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愛84話 勘違い受難曲-パッション-第3楽章

【アル視点】


「オージェ、てめぇよくも妹を!!」

 

 ガキの頃からの親友目掛け拳を振るう。

 

「アル、いい加減にしろよ。彼女はもう子どもじゃないんだよ」

「うるせぇ! てめぇがやったことは最低だろうが!」


 我慢できなかっただと!?

 自分の気持ちを押さえられなかっただと!?


「さ、最低だって!!?何でそこまで言われなきゃいけないんだよ!」


 オージェが珍しく声を荒らげ拳をこちら目掛け振るってくる。


「っ!?」


 俺はその拳を左手で受け止め、右手で腹を殴る。


「うぐぅ……アル……」

「これはお前に傷つけられたあいつの痛みだ!!」

「いい加減にしろよっっ!!」


  反撃で振るわれたオージェの拳が俺の顔面を捉えた。


「っぐぁ!!」


 こいつ、思ったよりも重い拳をしてやがる。


「……はぁ……はぁ……なんで分からないんだ!!」

「黙れぇぇえええ!!!」


 俺の渾身の一撃がオージェの顔に入る。


「ぶっはぁっ!!」


 オージェは鼻血を出しながら吹っ飛び地面に倒れ込む。

 俺はユズカの兄貴としてこいつのした事を許すわけにはいかない。

 あの妹に、あんなことやこんなことしやがって!!


「止めて!私の為に争わないで!」


 そんな中、一人の少女が俺達の間に割って入る。

 それは俺の妹……じゃねぇ!?


「………って誰だよこいつ!!?」


そこに現れたのは俺とは縁もゆかりも無い美少女だった。


「イケメン二人が私の為に争うなんてダメよ!私のために喧嘩しないで!」


そう言って少女は俺達の間に入って涙を流していた。

いや、マジで誰!?


「わかってるわ。私があんまりにも可愛いから取り合いになってるんでしょ?」

「いや、違うからな」

「うん、違うよね」


俺もオージェも唖然とする中、その少女だけは自分の世界に入り込んでしまっていた。


「私は二人の愛を受け入れるわ!だからお願い!二人で私をめちゃくちゃにしてちょうだい!!」


そう言うと、その少女は服を脱ごうとしはじめる。


「うわぁー、待てぇぇぇぇえ!!止めろぉおおお!!」


 こいつ絶対ヤバイ!人の話を聞くことが出来ねぇんだ!!

慌てて止めようとすると、少女の身体からオーラがあふれ出し俺もオージェも吹っ飛ばされた。


「私の、私の為に……争ワナイデェェェェェェェェl!!!」


 少女の身体から猿みたいなムキムキの魔人が顕現した。


「「災禍魔人!!」」

「我が名は愛の伝道師………災禍魔人ラブパン!!」

 

挿絵(By みてみん)


 手でハートマークを作り出すムキムキ。

 うぜぇぇぇぇl!!!


「宿主の為に争うイケメン2人よ。無益な争いは止めるのだ!それならいっそ、二人で彼女をシェアしちゃえば…いんじゃない?」

「いや、勝手に盛り上がっている所悪いけど俺達が喧嘩しているのは全く別の理由であってだな……」

「ウフフ、わかってるさ。どっちが彼女と最初にキスるかってことでしょう?そんなの答えは決まってるじゃないか。同時にぶっちゅーさ!!」


 ダメだ、こいつ宿主以上に全然話が通じねぇぇええ!

 

「でもさ、ラブパンからのアドバイス!!二人とも、ガツガツしてる男の子は、嫌われちゃうゾ?」


 何だこの地獄みたいな空気は!?

 色々と頭がおかしくなりそうだ。

 頬をつねってみるが痛みを感じるので夢じゃないっぽい。


「愛の為なら……ラブ!あーんど、ピースッ!!!」

 

 ラブパンは何処からか取り出したトゲトゲ鉄球をこっち目掛け投げて来た。


「何がラブだぁぁぁ!!?」

「アル、逃げるよ!!」


 俺とオージェは揃って駆け出す。


「ウフフフ、待ってぇぇ、イケメンたちぃぃぃ」


 ムキムキの猿が、女の子走りで追ってきやがる!

 何だよこの地獄。俺達は真面目に喧嘩してただけだろうがぁぁぁ!!!


「来るなぁぁあああ!!!」

「ぎゃぁぁぁああ!!」


 俺達は必死に逃げ惑う。

 ああチクショウ。何だかガキの頃を思い出すぞ!

 あの時はそう、3人で遊んでたらユズカがモンスターの〇〇を見つけて笑顔で『これあげるー』とか追いかけてきて二人で叫びながら逃げたっけなぁ。

 って何やってんだ我が妹よ!!?


「何かユズカちゃんがモンスターの○○持って追いかけて来た時思い出すね!!」

「お前も同じ事考えてたのかよ!!」


 あの時はセティママにユズカがぶちのめされて事なきを得たっけ。

 本当にあいつはガキの頃からロクなことしねぇ!!


「あのさ、アル!こんな時にだけどわかって欲しいんだ。ユズカちゃんの事だけど、確かにいきなりだったと思う。でも俺、ユズカちゃんの事本気で好きになっちゃったんだ」

「いや、マジでこんな時にだよ!お前なぁ、いくらなんでもいきなりはすっ飛ばしすぎだろが!!」

「そうだよね。俺のキスされてユズカちゃんマジで動揺してた。俺も心臓バクバクでさ」


 そうだぞ。いきなりキッスとかなぁ………

 あれ?ちょっと待て。何か違和感あるぞ?

 何か俺とこいつの間で認識に差がありそうな雰囲気が……まさか………


「えーと、確認だけどやらかしたのはキッスだけか?」

「え?そ、そうだけど?」

「………その先は?そのこうあれがこれで的なあれは?」

「ええっ!?いくらなんでもそれはまだダメでしょ!!?そんな事したら親御さんに殺されるよ!!」

「………………………………」

 

 やべぇぇぇぇ!!

 盛大な勘違いだったぁぁぁぁぁぁ!!!

 俺てっきりもう色々やっちゃったのかと思ってたよ!

 つまりこれってあれだよな?俺、早とちりで親友殴ったぁ!?


「………あのさぁ、一応聞くけど本当に『あれ』でいいの?」


 モンスターの〇〇持って追いかけてくる様な女だぞ?


「ああ。勿論さ!俺みたいなやつは相応しくないと思うかもしれないけどさ」


 いや、その………やべぇ、恥ずかしい。

 妹と親友の甘酸っぱい恋にガチ介入しちまったぁぁぁ。


「アル、妹を頼む」

「えぇっ!さっきまでと何か違くない!!?」

 

 そんな中、背後からムキムキ猿が鉄球を投げてきた。


「てやぁぁぁぁぁっ!!」


 間に割り入ってきたユズカが鉄球を蹴り飛ばす。

 おお、流石は我が妹。

 小恥ずかしいやりとりの後に現れるのもナイスタイミングだ!!

 

 ユズカは災禍魔人に飛びかかり背後から腕に足を絡めて相手の両肩に飛び乗った。

 自分の体をひねるようにしてその勢いのまま相手をひっくり返すように叩きつける。


「聖女風車落としぃぃぃっ!!」


 相変わらず技のネーミングだせぇぇぇ!!!

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