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第1話 あ、配信中だったの

夕方前、配信を切って何をしようかなとスマホを見ていた。


「え!?」


私、赤坂夜音は初めてびっくりした。


「なんでトレンド1位!?」


私の名前がトレンド1位だったのだ。

いや、本当になんで?


「何が起きてた???…………あぁ」



私の配信に誰かが参入したみたい。

心当たる節は一人だけ。



さてさて、何から話すべきやら……。

------------------------------------------------------------------------



カチャカチャカチャ…


俺は、坂峰 海斗

よく居る普通の高校一年生だ。



VRとキーボードマウスが融合した大人気ゲーム、【world war】というゲームをしている。

物影に隠れながら銃などで攻撃するFPSゲームだ。


「よし、世界5位まで上がれた…」


『おめでとう、blanc』


blanc、それは俺のゲームID。



「ああ、ありがとう。lucus」


lucusはゲーム友達であり、同じクラン所属の一人だ。

通話ではあるがよくゲームをしながら話す友達でもある。

まだ会ったことはないが、声が凄く良いなっていつも思ってる。


「今日はここまでにしとこうかな」


俺はそう言うと、ゲームを閉じる。


『おつかれさま、どうだ?大会に復帰する気になったか?』


「いや、全然」


実は俺ことblancは、元世界一位プレイヤーだった。

第1回大会で1位を取ると2連覇という記録を作った。


だが、第3回大会から最近行われた第7回大会までは参加していない。

色々あったことで止めざるを得なかったのだ。

苦渋の決断ではあったが後悔はしていない。


『まだ通話するか?誰か来るかもだし』


「そうだな。暇だし通話は付けとこうかな。」


「あ、でもご飯だけ作って食べてくる」


『偉いな~、行ってら』


「おう」


マイクを切って、椅子から立ち上がる。



はあ、一人暮らしになってからもうだいぶ経った。

自由にはなったが、生活バランスが崩れそうだ……

部屋のカーテンを開けると、とっくに太陽は登っていた。

時計を見ると11時を過ぎたあたりだった。

せっかくの土日がこんなので良いのかなとか思いつつ、部屋を出る。


とりあえずお腹すいたし昼ごはん作ろうかな。

そう思いつつ冷蔵庫を開ける。


(ちょっと材料少ないな)


一人暮らしをするようになって最低限の生活知識は覚えた。

だからこそ栄養バランスもちゃんとしてる。

もちろん野菜もしっかり取るようになった。



とりあえず家を出る。

スーパーに行くと思ったか?違う。

俺の場合は、


ガチャッ



「ちょっと冷蔵庫からもらうぞ~」



隣に住む幼なじみの家に合鍵を使って入る。

それだけだ。





さてと、野菜は、っと…

この家の冷蔵庫は意外と品ぞろえが良い。

今度またお金を渡せばいいか。


いくつかの野菜を手にとって戻ろうとしたとき、部屋のドアが空いていることに気が付いた。

不意に部屋の中に目が行き、


(寝てる、のか?)


彼女はモニターの前でヘッドホンをしながら机にうつ伏せになって寝ていた。

モニターには配信画面が付いていて、コメントも流れたりしている。

誰かの配信でも見ていたのだろうか。


もう一つの画面には、最近人気がある【end world】と言われるFPSゲームが付いている。

おそらく、途中で寝落ちでもしたのだろう…

きれいな寝顔で眠っている。

普通の男なら変なことでもするかもしれないが、俺はそこまで興味がないので無視だけどな。

だが別の事に興味があった。


「少しだけやってみようかな…」


彼女に触れるわけじゃない。

俺はそのやっているゲームに興味があった。



取った野菜を近くの机に置いた。

そして近くにあった椅子を持ってきて隣に座る。


少し夜音を動かして、自分がモニターの前に座る。



こいつマッチ中に寝たのかよ



そう思いつつ、少しプレイしてみる。


そこまで俺がやっているゲームとは変わらない。

なのですぐコツを掴んだ。


「まあこのマッチだけしたら帰ろ」


―誰?こいつ

―誰だ?

