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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第5章 対決、断罪官

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第61話 思わぬ「お誘い」


 (どうしてこうなった?)


 と、心の中でそう呟いた春風は、現在、ギルド総本部職員の女性メイベルと一緒に、総本部近くの喫茶店にいる。


 何故そんな所にいるのか?


 勿論、数時間前にメイベル本人に誘われたからである。


 本来の予定はハンターとしての仕事をする筈だったのだが、断罪官が来ていたことや、ジゼルの生前の話を聞いたり、肝心のハンターの仕事も特にこれといったものが無かったというのもあって、心の中が僅かにモヤモヤしていた所に、まさかのメイベルからの「お誘い」があったものだから、幾らオーケイしたとはいえ、まだ精神的に若干混乱していた。


 (落ち着け、落ち着くんだ春風。折角の女性からの『お誘い』なんだ。ここは気分を変えて楽しむのが『男』ってもんじゃないか。あとリアナとジゼルさん、ごめんなさい!)


 春風は心の中でリアナとジゼルに謝罪しつつ、今はメイベルとの食事を楽しむ事にした。


 因みに、現在ガントレットは外していて、中のジゼルさん入り零号はズボンのポケットの中だ。


 喫茶店の店員に、春風とメイベルは同じサンドイッチのセットを注文した。ここのオススメメニューらしい。


 「ところで、ハル君……」


 春風がサンドイッチを美味しそうに頬張っていると、目の前に座るメイベルが口を開いた。


 「? 何ですか?」


 「貴方、リアナとどういう関係なの?」


 「!?」


 突然の質問に春風は、口の中のサンドイッチを変な風に飲み込んでしまい、ゴホゴホと咳き込んだ。その後、テーブルに出されたコップに入った水をゴクっと飲み干した。


 「ふぅ。いきなり何ですか?」


 空になったコップをテーブルに置くと、春風はメイベルをちょっとだけ睨みながらそう質問した。


 「あぁ、ごめんね! 別に変な意図は無いから!」


 と、慌てて言うメイベルに対し、春風は警戒心を解かなかった。そんな春風を前に、メイベルは「ふぅ」と息を吐くと、真面目な表情になった。


 「あのね、本当に変な意図は無いの。ただ、リアナが貴方に凄く心を開いているみたいだったから、ずっと気になってたの」


 真っ直ぐ春風を見て話すメイベルに、春風は少しだけ警戒を緩めると、


 「……どういう事ですか?」


 と質問した。


 それに安心したのか、メイベルは話を続ける。


 「リアナ、性格は明るいんだけど、他の人に対して一定の距離を置いているっていうか、あまり関わらない様にしてるっていうのかな。だからあの子、ハンターの仕事はいつも1人でこなしていたんだ」


 「え、マジですか!?」


 「うん、マジ」


 これには春風も驚いた。まさかリアナが、1人でハンター生活を送っていたという事実を知ってしまったのだから。


 さらにメイベルは話を続けた。


 「まぁ1人っていっても、他のハンターと協力しなきゃいけない仕事は、特に問題を起こさずきちんとこなしていたけどね」


 「そ、そうですか」


 それを聞いて、春風は安心した。


 「ええ。ただそれでも、やっぱり仕事が終わればリアナはまた1人で仕事をする様になったわ」


 「……」


 暫くの間、2人の場が沈黙に包まれた。


 そんな中、再びメイベルが口を開く。


 「ねぇ、ハル君」


 「……何でしょうか」


 「さっきの、リアナとの関係についての質問、もし嫌だったり、都合が悪ければ答えなくてもいいの。ただ……」


 「ただ?」


 そう尋ねると、メイベルは春風の手を握って、


 「どうかこれからも、リアナの側で、リアナの事を支えてほしいの。それが出来るのは、多分ハル君だけだと思うから。だから、お願い」


 と、真剣な眼差しで春風にそうお願いした。


 「俺は……」


 言葉に詰まった春風が答えようとした、その時、


 ーーガタン。


 ーーカラン。


 と、喫茶店の扉が開かれて、中に漆黒の鎧を纏った2人組みの男性が入ってきた。


 



 


 


 


 

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