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第45装 ドリルは全てを解決します

【リンシア視点】


「ウォホッホッ、我が変態とはおかしなことを言う少女だ」


 パンツ一丁の災禍魔人は腕を天高く掲げ叫んだ。


「我が名は秩序の守り人、災禍魔人……ラーヤッッ!!!」


 決めポーズしている所悪いけど、どう見ても変態なのよ。


「いや、だって変態……」


 ユズカちゃんが顔を青くしていた。

 年相応の女の子らしさがあってよかったよ。

 多分、災禍魔人のパンツが微妙に膨らんでいるのも原因だよね。

 うん、限りなく危ない存在だよ。R15指定じゃない?

 でも、この災禍魔人を倒さないと帰れないんだよね。


「ふっ、なるほど、さては我に見惚れたか!」


「あっ、いえ、別に見とれてませんので……」

 

 私はきっぱり言った。


「変態だ……変態だ……」


 ユズカちゃんがうわ言のように呟いちゃってるけど大丈夫かな?

 トラウマになっちゃわない?


「ユズカちゃん、落ち着こうか。怖いかもしれないけどあれは倒すべき変態だからね?」


「そ、そうだね。そう、あれは倒すべき変態」


 ユズカちゃんは自分に言い聞かせ奮い立たせていた。


「てかよぉ。てめぇはこんなトコで何やってんだ?あァ!?」


「ふふんっ!よくぞ聞いてくれたな。実は女性が変質者に追いかけられるという事件が起きていると聞いてな。正義感溢れる我はこうやって見回りをして麗しき女性達を守っているわけだ」


 正義感溢れてるところ申し訳ないんだけどその変態、お前なんだよなぁ。


「安心したまえ。君達の事は我が守って見せよう」


 何処からツッコメばいいんだろう。


「春ってのは変な野郎が出やがるもんだぜ!アタイの田舎でも何度かそういうのに会ったことあるぜ?全員バチボコにしてやったがなぁ!!」


 ちょっと乱暴だけど頼もしい発言だよ。

 ユズカちゃん、若干戦意喪失してるもん。


「ユズカちゃん、行けそう?」


「あ、うん。大丈夫ッッ!!」


 ユズカちゃんが『聖装』して構える。


「早くあいつを倒してお風呂入って全部忘れる!!」 


「んんーーっ、なぁるほど。我と敵対するという事か。つまり貴様らが巷を騒がす変態というワケだな?」


 いや、鏡を見てください。

 秩序を乱す輩が映りますから。


「バチボコにしてやんぜぇ!!」


 シフォンちゃんが金棒を担ぎ吠えた。

 魔人が指を鳴らすとシフォンちゃんの周囲から10数体の量産型っぽい魔人が出現。

 パンイチじゃなくて兵士っぽい見た目。わかるよ、戦闘員ポジションだね?


「面白れぇ、雑兵がチョーシこいてんじゃねぇぞ!!」


 シフォンちゃんが金棒を振り回して兵士を打ち据えていく中、ユズカちゃんは魔人ラーヤ目掛けて駆け出した。


「てやぁぁぁぁぁっ!!」


 先手必勝。

 ユズカちゃんはラーヤの顔面目掛け蹴りを放つが、あっさりと避けられ逆に足を掴まれてしまう。

 そのまま振り回され、地面に叩きつけられる。


「ああああっ!?」


「ほらほら、どうしたぁっ!!」


 ラーヤはユズカちゃんの脚を取るとアンクルホールドをかけ始めた。


「うぐぅ……!」

 