―男だ

―男!?

―え?

―!?


「よし、とりあえず1キル、と。このゲーム、そんなに難しくなさそう」


いつもより弾が大きく感じるため、当てやすい。

スナイパーも偏差が小さくて打ちやすい。


「よし、これで6キル目と」


マップ中に生き残った敵は居なくなった。

つまり俺が1位だ。


―何者?

―えぐ、それ当てんの?

―ほぼ弾吸い付いてるw

―何か上手くね?

―もう1位?

―あれ、これ一応大会だよね?

―大会中に本人は寝て別の人がやり始めるとか

―やっば!



「さてと、ご飯作るか…」


家に戻るのも面倒だし、こいつの家で料理を作るか。

1年前から料理を始めてここまで成長できる自分が誇らしく感じる。





30分くらい経っただろうか。


ちょうど料理も出来たし夜音呼ぼうかな?


と思ったと同時に、ここで肩を叩かれる。

突然すぎてちょっとビクッてなった。

振り向くと1人の少女が立っていた。


彼女は赤坂 夜音。


俺の幼なじみであり、腐れ縁でもある。

容姿は黒髪ロングヘアでちゃんと可愛いと思う、身長も別にいいくらい。

だが、性格が若干終わってる。

だからこそ、そんなに付き合いのない男子たちは夜音に惹かれるが俺はまったくもって。惹かれない。


ちなみにだが、彼女も俺と同じで今は一人暮らしだ。


「ん?夜音起きたのか?」


「海斗、私のやってたゲームやったでしょ!?」


「え、あ、うん。」


「とりあえずご飯持ってリビング来て、」


夜音が若干焦りつつ、そう言った。


仕方ない、行くか。




「で?どうしたんだ?」


「いやその……実は私VTuberやってて…」



言われた情報がでかすぎて頭に入らない。


「で……えっと、その、海斗にVTuber、ってのをやってもらいたくて」



は?



「は?」



心の声が漏れてしまった。

あの夜音がVTuber??

いつも笑顔で一緒に遊んでくれていた幼馴染が?

もうこの時点で俺からしたら大ニュースだ。


それに加えて俺がVTuberだと?冗談でも笑えない。



「で、今さっきまで配信をしていたんだけど、途中で寝落ちしちゃって」


「…」


「だから、海斗のゲーム映像と声が入ってて」


すごく言いにくそうに夜音が言う。


「実は今、トレンド1位なの…」


トレンド1位か、そうかそうか………え?


「え?まじ?」


「まじだよ」


急いでスマホを開いて、トレンドを確認する。


トレンド1位は《プリーム》と表示されていた。


「プリームって何?」


「それが私…」


「おいまじかよ」


俺は今年一番で驚いた。

隣の幼馴染みが配信者?

いやいや、どんなラノベ主人公だよ。


「それでね、マネージャーがプレイ映像を見て、」


「騒動打ち消すためにも、海斗にも、その、VTuberになってもらいたくて」


「はあああ!?」


急にもVTuberだと!?

今俺は、ストリーマーとして配信している。

その事はおそらく彼女は知らない。

確かに急に配信中に男の声が出たら困惑は広がる。

そういう要素もカバーするために、言ったんだろうけど…


ちょっと困惑しか広がらない。


「それは……俺じゃなくても良くないか?マネージャーさんとかがやったでもよくないか?」


「それでもいいかもだけど……社長さんが海斗に惹かれてて…」


はい?


ちょっと頭が混乱してきた。

流石に整理する必要がある。


「えっと、少し考える」


そう言って、夜音の家を飛び出して自分の家に戻った。



その後、どうせ暇だからと、lucusとゲームをしたが、何も頭に入らない。



結果試合は負けていく一方だった。

カクヨムでも掲載しています。

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