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夏目  作者: 藤いろ
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第2部・概念の里編 2話(第27話)

「アンタ何やってんの?」

私の目の前には二人の男女。ちょっと化粧の濃い茶色と青の入った髪色の40代の女性は私の母だ。50代くらいの汚いと小金持ちの間みたいな男の方は知らない。

「ちょっと旅行しようと思って。その人新しい彼氏?」

「あ・・・そう・・・・。うん、新しい彼氏なんだけど」

「何!?カミラちゃんの娘!?」

男が会話に入ってくる。

「そう娘・・・。アンタお金あるの?」

「あと少しなら」

「じゃあこのカード自由に使って良いから。コレ暗証番号ね」

「わ~ありがとー!お母さん大好きー!」

「うん・・・。気を付けてね」

「オイオイ~嬢ちゃん!何だその態度はよぉ!そのカードはお母さんが一生懸命働いた金だぞ!感謝が足りねーんじゃないのか!?」

男が声を荒げて私と母の間に入ってくる。男は何故すぐに声を荒げるのか。

「良いのよ!私達はこういう関係なの!」

「良くねぇよ!こういうガキはちゃんと躾ねぇと!」

止める母を突き飛ばし男が私の胸に手を伸ばしてくる。気持ち悪い顔がニヤけていて、あわよくば私とお赤さん二人と・・・何て考えてるんだろう。気持ち悪い、気持ち悪いよ・・・・コイツもお母さんも自分も世の中も全部、全部。

気持ちの悪い手が私とあと数十センチの所で男は床に叩きつけられた。

「がはあっ!!?」

「衣耶音さん!大丈夫ですか!?」

叩きつけたのは一里塚。男の頭を持って顔面が潰れるように叩きつける辺り容赦ないな~。

「うん、大丈夫」

「コレどうしますか?」

「人目のない所で関節全部逆にしといて。あ、監視カメラとかも気を付けて」

「はい!」

返事をすると一里塚がその場から消えた。さてちょっとザワザワしてきたな、天下の東京駅駅員さんもすぐ来るでしょう。私もカクシとお弁当買って逃げるか。

「あ、・・・・何今の?あの人は?」

状況が飲み込めず座り込んだまま震えてるお母さんに私は耳打ちした。

「あ~お母さんの彼氏だから殺してはいないよ。その内どこかで見つかるよ」

「え?・・・・衣耶音・・・アンタ・・・」

「カードありがとう。いっぱい使わせてもらうね♪ホントお母さん大好き。・・・・お母さんは私の事好き?」

「あ・・・好きよ・・・愛してる!」

「知ってる」

母をその場に残し、店の奥に進む。

「衣耶音さん!・・・・何かありましたか?」

「ちょっとだけね。行こうカクシ、お弁当は決まった?」

「はい!このごぼうと牛肉のが良いです!」

「美味しそうなの選んだなぁ」

他に二つお弁当を選んでカクシの手を引き店を出る

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