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第41装 四天王的なポジション(※)

※カノンとベルの関係間違えてました。

カノンが姉でベルが妹です。修整しました。

【タイガ視点】


 人生何が起きるかはわからない。

 だから常にいろいろ備えをしていく必要があるわけだ。


「ねぇ、タイガ君」

挿絵(By みてみん)


 ベッドにはあられもない姿のリンシアさん。

 そう、例えばこんな状況に出くわすことだってあるかもしれない。


「リ、リンシアさんっ、キレイです!」


「ふふっ、嬉しいな。ねぇ、おいで?立派な男性になれたわけだし、約束通り、私の全部をあげるね」


 リンシアさんが妖艶に微笑む。

 そして僕の頭を抱き寄せた。

 柔らかそうな胸が目の前に広がる。


「ほら、触ってもいいんだよ?」


「はいっっ!!!」


 こんなの絶対に夢だ!

 だけど構わない。この際、夢で行ける所まで!!

 恐る恐る手を伸ばす……



「はっ!!」


 決意を固めた瞬間、目が覚めてしまった。

 人生は思うようにいかない。これもまた真理である。


「きゃっ、びっくりした」


 聞こえてくる声に首を動かすとそこにはリンシアさんが立っていた。

 これは夢の続きか?否、これは……


「現実か……」


「大丈夫、弟君?机で寝てたから風邪ひいちゃダメと思って毛布かけたんだけど……起こしちゃったね」


 残念と思うべきかリンシアさんの天使的行為を目撃出来た事に感謝すべきなのか。

 いや、所詮は夢だ。ここは実際にリンシアさんと話すことができる今の勝ちだ。

 夢の中で想いを果たそうと一瞬でも考えた自分を戒めなくては。

 それにしてもリンシアさん……やっぱりまだ『弟君』なんだよな。


「勉強、根詰め過ぎたらダメだよ?」


「あ、ありがとうございます」


 ああ、抱きしめたい。

 この人に俺の気持ちを伝えたい。

 だけど今の状況でそれをしても所詮は『ユズカ姉さんの弟君』でしかない。

 優しい人だから親に言いつけたりもしないだろうけど関係は絶対に悪くなる。

 でも、もうすぐシフォンちゃんが、あの蛮族従姉がウチに来る。

 非常にまずい事態だ。


「そう言えばシフォンちゃんって娘。男の子がみんな怖がってたけど……」


「いやまあ、あの人は超絶自分第1主義なんです。だから会うたびに騒動が起きちゃうんです」


 ため息。


「4年前はアル兄さんのファーストキスを無理やり奪ってヒイナちゃんと掴み合いの大げんかになりました」


 あの時は最終的にヒイナちゃんが負けて泣きべそかきながら帰っていきアル兄さんが慌てて追いかけていったよな。

 あの後、どうなったんだろう?


「うわぁ。凄いね……え?シフォンちゃんって子は長男君の事好きだったの?」


「あーいえ。そういう感情は無くて何というか獲物を討ち取った!みたいな感じ?」


「野蛮過ぎない!!?」


 そうなんだよなぁ。

 シフォンちゃんは野蛮なんだよ。

 自分がしたい事をやる!カノン姉さんやユズカ姉さん以上の自由人なんだよ。


「ちなみにホクト兄さんは去年、『そんなにエロい事ばっか考えてるなら相手になってやるぜ』って無理やりベッドに連れ込まれあわやの所で母さんに助けられてました」


「怖っ!!」


 あのホクト兄さんが涙目で震えてたからなぁ。

 これ、今度は順番的には俺が何かされるんだよなぁ。

 

□□

【リンシア視点】


 シフォンちゃんってのは相当ヤバイ娘らしい。

 少なくとも男の子達は怖がっている。

 じゃあ、女の子は?


 ユズカちゃんは『面白いお姉さんだよ』って言ってるけど面白いにも限度があるしなぁ。

 マリィちゃんは『圧倒されちゃうけど優しい』らしい。

 女の子からの評価は普通なのかと思いきやベルちゃんは一言、『嫌い』だった。


 うーん、掴めないなぁ。


「ふふっ、どうやらシフォンちゃんについて気になるようだね」


 廊下で出会ったカノンちゃんが面白そうに私を見ていた。


「カノンちゃんの中では、シフォンちゃんはどういう子なの?」


「実に面白い質問だ。そうだね…………従姉。ただそれだけさ。彼女の人物像を評価するにあたって主観は邪魔になる。あくまで客観的事実を積み重ねていくことが正しい評価につながると思うよ?」


 相変わらずよくわからない事を……


「じゃあ、客観的にどういう娘?」


「彼女は一族の中で『四狂』と呼ばれるひとりさ」


 何か恐ろしく物騒な単語が飛び出してきたんですけど!?


「私達の世代の中でも特に危険でヤバイ4人を『四狂』と呼んでいる。『大渦』『超シフォン主義』、『折神』、そして……」


「カノンちゃん、最後のひとりはダメでしょ?」


 いつの間にかやってきていたベルちゃんが止めた。


「ああ、そうだった。すまないね、リンシアさん。最後のひとりについては秘密とさせて欲しいよ」


 何それ気になるじゃない。

 まあ、でもダメなんだろうな。ベルちゃんが慌てて止めに来るくらいだからマズい何かがあるんだろう。


「カノンちゃん、出来れば『四狂』の話は止めて欲しいよ。恥ずかしいんだから……」


「いいじゃないか。妹が最狂の4人に数えられているなんて姉としては鼻が高いよ」


 え?恥ずかしい?

 妹が数えられている?


「ボクとカノンちゃんは生まれたの、1節も違わないんだよ?」


「でも妹である事に変わりはないよね?」


「あ、あのさ。今の話だとその……」


 そうだ。今の話によれば『四狂』のひとりはカノンちゃんの妹。

 そしてベルちゃんの反応から察するに……


「紹介しよう。我が妹にして『四狂』の一角。『折神』の異名を持つレム・リゼット・ブルーベルだよ」


「もうっ、カノンちゃん!!」


 やばーーっ!!

 ベルちゃんまさかの四天王ポジだった!

 でも思い返せば災禍魔人単独で倒せそうだったもんね。

 ほぼ余裕だったし。『こうかはいまひとつのようだ』でも物理で上から殴り倒せる感じだったもの。


「でも『折神』って……」


 呟くとベルちゃんの懐から折り鶴が飛び出して宙を舞う。

 え?何これ?


「これがボクの能力。紙を折って命を与えたり性質を変化させることができるんだ」


 何か物語の主人公っぽい、もしくは中盤くらいに出てくる強敵っぽい能力なんですけど?


「まあ、本体の方が強いからこれを戦闘で見る機会はあまりなくて研究しにくいのが難点だね。シフォンちゃんが来て喧嘩になれば見られるかもしれないとわくわくしているよ」


「他人事だと思って……」


 やっぱりこの家の子、半端ないわ……

 そして今の所、シフォンちゃんは『バチクソにヤバイ娘』なんだけどなぁ……

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