番外編 蛙の子は……
ちょっと先の未来について書きました。
短めです。
【ユズカ視点】
あれはあたしが小さい時の事。
「うわぁぁぁん、ジェス君何でお帰りのハグをしてくれないんですかぁぁぁ。あたし今日物凄く頑張ったんですよぅぅ」
「あぁ、はいはい、お疲れさん」
「うわぁぁぁん、ジェス君の薄情者ぉぉ!もっと情熱的にハグとかハグとかキスとかぁぁぁ」
お母様がいつもの調子でお父様に甘えていた。
お母様はお祖母様が作ったリーゼ商会でバリバリと働いている『きゃりあうーまん』。
ちなみに『きゃりあうーまん』は異世界転生者であるお父様の世界の言葉らしいのだが今のお母様からは物凄くダメな大人臭がする……。
我が家は一夫多妻で母親が5人いる。
ただ1人だけ末妹を産んでから亡くなってしまった。
フィリーママがお父様の尻を叩き。
ナギママがお父様を甘やかし。
お母様がお父様に甘えまくり。
クリスママがお父様の尻を撫でている。
何だか弱冠一名おかしい人がいるけれど、これが我が家の日常風景だ。
あたしもいつか誰かと結婚するんだろうけどその時どんな奥さんになるだろう?
出来ればお尻を撫でているクリスママの真似はしたくないなぁ……。
ナギママみたいに甘やかすとかあたしのキャラ じゃないよね……。
多分、ナダ女的にはフィリーママのスタンスが一番イケてると思う。
ちなみにお母様のスタンスについては論外。
子どもの前でベタベタ甘えて泣きわめくなんて信じられない。仲がいいのはわかるけどちょっと情けない。
あたしは絶対あんな風にはならないと心に決めた。
そして時は流れ………
「うわぁぁぁん、オージェ君。今日は仕事お休みだからお家に居るって約束したじゃないぃぃぃぃ」
あたしは仕事に行こうとする夫に泣きながらすがりついていた。
「あぁ、うん、そうだね……ごめんね。でもね…………」
「でもじゃないよぉぉ、ほらフーカだって悲しそうにしてるよぉ?」
あたしは額に汗をかきながらこちらを見る娘を指さした。
「いや、何というかあれは呆れてるだけと言うか……」
「うわぁぁぁん、酷いぃぃぃ」
「泣きながら僕のお尻撫でないでくれるかな?フーカも見てるからね?」
「じゃあ、キッスしてぇぇ、ほっぺでいいからぁぁ」
夫はため息をつきながら頬にキッスをしてくれた。
キッスされた頬を手で押さえながら満面の笑みを浮かべるあたし。
そんなあたしを見て夫が苦笑し娘が白目をむいてた。
なんか最近娘の視線が冷たい気がするんだけど気のせいだよね?
あれだよ。きっとあなたも大きくなったら分かるよ。好きな人には甘えたくなるの!!
「じゃ、じゃあ行ってくるね」
「いってらしゃーい。ほら、フーカもお父様にバイバーイって言ってごらん」
「……ばいばぁーい」
「ふふ、フーカ偉いねぇ」
夫の姿が見えなくなるまで見送るあたしたち母娘。
さぁ、今日も頑張ろう!!
「よぉし、それじゃティアちゃんとこ遊びに行こうねぇ」




