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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第5章 対決、断罪官

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第55話 春風のハンター生活

 お待たせしました。1日遅れの投稿です。


 ハンター登録してから数日後、春風はハンターとしての実力を磨いていた。


 あの食堂での出来事の翌日、総本部で偶然マーカスと再会した春風は、


 「昨日は勝手に部屋に戻ってすみませんでした」


 と謝ったが、


 「いや、俺の方こそすまなかった。話を聞いてくれてありがとう」

 

 と、逆に感謝までされてしまい、魔術の事も含めて春風の心は申し訳なさでいっぱいになった。


 その後、


 「魔術は使えないが、まだ自分には出来る事がある」


 と言って、まずは討伐系以外の仕事をする事にしたそうだ。


 春風は「そうですか」と言ってその後すぐにマーカスと別れたが、何故か別れる際、


 「まぁ、人間誰しも『怖いもの』ってのはあるさ」


 なんて事を言われて、思わずキョトンと「?」を浮かべた。


 訳がわからなかったのでリアナに聞いてみると、


 「多分あの人、ハルが『幽霊が苦手』だと思ってるみたい」


 「マジで!?」


 どうやらマーカスに要らん誤解を植え付けてしまったようで、春風はショックを受けた。


 とまぁ、こんな出来事があったが、落ち込んでいてもしょうがないと考え、春風も早速仕事を受ける事にした。しかし、ハンターになったと言っても、春風自身はまだ最低ランクの「銅3級」なので、最初は「薬草取り」や「家の修理の手伝い」などといった簡単な仕事ばかりだったが、


 「手を抜く気なんて毛頭無い。やるからには()()()()パーセント、完璧に!」


 をモットーにしている春風は、これらの仕事に対してしっかりと向き合い、その最中使えそうなスキルを増やしつつ、全力でこなしてきた。


 その結果、少しずつではあるがシャーサルに住む人達や先輩ハンター達からも注目されていった。


 そして、


 「おめでとうございます。『銅2級』に昇格しました」


 そう、最低ランクから1ランク上に昇格したのだ。


 春風の前に、銅2級のギルドカードが差し出される。


 「ありがとうございます」


 そう言って、春風は嬉しさを表情に出さずに、そのカードを受け取った。


 総本部を出て白い風見鶏(拠点)に戻る途中、


 「良かったねハル!」


 と、隣で大喜びするリアナに、春風は苦笑いしながら言う。


 「あ、ありがとうリアナ。でもあんまり大声で言わないでくれないかな。すっごい恥ずかしいし……」


 そう言って周りをキョロキョロと見回す春風。そんな春風に、リアナは「ハァ」と溜め息を吐くと、


 「もぉ! そんなにオドオドしないでよ! 食堂で叫んだ時みたいにドーンとした態度してれば良いんだよ!」


 と、プンスカ怒りながら食堂での出来事を言った。


 「や、やめてくれ! あれは蜂蜜酒の所為で気が大きくなってただけなんだよ! 俺は元々こういう感じなんだよ!」


 春風は恥ずかしくなって大慌てで否定しだした。春風にとってあの時の出来事は、ちょっとした「黒歴史」になっていた。


 「いやそれは嘘だよぉ」


 だが、リアナも負けてはいない。


 春風が「?」を浮かべていると、リアナは顔を近づけて、


 「だってハル、謁見の間でも凄かったじゃん」


 と、小声で言った。


 その瞬間、春風は顔を真っ赤にして、


 「うおい、もっとやめてくれよ! あの時は怒りで我を忘れてたんだ! あれから俺『うわぁ、やっちまった』って、ずっと後悔してるんだからぁ!」


 と、先ほど以上に激しく否定した。勿論、誰にも聞こえない様に気を付けて、だ。こちらも春風にとっては、かなりの「黒歴史」と化していたのだった。


 「ハイハイ、照れない照れない。これからお祝いなんだから、行こ行こ!」


 「ちょっと、話を聞いてよ! ホント、そんなんじゃないんだって! て、待ってよぉ!」


 笑いながら先へ進むリアナと、恥ずかしそうに彼女を追いかける春風。2人のそんな様子をシャーサルの人達は面白そうに眺めていた。


 ただ、一部の者達を除いては……。


 と、こんな感じで、春風はハンターとしての日々を送っていた。


 このまま、こんな風にこの生活はずっと続いていくんじゃないかと誰もが思っていた。


 しかし、ある「出会い」をきっかけに、彼の運命は大きく動き出す事になるのだが、その事は春風本人は勿論、誰一人として知らなかったのだった。


 


 

 


 


 


 

 

 


 


 


 

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