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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第15章 激闘、セイクリア王国

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第535話 「世界」を渡る「船」


 春風達がセイクリア王国王都で激しい戦いを繰り広げていた丁度その頃、エルードの空を猛スピードで飛んでいる1つの異様な「影」があった。


 その「影」の正体は、一見漁師が乗る漁船に見えるが、何処が異様なのかというと、その漁船には()()()()が大と小1組ずつついていたのだ。


 そんな異様な漁船のようなものは、現在とある人物が操縦しているのだが、その人物とは、


 「待ってろよぉ、ウィルフゥ! 今行くからなぁ!」


 ウォーリス帝国皇帝、ギルバート・アーチボルト・ウォーリスだった。


 ギルバートが操縦しているもの。


 それは、帝国で新たなに開発された、「魔導フライング・シップ」というもので、魔石を用いた動力源に操縦者が魔力を流すことによって、海を渡るだけでなくなんと空まで飛べるという優れものだ。尚、この船の開発には春風も大きく関わっている。


 さて、どうしてそんな優れものをギルバートが操縦しているのかというと、勿論、ウィルフレッドを助けに行った春風達を手助けする為だ。


 ただ、それなら何故春風達と一緒に行かなかったのか?


 その理由は単純に、


 「陛下、まだ仕事がたんまりと残ってますよ」


 と、一緒に行こうとして全身から黒いオーラを出したエリノーラに止められてしまったからである。


 そして、溜まった仕事が終わると、すぐにセイクリアへと向かおうとすると、


 「父上、それなら()()()で行きましょう!」


 と、オズワルドが「魔導フライング・シップ」で行こうと提案したので、早速それに乗って出発したのだ。


 といっても、開発出来たのは4、5隻のみで、すぐに行けるのがギルバートが操縦している1隻だけだったので、仕方なくまずはギルバートが先行して、残りは後から地上の部隊と行くことになったのだ。


 そして現在。


 「陛下、少し慌て過ぎです」


 と言って、ギルバートの背後から頭部を鷲掴みにしているのは、皇妃であるエリノーラだ。


 他に乗っているのは、春風と共に「魔導フライング・シップ」の開発に関わった第3皇子オズワルドと、その補佐役ということで、末の妹である第2皇女アンジェリカ、そして、護衛役に数人の帝国騎士達だ。


 因みに、帝都には第1皇子レイモンドと、第2皇子エドマンドが残っている。


 「あいたたた! ちょ、離してくれエリー!」


 と、急に頭を掴まれたギルバートが口を開くと、


 「陛下、心配なのはわかりますけど、少し落ち着いてください。あなたがスピードを出した所為で、オズちゃん達ぐったりしてますよ?」


 と、エリノーラが笑顔でそう言ったので、ギルバートは「え?」と後ろを振り向くと、そこにはエリノーラが言ったように、床に突っ伏している状態のオズワルドとアンジェリカ、そして騎士達数名がいたので、


 「あ、わりぃ」


 と、ギルバートはそう謝罪すると、飛ぶスピードを落として再びセイクリア王国へと向かった。


 それから暫く飛んでいると、


 「……ん? 何だありゃあ!?」


 と、思わずギルバートは操縦の手を止めて、「魔導フライング・シップ」を緊急停止モードへと移し、空中で止まった。


 「ど、どうしたんですか父上?」


 と、オズワルドが尋ねると、


 「オイ、見てみろ。王都が()()()()になってんぞ」


 と、ギルバートは前方に視線を向けたまま答えたので、


 「ハァ? 何ですかそれは……」


 と、オズワルドも視線を前に移すと、


 「……なるほど、確かに妙なことになってますね」


 と、オズワルドはその前方にあるもの、即ち、空に浮かび上がったセイクリア王国王都の姿を見て、冷や汗を流した。


 さて一方、そんな空に浮かび上がった王都を見て、


 「どうなってるんだよ、これ」


 と、春風がフライング・カーペットの上で呆然としていると、


 「ま、まさか、()()が……!?」


 と、春風の横でウィルフレッドが顔を真っ青にしていた。


 その様子を見て、


 「ウィルフレッド陛下、何か知ってるのですか?」


 と、春風が尋ねると、ウィルフレッドはコクリと頷いて答える。


 「王族の第一子のみに伝えられる『本当の歴史』にはこう記されていた。その昔、我らの先祖は神々と共に巨大な『船』に乗ってこの世界を訪れ、そして侵略したのだという」


 「船、ですか?」


 「そうだ。当時の私はその『船』が王都の何処かに封印されてるものと思っていたのだが、まさか、()()()()()()が、その巨大な『船』だったとは……」


 そう言って、ウィルフレッドは目の前の「船」となった王都を見て戦慄していると、


 「その通りだ、ウィルフレッドよ」


 と、春風達の目の前に、宙に浮かぶラディウスが現れた。


 春風はその姿を見て一瞬ギョッとなったが、


 「()()()が、あんたが言った『舞台』ってやつか?」


 と、キッとラディウスを睨みながら尋ねた。


 すると、ラディウスは「フッフッフ……」と笑って、


 「そう。これこそが、我らの『戦いの舞台』でもあり、『次元の壁』を越えてあらゆる『世界』を渡る『方舟』。その名も……」


 その『船』の名前を言う。


 「『次元艇セイクリア』だ」


 


 


 

 予定ですが、次で第15章は終了です。

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