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夏目  作者: 藤いろ
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第2部・概念の里編 1話(第26話)

3人で乱れてから3日後に私達は出発した。

カクシと一里塚の完治に3日かかったからだ。その間私は禁欲生活。流石に3日前の自分を恨んだ。

カクシと一里塚は完全に治り、何事もなかったような身体だ。凄いな、本当に人間とは違うようだ。・・・・・膜も復活してるかな、あとで確認しよう。確か2人とも最初はあったと思う。

などと考えてる内に東京駅。

「衣耶音さん。何か買うって言ってませんでした?」

と顔に合わない大きいサイズのサングラスをしてるカクシがのぞき込んでくる。目隠しも良いけど公共交通機関を使うからね。これがまた合ってないサイズが可愛いんだ!それに水色のワンピース!これも良い!ネットで買っちゃった~。

「あ~あっと駅弁!新幹線には駅弁だよ!」

「そんなにですか?」

首をかしげるカクシ。

「そんなにだよ!」

「何かお目当てがあるんですか?」

後ろから私の顔を見下げる形でパンツスタイルのスーツの一里塚が聞いてきた。後ろ頭に胸が当たってる。ブラの固さと胸の柔らかさを同時に感じる。

「これが食べたいってのはないんだけどね。それでも駅弁は買うんだよ!」

「そういうものですか。私は荷物も見てますのでお二人で見て回って来ますか?」

「ありがとう。一里塚の分も買って来るよ、何が良い?」

「そ、そんな!悪いですよ!」

「良いって遠慮しない~」

「・・・じゃあ肉のものを・・・」

肉好きなのか、それでそのダイナマイトボディを作ったのか。

私とカクシは手を繋ぎ、東京駅の地下のグランスタに行った。

「カクシは何が食べたい?」

「こういうのは自分で選んだ事がないので・・・・迷います!」

「いつもご飯どうしてたの?」

「私の食べるものは全て一里塚が作ってましたので、私は一里塚の料理以外食べた事がありません」

マジか!え~凄いお金持ちのお嬢様っぽい!けど、カクシって里の姫みたいな存在って言ってたような。

「好きなの選びな」

「迷います~!」

めっちゃ笑顔だ。可愛い。妹がいたらこんな感じなのかな・・・・。いや普通妹に手出さないか、いや今なら有るかな・・・・・・・・・・・・・・・・・。うん!気持ち良ければ良いか!

「衣耶音さん!こちらのも美味しそうですよ!」

「ハハッ全部買っちゃうか~」

小走りをして店の奥に消えていくカクシ。

割と狭い店内。追うのも大変だ。

避けながら歩いているとすれ違いざまに声をかけられる。

「衣耶音?」

「お母さん」

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