第81装 バディがおかしい
【リンシア視点】
この前のお祭りはやり過ぎたわ。
勢いとはタイガ君とキスをしてしまうなんて……
とは言え、思い切って踏み込んでみたのは良かったとも思っている。
こんな感じで想い出を積み重ねていけたらなぁ。
まあ、押し倒さないように注意をしなければならないけど。
さて、それは別として……ユズカちゃんがおかしい。
何かぼーっとしてると言うか、心ここにあらずと言った感じで天井を見上げている。
ライスもお代わりをしないし食後の運動と飛びだしてもいかない。
「どうしたの?ユズカちゃん?」
「……え?な、何でもないよ」
うん。何かあったよね
「そう?なんだか最近様子がおかしいけど、何かあったの?」
「そ、そんな事ないよ」
私の質問にユズカちゃんは首を横に振る。
ふむ……やはりおかしい。私はユズカちゃんの目をじっと見つめる。
「本当に何もないの?」
「……うん」
目をそらした!これは絶対に何かある!!
ユズカちゃんがおかしくなったのはこの間のお祭りの後。
そう言えばユズカちゃんはあの日、用事だと出て行ったがお祭り会場に居たみたいだし。
もしかして誰かと会っていたのだろうか?でも誰に……?
その誰かがポイントになるんだろうなぁ。そしてあのお祭りで何かがあったに違いない。
「ねぇ、ユズカちゃん。お祭りの日だけど……」
「ひゃっ!!?」
私が話しかけたら何故かビクッとしたユズカちゃん。
ああ、やっぱりあの日に何かがあったで確定ね。わかりやすい。
「ん~??どうしたのかなぁ??」
「な、なんでもないよ!」
そう言って顔を真っ赤にするユズカちゃん。
怪しい……実に怪しいわね。ここはもう少し突っ込んでみようかしら?
「誰かと一緒にお祭りを回ったとか。そう、例えば男の人とか」
「ふぇっ!?!?」
またもやビクンと身体を震わせて顔を真っ赤にするユズカちゃん。
面白いほど素直な反応ね。
もうこれ黒でしょ。絶対男といたよね? まさか彼氏が出来たんじゃなかろうか?
「ユズカちゃん、もしかして彼氏出来たの……?」
「ち、違うよ!そ、そういうんじゃ……あぅ」
顔を真っ赤にして否定しつつも、明らかに動揺している様子。
これは完全にクロだ。察するにお付き合いまでには至っていないが男と何かあったみたい。
「誰?私の知ってる人?」
「うぅぅ……」
これは判断がつきかねないわね。どっちともとれるもの。
そんな中、『こんにちはー』と聞き覚えのある声がした。
あれはオージェ君の声かな?
「きゃうんっ!!」
ユズカちゃんは悲鳴を上げると、慌てて立ち上がり犬みたいにピューッと逃げて行った。
え?オージェ君の声に反応した?
「やっほー、リンシア。あのさ、ユズカちゃんいる?」
「えーと……」
まさか、ユズカちゃんはあの日オージェ君と一緒だった?
これは予想外の組み合わせだったわ。
でも冷静に考えれば彼はユズカちゃんにとって兄の親友。うん、十分あり得そうだ。
ただ、まだはっきりと全貌がつかめない。
「ごめんなさい。ちょっと今居ないの」
「そうなんだ。あのさ、帰ってきたら伝えてくれないかな。ゆっくりと話がしたいって」
「あ、うん。わかった」
きゃーーーーっ!待って!これってもう確定じゃない。
つまり、ユズカちゃんに春が訪れたとか。
これは観察せねば!!!




