第22話
気付いたら家の居間のソファだった。
「衣耶音さん大丈夫ですか?」
一里塚が聞いてくる。
「あ、ああえっと全然覚えてないんだけど・・・・」
「簡潔に言いますと、あの黒い式神は衣耶音さんが壊しました。その、衣耶音さんはとても感情が昂っていて式神を壊した後も暴れまして・・・・」
「よく警察に連れていかれなかったね」
「結界術などを使い誤魔化しました」
便利だなぁ結界術。覚えようかな。そして私は周りを見回して聞く。
「・・・・カクシは?」
「あの・・・・その・・・・」
私が身を乗り出すとバン!!と居間のドアが開いた。
「衣耶音さん!気が付かれましたか!?すみません!私がいながらお手を煩わせてしまい!罰として手と足の爪全て剥がしました!!」
血だらけの手と足を見せてくるカクシ。
「もちろんこれで許されるとは思ってません!どうか!どうか私を壊してください!!生きてる価値もございません!!」
土下座し涙を流し床に頭を打ちつける。
「カクシ様おやめください!!」
「離せ!一里塚!私は!私は!ゴミなのだ!愛する人も守れず何も出来なかった!!」
目隠しも外れ、涙とよだれと血まみれで半狂乱のカクシ。
ああ私の一番好きなカクシの顔だ。ああ何てイイんだろう。ああ、ああ、ああ、
とりあえずカクシの出す液という液を舐めつくした。