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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第6章 結成、ユニークなレギオン?

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第90話 悩んで悩んで、「神様」降臨!?


 (ど、どうしよう……)


 周囲の人達の視線が突き刺さる中、春風はもの凄く悩んでいた。


 (これって、全部話さなきゃいけない状況だよなぁ?)


 現在、春風が悩んでいるのは、フレデリックとアデル達に「本当のこと」を話すべきかどうかだ。ここで全てを話すのは簡単かもしれないが、信じてもらえる確証なんてなかった。


 (いやそれ以上に、これどこまで話せば良いんだ?)


 さらに、()()を話すということは、自身だけでなくリアナのことやジゼルのこと、さらに「本当の予言」のことや、最近起きている魔術師達の異変の原因まで話さなくてはならず、それが、春風の悩みを大きくしていた。


 (うう、どうしよう、周りの反応が……怖い)


 「お、俺……は……」


 どうにか口を動かすが、思う様に言葉が出なかった。


 最早、どうすれば良いのかわからなくなった、まさにその時だった。


 ジリリリリリッ! ジリリリリリッ!


 『!?』


 突如なった謎の音に全員が驚いた。音の出所は、春風のズボンのポケットだった。


 (まさか……)


 そう思った春風はポケットに手を突っ込んで、音の原因となったものを取り出した。それは、あらかじめガントレットからはずしていた零号だった。そしてその画面には、とある「存在」の名前が表示されていた。


 リアナを除く全員が「なんだなんだ?」と驚いている中、春風はすぐに零号を通話モードにして、


 「はい、もしもし?」


 と、話しかけた。すると、


 「春風君。私を呼んでください」


 通話口の向こうから、上品そうな男性の声が聞こえた。


 春風はその声に従って、零号の画面を上にかざすと、画面が激しく光って魔法陣を展開し、そこから白いワイシャツと青いジーンズ姿をした、綺麗に1つに束ねた長い黒髪が特徴的な若くて上品な男性が現れた。因みに、足は裸足だった。


 春風を除く全員がその男性に見惚れる中、フレデリックが意を決した様に口を開く。


 「あ、あなたは?」


 男性は「フフ」と穏やかな笑みを浮かべて答える。


 「はじめまして、皆さん。私の名は、月読命(つくよみのみこと)。異世界『地球』の神の1柱にして、日の本の『月』を司る(もの)。『ツクヨミ』と呼んでくださって構いませんよ」


 「い、異世界の……神様!?」


 自らを「神」と名乗った男性に驚くアリシア。否、アリシアだけじゃない。アデルや幼いイアン達も同様だった。フレデリックはというと、表情こそ冷静を装っているが、その額からたらりと冷や汗を垂らしていた。


 月読命ーーツクヨミはその様子に「ふむ」とだけ言うと、春風の方を向いて、


 「春風君」


 と、優しく話しかけた。


 「ツクヨミ様、俺……」


 名前を呼ばれた春風が応えようとすると、


 「大丈夫、()()()の許可は得ているよ」


 と、ツクヨミは穏やかな笑みを崩さずにそう言った。


 「……よろしいのですか?」


 「うん、私も手伝うから」


 春風はツクヨミとそうやり取りした後、リアナの方を向いて、


 「リアナ」


 「ふぇ!?」


 いきなり呼ばれて間抜けな返事を返事をするリアナに、春風は一言、


 「ごめん」


 とだけ言うと、それで全て察したのか、すぐに真面目な表情になって、


 「うん、良いよ。私も、話すから」


 と言った。


 さらに春風は零号に視線を移して、


 「ジゼルさん」


 と話しかけると、


 「わかりました」


 と、ジゼルは零号の中から返事をすると、そこから出てフレデリック達の前に姿を現した。


 「わ! またなんか出た!?」


 と、アリシアが再び驚くと、


 「アリシアさん」


 と、真剣な表情の春風が話しかけてきた。


 「な、何かな?」


 「俺がこれから話す事は、あなたにとって()()()()事実なのですが、それでも聞きますか?」


 ジッと見つめながら問う春風に、アリシアは「う……」となったが、覚悟を決めたのか真っ直ぐ春風を見て、


 「……ああ、構わない。聞かせてくれ」


 と答えた。


 「わかりました」


 春風はそう言うと、周りを見回して、


 「皆さんに、全てをお話しします」


 そして、文字通り「()()」を話すのだった。


 


 

 

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