表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/23

今日は。 1

 特訓7日目。

 今日は……舞踏会に向けてのダンス訓練のはずだったのに。私が風邪で熱が出て寝込んでしまい休養日となった。


 昨日街でデート中に倒れてしまった私は、アルベルトによって屋敷まで運ばれた。心臓の調子が悪かったのも、やけに暑いと思っていたのも恐らく風邪だったのだろう。


(私が倒れた瞬間のアルベルトの表情……心配かけちゃったな。)


 あの時はまるでこの世の終わりを見てしまったかのような表情だったが、今ベッドの横で介抱してくれている彼は至って普通の表情である。ただいつもと違い、街歩きデートをする為に剃ってしまったので口髭は無い。


「ごめんなさいアルベルト。こんな時に風邪を引いて寝込んでしまうなんて」

「いいえユリアお嬢様。私の方こそ、ペース配分を早めすぎてしまったようです。申し訳ございませんでした」


 デートの訓練は終わったので、呼び方は当然執事モード。

 ……ユリアって呼んでくれたの、嬉しかったなぁ。なんて、今になって喜びを噛み締めながら布団を口元まで引き上げる。


 アルベルトはいつもつけている手袋を脱いで。そしてベッドサイドに置いた水桶に薄いタオルを浸してギュッと絞り、私の額に乗せてくれた。一瞬冷たさを感じて体がぴくっと反応したが、タオルはすぐに私の熱を拾ってじんわり同じ温度になっていく。


 いつだって私の傍にいてくれた愛犬アルベルト。それは私が熱を出しているときも同じで、傍で寄り添うように見守ってくれていた。


「ねぇアルベルト……いつもみたいにぎゅってして寝たいの。ダメ?」


 私がそうお願いすると、執事のアルベルトは少しだけ困ったような顔をして。「少しだけですよ」と一言呟いてから光に包まれ、犬の姿になった。


「ワフ」


 犬の姿になったアルベルトは私のベッドの上での定位置に寝転がり、私に寄り添う。どうぞと言わんばかりのその態度に私は少しだけ笑って擦り寄った。その拍子に額の上のタオルがずり落ちる。


「ふふふ。アルベルト、大好き」


 アルベルトは特に返事をせず、ただ私の額からずり落ちてしまったタオルを咥えて引き上げていた。

切れ目の関係で短いですが、次回は糖度高い回になります。本日19時予約投稿です!


いつも読んでくださる皆様ありがとうございます(*´꒳`*)♡

閲覧数と評価を励みに、糖度高めハッピーエンドを目指し日々執筆頑張ります(๑˃̵ᴗ˂̵)♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