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第79装 タイガ君が久々にやらかしました

【リンシア視点】


 やれやれ、色々と慌てることはあったけど慣れて来たみたいで理性もしっかり保てている。

 そう、この知的なお姉さん感こそ私の持ち味なのよね。


「あっ、リンシアさん。お願い事していきませんか?」


 タイガ君が指さした先には大きな鈴がついた簡易型の祠と恐らく賽銭箱の様な役割であろう宝箱。

 何か舌が出てて宝箱開けたら襲ってくる有名なモンスターっぽいあれじゃねとツッコみたくなる。


「えーと……タイガ君いつものお願い」


 私の意図を察してくれたタイガ君が説明を始める。

 何だか熟練の夫婦みたいだよね、これ。

 まあ、そうなる予定だけどさ。


「はい。あれは『ザンバーイー』ってシステムです。あそこにいる『タカラガリ』って生物にコインを食べさせてから上にある鈴を鳴らしてお願い事をするんです」


 うん。それって『参拝』だよね?

 何だろう。文化の収斂進化的なそういうあれかな。

 きっと独自の歴史を歩んで来たんだろうな。

 こういう考察とかしてみるのも意外と面白いのかも……


「ちなみに考案者は俺のおじいちゃんです」


 おじいちゃぁぁぁぁん!?

 そういやこの子のお祖父さん、私と同じ世界から来た転生者だった!!

 独自の歴史も何も物凄く歴史浅かったよ!!


「聞いた話では『ショーガッツやりてぇ』とか言い出したんでおばあちゃんが聞き取りをして何となく再現してみたものが気づいたら受け入れられてたみたいです」

 

 うわっ、起源がものすごく雑過ぎる!!

 そうなんだよ。レム一族ってそれがあるんだよ!!

 普通さ、転生者が前世の知識を使ってってなると社会的な価値観とかが大きく変わったり、明らかにオーバースペックな技術が取り入れられたりそういうムーブするんだよね。

 だけどレム家の転生者さん達はちょっと違って何かその世界で生活の一部にしれっと紛れ込んじゃうの!

 勿論、写真技術とか洗濯スフィアとかあるけどこういう細かい所での影響が圧倒的に多いんだよなぁ。

 そしてそもそもナダ人自体が既成の文化をアレンジして取り込んじゃていうっちょっと日本人的な性質があるんだよね。

 そこに日本人が来たら……ねぇ?


「それにしてもコインを食べる生物かぁ。やっぱ異世界感があるなぁ」

 

 私は賽銭箱代わりにされている生物を見て感心する。


「あっ、『タカラガリ』自体はコインを消化して栄養に変えたりはしません。あいつらの好物は野菜です」


 意外とヘルシーだった!!

 爪があるかはどうかわからないけどレム家の子達に爪の垢を煎じて飲ませてあげたい!!

 この辺はちょっとフリーダさん達が甘やかした感はあるんだよね。

 新世代の嫁として私がしっかりしなきゃ!


 そんな事を考えているとパァァァンと何かが破裂するような大きな音。

 何事かとみると見た事ある巨体が『ザンバーイー』していた。

 あれは、確かさっきカノンちゃんに負けたタイシカーンちゃんだっけ?


「ご先祖様、申し訳ありません!あんなヒョロガキに負けてしまい、ワタシは、ワタシは……」


 お願い事って口に出しちゃダメな気がするんだけど……何だろう。

 背中がものすごく悲しそう。


「あんな小手先だけの技で。あんな卑怯な真似……」

「ちょっと待ってください。姉さんを卑怯者呼ばわりは止めてくください!!」

 

 タイガ君が進み出てタイシカーンちゃんに突っかかる。

 

「あんたは……」

「あなたを倒したレム・カノンの弟です。確かに最後は技術で勝敗を決しましたが姉さんは卑怯な真似はしたわけじゃありません」


 まあ、カノンちゃんって確かに何だかんだできちんとした格闘家だからなぁ。

 ただあのちょっと人を食った様な言動が誤解を生むんだよね。


「だ、だけどワタシは偉大なるご先祖様に誓って勝ち続けないと」

「そもそも、あなたが姉さんに負けたのは『あなたが弱かったから』です!!」


 瞬間、周囲の空気が凍り付いた。

 いやぁぁぁぁぁ!忘れてたよ。この子こういう所あるんだった!!!

 ダメだ。この辺はきちんと私が直してあげないと将来大失敗する!!


 耳障りなキーンという音が聞こえてきた。

 うわぁ、これ久しぶりだなぁ。

 しかも何かデジャヴ感があるんだけど……


「ワ、ワタシ、ヨワクナァァァイ!!!」


 叫び声をあげると共に災禍フィールドが展開しタイシカーンちゃんが巨大な角を持つヘラジカみたいな災禍獣へと変異した。

 わーい、何か前に見た事ある展開再びだぁ。


「災禍獣っ!よしっ、ここは俺がリンシアさんを守り……」


 臨戦態勢をとるタイガ君だがある所に気づく。

 うん。大丈夫。わかってるから。


「魔道具を忘れてきました。後、『ノヴァ』も置いて来ちゃった」


 という事はあれだよね。いつものあれだ。


「逃げるよ、タイガ君!!」

 

 タイガ君の手を取りフィールド内を逃げることに。

 あははは、やってることはあんまり変わらないなぁ!!!


 そんな中、ユズカちゃんが飛び込んで来て災禍獣の前に立ちはだかる。

 角で攻撃を避け魔道具を取り出した。


「聖装ッッ!!」


 聖装すると災禍獣と組み合う。

 元がスモウファイターな女の子なので力ではあちらが上。

 上手投げで投げ飛ばされる。

 更には角の追撃がやってくるがユズカちゃんはこれを受け止め災禍獣の顔面を蹴り上げた。


「さぁ、来い!災禍獣ッ!!!」 

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