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第75装 ややこしい恋愛模様

今回ちょっと短めです。


【リンシア】


 まさかひなまつりに引き続き猛者フェスティバルはあるとは。

 しかもそれが初デート……ついでにカノンちゃんがスモウみたいな競技に参加して勝ち上がって行ってるし……多分あれ、優勝するよね?


 とりあえず、気を取り直さないと。

 これくらいのトラブルは想定済み。

 むしろこれからもっと日常的になっていくはず。


「そうだ、お祭りなら美味しいものとかあるよね。それ見に行こうか」


 この家の子は食べるのが好きだしこれはいいアイデアだ。


「はい!!」


 というわけでフードコート的なエリアへ足を運ぶわけだが……

 何か、たくさんの料理が乗った皿置いてあるテーブルが見えたなぁ。

 問題はそこに座っている筋肉の塊。うーん、あれはなぁ。


「あっ、ホクト兄さんですね」


 だよねぇ。

 もうあの大食ぶりと筋肉で分かったよ。

 何かよくわからないスポーツをしている次男君だよね。

 同じテーブルには見覚えのある女の子が座っている。


「あれって、ミズキちゃんだっけ?ヒイナちゃんの妹の」


「あっ、本当ですね。ミズキちゃんだ」


 見るとミズキちゃんはもりもり食べる次男君を不機嫌そうに眺めていた。

 うん。もうトラブルの予感だよ。


「ホクト。あなたはそうやって食べてばかりですね……」


「美味いんだしいいじゃねぇか。お前も食うか?」


「別にいらないわ。あのね、目の前に女の子が座っていて会話も無いというのはどうかしらね?」


「うん?そりゃそうだな。何か喋るか。ヒイナちゃん、なかなか来ねぇな」 


 次男君の言葉にミズキちゃんの眉が吊り上がる。

 だがすぐに落ち着き俯き加減で言った。


「あ、あのさ。姉様はその、ちょっと急用ができたみたいで来られないって」


「ええっ、マジかよ!?楽しみにしてたんだがなぁ」


 それは悪手な気がするんだけど……


「あ、あのさホクト。その、お祭り一緒に回るの、私とじゃ……ダメかしら?」


 こ、これはアレじゃないの!?恋の匂いがプンプンする!!


「うん。そうだな?まあ、お前とでもいいか」


 こらぁーーーーッッ!言い方!それダメじゃない!!

 デリカシー!!

 気づいてあげて!彼女の乙女心に気づいてあげて!!


「あ、あのさ。私いつもと違うんだけど、その、わからないかな?」


 わかる!お姉さん初対面だけどわかる。

 気合入れてメイクしたりしてるよね?


「うーん……胸が大きくなったか?」


 直後、大きな音が響き次男君の頬にビンタが入った。

  

「このバカっ!!鈍感!!!」

 

 ミズキちゃんは肩を怒らせて歩いて行く。

 うん、今のは次男君が悪い。


「お、おい待てよ!何をカリカリしてんだ?」


 慌てて追いかける次男君。

 マジで女心わかれぇぇぇ!!!


「あのさ、タイガ君。あのあたりの恋愛模様について知ってたりする?」


 そこはかとなくややこしい関係な気がする。


「えーとミズキちゃんはホクト兄さんが好きなんです」


 だよね。もう見ればわかるもん。


「ホクト兄さんはヒイナちゃんが好きです。そのヒイナちゃんはアル兄さんが好き。そしてアル兄さんはミズキちゃんが好きなんですよ」


 もう無茶苦茶ややこしいじゃない!!

 何これ?昼ドラでもこんなドロドロしたことなってないと思うよ!?

 

「ちなみに俺はその……リンシアさん、あなたが好きです」


「ッ!!」


 い、今のは反則でしょ!!!

 思わずときめいちゃったじゃない!

 この子、やっぱりたらしの素質があるわ。

 お父さんから受け継いだ才能ね?間違いないわ!!

 

「あ、ありがとう」


 うわぁぁぁ、ヤバイ!絶対私の顔、赤くなってる!!

 年下の男の子に翻弄されちゃってるよ!!



ちなみにリンシアはタイガの人たらしぶりは父親由来と思っていますが冤罪です。

実は本当に人たらしなのは母親であるフリーダの方だったりします。

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