい。

まあ彼女が喜ぶならそれでいっか。


「まあ次は勝つかな」


「次は私も行きたいな」


夜音は少し羨ましそうだった。


「そう?また声かけとくよ」


流石に3vs4とか地獄極まりないので人数埋めにも欲しい。


「ありがと!」


嬉しそうにまたオムライスを食べ始めた。




「ねえ、海斗。何か隠してることない?」


俺がちょうど彼女を見たタイミングでそう言われた。


「え?いや、、無いよ?」


正直ありすぎてどれの事かすら分かってない。


「えぇ?例えばほら………」


そう言いかけていたタイミングで俺のスマホが振動した。


「あ、電話だ。ごめん」


逃げる半分で俺は店の外に出た。


「はい。坂峰ですけど」


『あ、海斗君?』


ん?聞き覚えのある人だ。

でも誰だか分からない。


「そうですけど……………」


『春休み帰ってこれる?』


「え、まあ」


そういや去年の春休み以来行ってなかったな。


そろそろ行こうと思ってたら冬休みも明けちゃったし。


『じゃあさ、ついでにお願いがあって…』


そして俺は静かにその要件を聞いた。

そして確信した。


(この人、夜音の母親か)


『出来そう?』


「出来る限り頑張ってみます……………」



重大すぎる任務に胃がまた苦しむ。

そして凍らしたはずの記憶がゆっくりと降りてくる。


俺は深呼吸をしつつ、冷静を保ち、中に入った。


「あ、おかえり!どんな要件だった?」


「あ、えっと、友達がノート貸してほしいって連絡だったよ」


ここからはあまり記憶にない。

というかそれどころではなかった。

そんなことを考える余裕すらなかった。




とりあえず頑張るか……………








人生の山場がやってきた。






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