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第76装 甘々ランチ

何とか書けた……けど短い

【リンシア視点】


 私達は屋台でご飯を買ってベンチに座って食べることにした。

 串焼きを美味しそうに頬張るタイガ君を見ているとつい笑みがこぼれてしまう。

 やっぱりこうしてみているとまだ子どもなんだよなぁ。

 ふと、肉の欠片が頬についていることに気づいた。

 うん、やっぱ子どもだ。


「ほら、ほっぺにお肉の欠片ついてるよ」


 指を伸ばし取ってあげる。

 うん。何かデートっぽいし年上のお姉さん感出せているかな?

 だけど……私の指についたこの肉片、どうしよう?

 えーと、私が食べる?いやいや、それはダメでしょう。

 だって間接キスになっちゃうよね?

 そういうのはあんまりよくないと思うんだ。


 捨てる?いやいや、せっかくの食材が勿体ない。

 となれば残っていて尚且つ年上っぽい選択肢は……


「はい」


 タイガ君の口に指を持っていき肉片を入れてあげる。


「あっ、す、すいません」


 ふふっ、かわいいなぁ……と言いたい所だけどよくよく考えたらこの行為って中々ヤベェェェェ!!!

 何かちょっと私、少年を惑わす魔性の女っぽくなってない!?

 あかん!元々誘惑からの子作りする為に産みだされた人格だったせいでナチュラルにこういうことしちゃったよぉぉぉ!!!

 もうタイガ君真っ赤になってるけど私も真っ赤だよこれ!!?

 でもここは大人の余裕!大人の余裕を見せるのよ!!!


「えーと、そのえーとねぇ……や、野菜も食べようね?」


 何言ってんの私!?

 もう慌てすぎてポンコツなお姉さんになっちゃってるじゃん!!

 でも確かに野菜も食べないとねぇってそうじゃなくて。


 周りから見れば仲の良いお姉さんと弟に見えるだろう。

 だけど私達って婚約者なわけでつまりは将来的には結婚することになってるんだよね。

 その結果があの『ママぴっぴ』で……うわぁぁぁ、また意識してきちゃった。

 大丈夫、ちゃんと産んであげるからこの記憶とりあえず消えてぇぇぇぇ!!!

 

「うへぇ、遠くから見てたけどお前ら予想以上に甘ったるい空気だぞ?」


「わー、年甲斐もなくドキドキしちゃった」


 振り向くとアル君とナギさんが親子で私達を見てほほ笑んでいた。


「アル兄さんにナギママ!!?」


 …………あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!! やらかしたぁァァァ!!!! 何してんの私ぃ!?

 でもまあ、確かに甘ったるいと言われれば否定はできない。


「ねー、アル。何かもうこのまま今日色々と踏み越えちゃわないかなこの二人」


「否定できねぇ。意外とリンシアがやらかしそうだ」


「しませんから!!!」


 普通に犯罪だから!彼がもっと成長したらその時は私としても覚悟を……ってだから違うってば!!


「いや、俺は感心してんだ。食べこぼしというお子様ムーブからこんなエロい空気を作り出せるなんてリンシア、お前やっぱすげぇわ」


 褒められても全然嬉しくなぁぁぁぁい!!!


「あの、僕は一体どうすれば……」


 とりあえず初デートなんだからかき乱さないで欲しい。

 どうにか……


「アル君、そう言えばさっきあっちの方でミズキちゃんを見たよ」


「何ッ!?それは本当かリンシア!」


「次男君と喧嘩したっぽくてプンプンしてたよ。そんな時にアル君が優しくしたらもしかしたら……?」


「よし、行ってくるぜ!サンキューな、リンシア!!」


 そう言って彼はわくわくした様子で行ってしまった。

 いや、君嫌われてるってこの前知ったよね。懲りないなぁ。

 素直にヒイナちゃんの婿さんになりなさいって。

 それでも邪魔者はひとり排除!こういう時は彼って単純で扱いやすいよね。


「うんうん。男を上手く転がしてる。レムの嫁としての片鱗見せてるねー。」


 何その怖い片鱗。

 というか美味い事転がしてるって物凄く人聞き悪いんですけど!!?


「それじゃー、ふたりともデート楽しんでね」


 そう言うとナギさんはニヤニヤしながら去っていった。

 うん。とりあえずこの人にはかなわない気がする。

 そして本当に気をつけないと私がタイガ君を押し倒す日が来てしまうかもしれない……

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