 苦しそうな声を上げるユズカちゃん。


「ま、まだだぁっ!!」


 ラーヤを蹴りアンクルホールドを外すと相手のバックに回り込みチョークスリーパーをかける。


「甘いわぁっ、正義の為に負けはしない!!」


 しかし、すぐに引き剥がされる。

 ラーヤはユズカちゃんにタックルして肩に担ぐとオクラホマ・スタンピードで地面へと叩きつけた。


「あ、あたしだって変態に負けたりなんてしないんだからっ!!」


 ユズカちゃんも負けじと起き上がり、飛び膝蹴りをラーヤの顔目掛けて放つ。

 しかし、それは腕でガードされ、カウンターのラリアットを食らってしまう。

 そのまま吹き飛ぶもなんとか受け身を取り立ち上がるユズカちゃん。

 だが、そんな隙を逃すはずもなくラーヤは彼女の脇腹にミドルキックを叩き込む。


「ぐっ、まだまだーっ!!」


 ユズカちゃんはビッグブーツをラーヤの胸元目掛け繰り出すが……


「馬鹿め!!」


 ラーヤの背中にあるエイヒレが広がりユズカちゃんの脚を包み込み拘束。そして、ラーヤはそのまま後ろに倒れながら彼女をスープレックスで投げた。


「スティングスープレックスッッ!!」


「がはぁっ!?」


 その勢いのまま地面を転がりながらも何とか立ち上がる彼女だったが、そこへラーヤが突進してくる。

 彼女はそれを躱すと素早く背後へ回り込み、今度はジャーマンスープレックス気味に地面へと叩きつける。


「や、やるではないか!だが正義の為に負けるわけにはいかん!!」


 ラーヤはすぐにリカバリして構えを取る。


 いや、どの口が言ってるんだよ……

 とは言えユズカちゃんが劣勢だ。災禍魔人は2mを軽く超える巨体。

 それに比べユズカちゃんは160cm程度しかない。体格差では圧倒的に不利である。

 更には常に回復魔法がかかっている様な状態らしくタフさもピカイチ。

 これまではその体格差と自動回復でも渡り合えていたがこの変態は今までの連中より強敵といった感じである。

 このままではいくらユズカちゃんでも体力が底を尽きてしまうだろう。

 シフォンちゃんは戦闘員相手に金棒を振り回しているが次々と現れる戦闘員を捌ききれていない。

 こちらへの加勢はしばらく無理そうだ。

 

 何か私に出来ることは……そうだ!

 一部例外はあるが災禍魔人の近くには宿主がいる。

 その深層世界にいる災禍の素を絶てば回復も出来ないしエネルギー供給が途絶えて弱体化するはず。


 私は近くに宿主が居ないか探し始めた。

 すると、民家の影に金髪の青年がいるのが見えた。

 駆け寄ると虚ろな目をしており恐らく彼が宿主で間違いない。

 私は『聖装』すると彼の深層世界へと飛び込んでいった。


 深層世界ではナメクジの様な気持ち悪い巨大生物が暴れていた。


「うわぁ、何か嫌だなぁ……行くよ!リンシアオー!!」


 合体メカであるリンシアオーを呼び出し搭乗。そのまま敵に向かって突撃していく。

 その勢いのまま、パンチをするが弾力のあるボディに跳ね返されてしまう。

 ならばと、今度はキックを仕掛けるがこれまた同じ結果に終わった。

 しかし、この巨大生物には物理攻撃はあまり効かない?だけどリンシアオーには物理武器しかない。


「ならっ、威力が高い聖装剣で!って、うわっ!?」


 剣を構えた瞬間に、敵は全身を触手の様に伸ばしてリンシアオーの四肢に絡みつき動きを封じてくる。

 そして、そのまま持ち上げて地面に叩きつける様に叩きつけた。

 更には起き上がった所に粘液を吐き出してくる。粘液はリンシアオーに着弾すると爆発をおこし、煙を上げている。

 さらに追い討ちをかけるかの如く、次々と吐き出される粘液爆弾によってリンシアオーはダメージを負っていく。


「これはまずいかも……何か打開策は……」


 弱点を探して敵を観察すると口を開いた時、奥に光る物を見つけた。

 どうやら敵の口内にはコアがあるようだ。あれを破壊すれば倒せるはず……!

 すると本が光り出す。ここで新しい力だね!


「ドリルビークル、発進!!」


 巻貝の先にドリルがついたメカが現れる。

 ドリルキタァァァッ!!

 相変わらず物理頼りなのが気になるけど、まぁ仕方ないよね。

 そしてこういう時は定番な事がある。


「武装合体ッッ!!」


 ノリで叫んでみるとやはりというかドリルビークルがリンシアオーの腕に合体。


「よしっ!このまま突貫するよ!!」


 勢いよく敵に向かって突っ込むリンシアオー。

 全身から触手を伸ばし絡め取ろうとする。

 だが、それをドリルで切り裂きながら突き進み爆破粘液を出そうと開けた口にドリルをねじ込み……


「デットエンドスクリューッッ!!」


 コアを貫通させる。

 それにより敵は大爆発を起こし消滅していった。


「リンシアオー、勝利ッ!!」


 これで魔人は弱体化するはず!


「ユズカちゃん、今戻るから!!」 

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