第543話 謝罪と、誓い
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
リアナ、水音、そして、春風の順に、全ての報告が終わると、
「ほい、3人共お疲れさん。じゃ、今後のことを話し合う為に、ちょっと一休みしようや」
と、ギルバートがそう提案してきたので、その場は一旦解散となった。
そんな中、
「ふう」
と、小夜子から「単独行動禁止」と言われているにも関わらず、春風は1人テントの外で疲れ切った表情で溜め息を吐いていると、
「幸村」
と、背後で自分の名前を呼ぶ声がしたので、「ん?」とすぐに声がした方へと振り向くと、そこには真剣な表情をしている翔輝がいた。
「えっと、どうしたの前原君?」
と、春風が恐る恐る尋ねると、
「すまなかった」
と、翔輝は春風に向かって深々と頭を下げて謝罪した。
「……え、何!? いきなりどうしたの!?」
突然のことに驚いた春風が再び尋ねると、
「幸村の『事情』も知らず、僕はずっと切嗣達と共に、お前を『裏切り者』と呼んでいた。召喚が行われたあのから、ずっと……」
と、翔輝は謝罪の「理由」について説明した。その言葉を聞いて、春風は「あー……」と何とも言えないような表情をしていると、すぐに真面目な表情になって、
「それなら、俺も前原君……というより、先生やクラスのみんなかな? 言いたいことがあるんだ」
と言ったので、翔輝は「え?」となって顔を上げると、
「俺も、ごめんなさい」
と、今度は春風深々と頭を下げて謝罪した。
「え、ちょ、ちょっと待て! 何でお前が謝るんだ!? お前が謝る理由なんてあったか!?」
と、驚いた翔輝がそう尋ねると、
「勇者召喚が行われたあの日、前原君はみんなを纏め上げていて、そのおかげで全員がやる気になっていた。なのにそれを、俺が全部ぶち壊してしまった」
と、春風も謝罪の「理由」を説明した。
「そ、そんな! お前はただ、『地球』を守る為に……」
と、翔輝は慌てて弁明しようとしたが、
「そうだ。俺は、確かに『地球』を守る為にここに来た。そして、その『地球』を危険に晒した連中を、俺はどうしても許すことは出来ない。でも、その怒りにみんなを巻き込んでしまった。それが、裏部君達が敵に寝返ることになるきっかけになってしまったんだ。だから、裏部君達があんなことになったのは、俺の責任なんだ」
と、春風はそれを遮った。
翔輝はその言葉に「それは……」と何か言おうとして「うーん」と考え込んだ。
そして少しの間考えていると、
「……あのさぁ、幸村」
と、翔輝は気まずそうに口を開いたので、春風は「?」と顔を上げると、
「お前はまだ、僕達に対して「申し訳ない」って想い、あるか?」
と、翔輝はまっすぐ春風を見てそう尋ねた。
それに対して、春風は「うん」と頷くと、
「だったら、僕達を『勇者』にしてくれ。偽物の神様に選ばれた『勇者』じゃない、正真正銘、本物の『勇者』に、だ」
と、翔輝はまたまっすぐな眼差しを春風に向けながらそう言った。
その言葉を聞いて、春風は「え?」と呆けた表情になったが、すぐに真面目な表情になって、
「ああ、わかったよ。俺が、みんなを『勇者』にする」
と、翔輝に向かってそう誓った。
その誓いを聞いた後、翔輝はニコリと笑いながらスッと右手を差し出し、
「幸村……いや、春風。改めて、よろしく頼む」
と、まっすぐ春風を見てそう言った。
その言葉に春風は大きく目を見開いたが、すぐに真面目な表情に戻って、「コホン」と小さくせき込んだ後、
「ああ、こちらこそよろしく、前原……いや、翔輝君」
そう言って、春風は翔輝に右手をギュッと握った。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。
この話の展開を考えていたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、結局1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




