最終話 そして、決戦へ
お待たせしました、本編最終回です。
翌日、次元艇セイクリアの前では、春風をはじめとした大勢の人達が集まっていた。緊張しているのか、皆、ゴクリと唾を飲んで表情を強張らせている。
そして、暫くすると、
「っ! 次元艇から何か来ます!」
と、兵士の1人がそう叫んだの聞いて、その場にいる人達が一斉に次元艇セイクリアの方へと振り向くと、
「……何だありゃ?」
と、誰かが言ったように、次元艇セイクリアから無数の何かが出てきたのが見えた。
それは、背中から白い翼を生やした白銀に輝く鎧を纏った騎士……いや、最早「天使」と呼べばいいだろうか。
とにかく、その鎧を纏った天使達は、それぞれ手に槍と盾を構えて、一斉に春風達の方へと向かってきた。
それを見た瞬間、
「総員、戦闘用意!」
と、ウィルフレッドの号令を受けて、セイクリア王国の騎士や兵士達が一斉に武器を構え、その後に続くように、
「お前らも続け!」
と、ギルバートの号令を受けてウォーリス帝国の兵士達も武器を構えて、最後にシャーサルから集まってきたハンター達も戦闘態勢に入った。
そして、両者の激しい戦いが始まった。
敵の天使達が次々と攻撃を繰り出してくる中、セイクリアとウォーリスの兵士、騎士達とハンターの連合軍の負けじと攻撃する。
そんな激しい状況の中、
「よし、俺達も行こう!」
『おう!』
と、次元艇セイクリアへの突入組である春風達も、フライング・カーペットに乗って飛び立った。
そんな春風達を、
「皆様、どうかお気をつけて」
と、イブリーヌは静かに祈りながら見送った。
天使達と連合軍の攻撃をすり抜けて、春風達を乗せたフライング・カーペットが、次元艇セイクリアの上空に着く。
向かう場所は、王都の部分の中央にある王城だ。ウィルフレッドの話によると、この王城の地下に、次元艇セイクリアの心臓に当たる「動力室」があるという。
「……」
春風がジッとその王城部分を見つめる一方、次元艇セイクリア内部では、
「クックック、さぁ来るがいい」
と、「光の神」を名乗るラディウスと仲間達、そして、春風達を裏切り、天使となった切嗣達が、今か今かと待ち構えていた。
そうとは知らない春風は、目の前の王城を見てゴクリと唾を飲んだ。
そんな春風を、
「大丈夫だからね、ハル」
「そうさ、君には僕達がついてるから」
と、隣のリアナと水音が励ました。
2人の言葉を聞いた春風は、
「ありがとう」
と、笑顔でお礼を言った。
そして、真っ直ぐ王城を見て、
「よし、行こう!」
というと、フライング・カーペットを進ませた。
(待ってろよ、悪党ども! まとめて俺達がぶっ飛ばしてやるからなぁ!)
どうも、ハヤテです。
以上を持ちまして、この物語はここで終了とさせてもらいます。
詳しい謝罪につきましては、本日もう一本投稿しますので、そちらの方を読んでください。
大変、申し訳ありませんでした。




