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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第5章 対決、断罪官

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第57話 思わぬ襲撃


 (え!? なんだ!? 何で森の中から子供達が!?)


 突然、森の中から現れた3人の子供達に、春風は驚きを隠せず混乱し、その場から動けなくなっていた。


 そんな春風の心情を知らずに、子供達は春風に駆け寄った。


 「ねぇねぇ、今の何!?」


 「空、空飛んでたよね!?」


 「すっごくカッコよかったぁ!」


 固まったままの春風に、興奮した様子の子供達が声をかけてくる。


 春風はどう答えれば良いのかわからず途方に暮れていた、まさにその時、


 「その子達から離れろ!」


 という怒鳴り声と共に、森の中から「何か」が飛び出してきて、春風に襲いかかってきた。


 春風はすぐに子供達を自身の後ろに隠すと、左手を前に突き出して、


 「求めるは“風”、()()()()()、『ウインド・ブロック』!」


 と、目の前に風属性の魔力の壁を生み出す魔術を唱えて、襲ってきた「何か」を防いだ。


 「く!」


 攻撃を止められたと知った「何か」が、一旦春風から離れた。


 春風は「一体何なんだ?」と思ってその「何か」の正体を見てみると、それは、小振りの剣を持った春風と同い年くらいの少年だった。


 「オイ、危ないじゃないか!」


 春風はギロリと睨みつけてくる少年にそう怒鳴ったが、


 「黙れ! その子達から離れろって言ってるんだ!」


 と、少年も負けじと怒鳴り返してきた。


 話を聞いて、「そうか、この子達の保護者か」と考えた春風は、


 「オーケイ、わかったよ。俺はこの子達に何かをする気は無いから、その武器を下ろしてくれないかな?」


 と、両手を上げてそう言った後、少年を見ながら子供達の背後に移動した。


 「ほら、あのお兄さんの所にお帰り」


 春風がそう優しく言うと、子供達はションボリした表情で、目の前の少年のもとへと歩いていった。そして、3人とも少年の近くに着いたのを確認すると、


 「うんうん。それじゃあ俺はこの辺で……」


 と、春風はそう言ってその場から離れようとした。


 だが、


 「待て」


 と、何故か少年が引き止めてきた。


 「な、何でしょうか?」


 引き止められた春風が、恐る恐る少年にそう尋ねると、


 「一緒に来てもらう」


 と、少年は春風を睨みつけながら答えた。


 「な、何故に?」


 「仲間を呼ばれたら面倒だからな。お前をこのまま帰すわけにはいかない」


 (ええ?)


 少年にそう言われて、春風はどうしようかと考えたその時、


 「! オイ、危ない後ろ!」


 と、春風は少年達の背後に向かって叫んだ。


 「何!?」


 少年達が背後の方に振り向くと、そこには何もいなかった。


 「お前、何のつも……」


 少年が春風に向き直った時、


 「いない!?」


 そこには、既に春風の姿は無かった。


 「アイツ!」


 騙されたと理解した少年が、怒って春風を追いかけようとしたその時、


 「よせ」


 と、背後から止める声がした。少年が再び背後を振り向くと、そこには長い茶髪の女性が立っていた。


 「でも、アイツを追いかけないと!」


 少年がそう言うと、女性は、


 「今、私達の事を知られるわけにはいかない」


 と、穏やかな口調で少年を諭した。


 少年は少し考えた末、


 「……わかった」


 と、少年は手に持った剣を鞘に納めた。


 そして、春風がいた場所を睨むと、子供達と共に女性の後を追って森に入った。


 一方、少年達を欺いた春風は、


 「ウオオオオオオオッ!」

 

 と叫びながら、草原を全力で走っていた。当然、手に持っていたフライボードは既にポーチにしまっていた。


 その後、シャーサルの近くに着くと、すぐに立ち止まって、


 「ふぅ、危なかった」


 と汗を拭いて、今度はシャーサルに向かって歩き出したのだった。


 


 


 


 


 


 


 

 前作とは違うストーリー展開なので、文章的におかしな所があったら指摘してください。

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