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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第6章 結成、ユニークなレギオン?

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第93話 決意の後の……


 レギオンを作って白金級ハンターを目指す。


 春風がそう決意を明らかにした後、ツクヨミはそれに満足したのか、


 「それじゃあ、私はこれで」


 と言って、元いた場所へと帰った。


 それでこの話は終わり……の筈だったのだが、


 「ああ、そうそう春風さん」


 と、フレデリックが何かを思い出したかの様に春風に話しかけた。


 「何ですか?」


 「ラッセルさんからの報告にあったんですが……あなた、()()()()()の魔導具を作ったそうですね?」


 (ゲッ!)


 ニヤリと黒い笑みを浮かべてそう言ったフレデリックに反応したのか、リアナとアリシア達は


 『……え?』


 と言って、一斉に春風の方を向いた。


 春風は「ハハハ」と乾いた笑い声を出すと、たらりと冷や汗を流した。


 その後、春風はギルド総本部の屋上で、その魔導具ーーフライボードを全員の前で披露した。それを見た幼いイアン、ニコラ、マークの3人は勿論、リアナ、そしてフレデリックやアリシア達も、目をキラキラ輝かせていた。


 (うぅ、何か凄く恥ずかしい‥…)


 そう感じた春風がフライボードについて説明し終えた頃には、外はもうすっかり日が暮れていたので、その場は解散となった。アリシア達は総本部内にある簡易宿泊施設に泊まると言う事で、春風とリアナは彼女達と別れた後、拠点である宿屋、白い風見鶏へと戻った。


 二人が宿屋に着くと、オーナーであるレジーナが出迎えて、


 「良く帰ってきてくれたね」


 と言って、優しく二人を抱き寄せた。その際、レジーナの娘シェリルも、二人の無事を確認して、


 「よ、良かったよぉ」


 と、泣きながら抱きついてきた。その側ではレジーナの夫のディランが、無表情のまま涙を流して立っていた。


 暫くして、春風はディランに、シャーサルに戻る前に回収しておいた、厨房から盗まれた「特製モーニングスープ」が入っていた鍋を返した。その際に、


 「すみません。俺がこの鍋を見つけた時には、もう盗人の姿はありませんでした」


 と、嘘の報告をした。流石にその盗人が、断罪官に追われていた「異端者」なうえに今日から自分が作るレギオンのメンバーになるとは言えなかった。言ってしまったら、きっとレジーナ達も「異端者」に認定されてしまうと考えたからだ。


 バレないかなと春風は内心ドキドキしたが、報告を聞いたディランは、


 「……こうして、お前達と鍋が無事に帰ってきてくれたから、良い」


 と、無表情のまま答えたので、ホッと胸を撫で下ろした。


 その後、春風はレジーナに、


 「俺、レギオンを作ることになりました」


 と、そうなった経緯(勿論嘘の経緯だが)を含めて報告すると、


 「そりゃあ凄い! なら今夜はお祝いしなきゃねぇ!」


 と言って、ディランに豪勢な食事を作らせた。無事に戻ってきたことに喜んでいたのか、その時のディランが作った料理は、とても美味しかった。


 そして、食事が終わって部屋に戻った春風は寝間着に着替えると、そのままぐっすりと眠りについた。


 翌日、朝食を終えた春風とリアナが、ギルド総本部でアリシア達と合流すると、


 「さて、今日は皆さんに見せたいものがあります」


 とフレデリックに言われて、春風達は「何だろう」と思って彼について行った。当然、「泥棒探し」の依頼についての報告をした後で、だ。


 「さぁ、ここですよ」


 と言われて案内された場所は、シャーサル住宅区の片隅にある大きな一軒家の前だった。


 「あの、ここは?」


 春風がフレデリックにそう尋ねると、彼は穏やかな表情で、


 「今日からここが、あなた達の『拠点』になります」


 『え?』


 春風達はフレデリックとその一軒家を交互に見ると、


 『ええぇーっ!?』


 と、皆一斉に驚きの声をあげるのだった。


 

 


 


 

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